独立から3年かけてたどり着いた、深さと広さのあわい。メジャーレーベルと手を組み、再び“恋させる”べく動き出したyonigeの姿。
そろそろ、大阪のみんなにも「おかえり」って思ってもらえるようなライブを届けたい。

先ほどは主に制作についてうかがいましたが、ライブにも変化はありましたか?
ごっきん:歌とメロディーがいいんだから、素直にそれが引き立つ演奏ができればいいな、と昔よりも思うようになりました。若い頃は自己顕示欲があって、「もっとこっち見ろ!」みたいな邪念があったんですけど。今はそうじゃなくて純粋に音楽が楽しくて、曲の良さが伝わればいい。あと、私たちってずっと、「手を上げろ」みたいなアクションでお客さんに何かを強要することがなかったんですよ。でも最近は、牛丸がお客さんを煽るシーンが増えてきて。ライブを一緒に作り上げてる感じが出てきました。
そうじゃない時期があったんですね。
ごっきん:過去の楽曲制作とも共通するんですけど、突き詰めて演奏するべきというか、ある意味、置いてけぼりにしてもいい、突き放してもいいと思ってる時期もあったんです。お客さんがみんな死んだ魚の目でステージを見てる、みたいなライブもやってきました。
牛丸:特にアルバム『健全な社会』を出した頃は、「それまでとは真逆のことをしなきゃ」って思ってて。ステージ上で一切動かず、水も飲まず、喋らず、ただ演奏だけする、そんな時期でした。でも「これを一生やりたいわけじゃない」ってのは自分でもわかってて。「一度これを経ないと次のステージに行けない」と思ってたから、ステップとしてやり切りたかった。そこからだんだん、自分のマインドに正直になって、感情をライブに反映させていけるようになりました。
ごっきん:当時の全てが間違いだったとは思っていません。でも、バンドもお客さんもお互い明るくなってきたのは、いいことなんじゃないかな。

その変化の要因は、何だと思いますか?
牛丸:独立してファンとの距離が近くなり、いろんな街でライブして、聞いてくれる人たちの顔がはっきり見えてきたからですね。「聞きたい曲をもっとやってあげたいな」という感覚が強くなってきました。それまでは、顔が分からない抽象的な対象に向けて歌ってる感覚だったんですけど。
ごっきん:私たちもちょっとずつ大人になって、優しくなってきたんだと思います。最新の曲ばっかりやってた期間があって、それがだんだん柔軟になり、去年から今年にかけて行った47都道府県ツアーでは、過去曲をコンプリートしちゃいました。
そのような移り変わりを経て、今のお2人から見ると、地元の寝屋川はどのように映りますか?
ごっきん:寝屋川限定で言うと……私たちの後に全国流通のバンドが次々と出てきて、すごく盛り上がっていて。私たちは全然「寝屋川を代表して活動する」という感覚はないんですけど、その子たちは、寝屋川を背負う勢いで活動していて、すごいなと思っています。

後輩の活躍を受けて、故郷に対する視線は変わりましたか?
ごっきん:うーん……いや、シンプルに生まれ育った場所! って感じで変わらないです(笑)。高校生でバンドをやってた頃から、楽しい思い出もつらい記憶もいっぱいある。でも、愛おしすぎてしょうがない、っていう感情とは違って。あそこから全てが始まってるから、帰る土地ではあるんだけど。
牛丸:反抗期の頃の、親との距離感というか……(笑)
ごっきん:ははは!
牛丸:感謝はしてるけど「なんかうぜぇ」って感情も混ざってる、みたいな。私は幼い頃から転々としてて、オーストラリア、長野などに住んで、最終的に寝屋川に移ってきました。長くいたわけではないのに、寝屋川は自分の中にすごく色濃く残ってて。かといって、愛着ともちょっと違うし……。
ごっきん:寝屋川のライブハウス『VINTAGE』でライブをさせてもらって、その次は心斎橋の『BRONZE』ですごくお世話になって、当時は年間最多本数くらい出させてもらっていました。濃い期間だったけど、バンドはやるし、お金がないからバイトもいっぱいするしで、とにかく忙しかったのも大阪時代で。

今後、大阪でのライブも決まっています。こんな姿を見せたい、ステージからこんな景色が見たい、という思いはありますか?
牛丸:大阪のみんなに「おかえり」って思われたいのは、ちょっとありますね。大阪に対してあんまりいいこと言えなかったけど(笑)
ごっきん:私らはこんな態度で、それこそ、置いてけぼりみたいなライブした時期もあったし。やっぱり長い反抗期だったのかも。でも、そろそろ……溶け合っていきたいというか、一体感のあるライブもやってみたいです。

では、もう少し先の目標も聞かせてください!
牛丸:もう1回、ちゃんと自分たちの力で武道館をやりたいと思っています。
ごっきん:前回(2019年)は周りの大人たちがいろいろ考えてくれて、“やらせてもらった”感覚がすごく強くて。そこから自分たちを見つめ直して、今は「また行くぞ」って頑張ってる最中です。
牛丸:前作のアルバム『Empire』が自分的にすごくいいアルバムになったし、『芽吹くとき』でも、いい方向に進んでいる感覚があります。ちゃんと「yonigeはこうだ」って言えるものが2作できた。今後もそれを推し進めて、人に届く曲を作っていきたいなと思ってます。
ごっきん:なんか今、やりたいことを何でもできる感覚なんです。2019年からサポートギターをお願いしている土器(大洋)さんをはじめ、心強い仲間と出会えたのが大きかった。閃いたことを具現化できる力が備わったyonigeで、思いついたかっこいいことを、片っ端からやっていきたいなと思います。

<yonigeのお気に入りスポット>
てんま屋(寝屋川市東大利町)
VINTAGEの近くにある、たこ焼きとお好み焼きのお店です。高校生の頃にバンドで通い始めて、今でも寝屋川でライブがあるときは、必ず立ち寄ります。ここのたこ焼きを食べると、まだ何も持っていなかった頃の自分にちょっとだけ戻れる気がします。地元って感じはくすぐったいけど、ここだけは特別かもしれません。(牛丸ありさ)
菓匠香月(寝屋川市成田町)
小さい頃からずっと成田山不動尊が身近で、お正月になると必ず帰ってきてお参りしています。こちらは、参道のすぐ近くにある、昔ながらの和菓子屋さん。「餅パイ」がずっと好きで、結成10周年のアニバーサリー・ブックの撮影の時も食べました。寝屋川に帰ったらまずはこれを買う、というお菓子です。(ごっきん)
<INFORMATION>

yonige one man tour 2026〜夏の魔法にかかって壊れていくだけのふたり〜
日程:2026年8月10日(月)
場所: 梅田CLUB QUATTRO(大阪市北区太融寺町8-17 プラザ梅田 10F)
時間: OPEN 18:00 / START 19:00
料金: 前売¥5,000 / U22 前売¥4,000 / 当日¥6,000 ※全て税込・別途ドリンク代
チケットはこちらから
東京・渋谷公演は8月6日(木)、名古屋公演は8月11日(火・祝)

yonige『芽吹くとき』(期間生産限定盤)
発売日: 2026年5月27日(水)
CD収録曲(初仕様/通常仕様共通)
芽吹くとき
Don’t
Wet
しがないふたり(re-arrange ver.)
Blu-ray収録内容(初仕様/通常仕様共通)
TVアニメ『上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花』
ノンクレジットオープニングムービー

yonige
大阪寝屋川出身。2013年結成。牛丸ありさ(Vo&Gt)、ごっきん(Ba&Cho)の2人からなるロックバンド。ソリッドなバンドサウンドとポップなメロディ、恋愛や人生観をリアリティのある言葉でつづった歌詞が10〜20代を中心に共感を呼び、2015年8月リリースの「アボカド」のMVが話題を集め、2017年にメジャーデビュー。2019年8月13日の日本武道館ワンマン公演はソールドアウトで成功を果たす。2024年1月に3rdアルバム『Empire』をリリースし、全国ツアーを開催。2025年3月15日には、バンド初となる日比谷野外音楽堂でのワンマン公演『yonige"I'm Back"』を開催。
同年5月29日からはバンド初の試みとなる47都道府県ツアー『yonige〜Homing tour〜』で全国を巡り、2026年春にはソニー・ミュージックレーベルズにて再メジャー契約。併せて4月クールのTVアニメ『上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花』OP主題歌が新曲「芽吹くとき」に決定した。
https://yonige.net/
Instagram: @yonige_official / @usimaruc3 / @gokkin_c_b