私を好きでいてくれる人のために、ぜったい炎上したくない。SNS黎明期から活動する「よい子のための悪口メーカー」原田ちあきさんの現在地。

毒々しいまでにビビッドな色彩、切なげな表情で涙を流す少女、そして『こんなこと考えてるの、自分だけじゃなかったんだ』とハッとさせられるフキダシのセリフ。イラストレーター・漫画家・コラムニストとして活躍する原田ちあきさんの作品は、かわいくて、ちょっとおどろおどろしくて、でもどうしようもないほど胸にきます。今回は、そんな原田さんのポップアップショップ(※会期は終了)にお邪魔してインタビューを敢行。劇団に所属していた過去から、万博への作品展示といった近年の活動まで、これまでとこれからのことを伺ってきました。

どうせ大学が無理なら、芸人を目指しちゃおうかなと思って、たまたま新聞で見かけた「劇団東俳」に入りました。

在廊お疲れさまでした!サイン会では一人ひとりに神対応されていましたね。

休日にわざわざ時間を使って来てくださるって、すごいことじゃないですか。だから、少しでもいい思いをして帰ってほしくて。

作風から、すごくアバンギャルドな方をイメージしていたのでびっくりしました。

ファンの方、めっちゃ好きなんです。サイン会はむしろ私のほうが癒されてます。

ではまず、原田さんがイラストを描き始めたきっかけから、伺ってもいいですか?

高校が港南造形高校だったんですけど、入学してすぐに絵を描くのをやめちゃったんです。まわりの子がみんな上手で、これはもうとてもかなわないと思って演劇部に入りました。卒業後も演劇の方向に進むつもりだったんですけど、高校時代の友達が美大のグループ展に声をかけてくれて。そこからまた絵を描き始めたという感じです。

演劇はもともとお好きだったんですか?

演劇もそこまで知らなかったんです。ただ、声がとっても大きかったんで、いけるかもしれないと思って。

それなのに、卒業後は演劇の方面へ?

高校3年のときにラーメンズさんを知って、ラーメンズさんって美術も演劇もするから、こういう人になれたらかっこいい!私はラーメンズさんみたいになるんだ!と思って。でもその頃、家が大変なことになりまして。父の会社が潰れて両親が離婚して、大学進学はちょっと無理かも、みたいな。どうせ大学が無理なら、芸人を目指しちゃおうかなと思って、たまたま新聞で見かけた「劇団東俳」に入りました。

ラーメンズ的なことができるかも…と思って劇団に入られたと。

でも、高校生なのでそこまで目標にしてたわけでもなくて、お笑いの授業があったから受けてたくらいの感じです。でも、2年ほど通ったところで、生まれて初めて彼氏ができてしまいまして。それがバンドマンだったんです。もう初めての恋愛が楽しくて楽しくて、劇団もやめちゃいました。
その彼氏が、十三ファンダンゴの人を紹介してくれて、マンスリーって1ヶ月の予定をまとめたチラシを作ることになったんです。そこから、イラストのお仕事が始まりました。

原田さん自身が、イラストを仕事にしようとしていたわけではないんですね。

恥ずかしながら、何にも考えずに生きておりました(笑)。あと、此花のシカク(※2025年7月取材)の竹重みゆきさんが、高校の同級生なんですよ。当時、竹重さんがドイツに1ヶ月行くことになって、その間飼ってる猫を預かる代わりに、シカクを自由に使って何でもしていいよって言ってくれたんです。それで、初めて個展を開くことになりました。
当時はコールセンターの派遣をしてたんですけど、そこがすごく性に合ってて。でも、個展のために1ヵ月休むのが制度的に難しくて、1度辞めてまた戻っておいでという話になったんです。そしたら、その個展がすごくうまくいって、売り上げも良くて。結局そのまま、コールセンターを辞め続けている状態が13年ほど続いてます。

今も辞め続けてる最中なんですね!その頃から、Twitterでの発信を始められたのでしょうか。

当時はTwitter(現X)がすごく元気だったので、宣伝してみようと思って。当時の若いクリエイターって、ハガキサイズのDMを刷って、ライブハウスとかギャラリーとかに置かせてくださいってダメ元で配ったりしてたんです。でも、Twitterで発信したらどうなるんだろうと思って始めたら、いろいろ試すのがめっちゃ楽しくなっちゃって。

たしかに、かなり早い時期からTwitterで活動されていたイメージがあります。

まだバズっていう言葉も存在しないぐらいの時期ですね。面白い4コマ漫画を描く人がリツイートされて話題になって、それが書籍化されるような流れが出始めた頃でした。私はその頃、恋愛もうまくいかなくて、バイトも辞めてフラフラしてて、家族との関係も悪くなっちゃって。毎日本当に時間だけはあったので、イラストを描いて投稿したり、1ページの漫画をアップしたり、白黒にしてみて反応を探ったり、それを毎日、命をかけてやってました。

Twitterが実験の場みたいな。

反応が返ってくるのも楽しいし、フォロワーが増えるのもゲームみたいで面白くて。当時はTwitterも今よりクールだったので、良くない絵を上げたらフォロワーが減るし、良い絵を上げたら増えるし。毎日ちょっとずつ増やしていくのがとにかく楽しかったです。

誰も悪口のイラストなんてやってないし、もしかしたら一番になれちゃうかも!と思って。失うものも何もなかったから、嫌われてもいいかなって。
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Profile

原田ちあき

イラストレーター・漫画家・コラムニスト・京都芸術大学イラストレーション科非常勤講師。大阪府出身。ドロドロカラフルな画風で、誰の心の中にもあるマイナスな気持ちに焦点を当てた作品を得意としている。画業のほかに、映画・テレビ・ラジオ出演をはじめ、コラボカフェやアパレル、音楽分野などジャンルを越えて幅広く活動。Twitter黎明期から活動を始め、SNSの総フォロワー数は約26万人を誇る。2025年大阪・関西万博では「Co-MYAKU‘25」に参加し、会場の壁画を担当。「面白いことは何でもやってみたい、誰かに喜んでもらえるなら何でもやりたい」

https://asobisystem.com/talent/chiakiharada/

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