飲食店っていう枠から外れて、いろんな面白い人が集まるカルチャースポットになれたら嬉しいですね。

アパレル、ケータリングと渡り歩いてきた過去を振り返りましたが、改めて今のお店の話に戻すと、中津の街の雰囲気はどうですか？

今でこんな感じやったら先は明るいかなって思いますね。明らかに開発されていくけど、丁度よく下町感も残ってますし。近所の『Japoni』さんやすぐ上の『楽園』さん、通りをまっすぐいけば『テケレッツ』さんもあったりして、良いお店もたくさんありますし。遊びに来てくれたお客さんにも、自分の好きなお店はドンドンおすすめしてますね。

“めしや”も良いネーミングですよね。

しっかり手の込んだ料理を、居酒屋感覚で楽しんでもらえたらなって思って。お客さんもしっかりご飯を頼んでくれる人が多いですね。実は『sio』の鳥羽さんに相談して決めたんですよ。

詳しく聞いてもいいでしょうか！

食堂とか、キッチンとかいろいろ候補があったんですけど、店の名前に悩んでたとき、電話していた鳥羽さんが「めしやってマエケンっぽいよね」ってアイデアを出してくれて。次の日に「画数もめっちゃ良いよ！」って教えてくれたので、“めしや”を冠につけることにしたんです。

『ぬんぽこ』時代からいろんな飲食店とコラボしてたので、鳥羽シェフとのコラボも期待してしまいます。

いつかコラボできたらいいなって思ってますね。どうせやるならライブ感満載の立ち呑みで。せっかく自分のお店が出来たので、自分にしかできひんような人らと、いろいろ面白いことを発信できたら良いなって思ってますね。お店もしっかり作り込みましたし。

それは楽しみです！お店の雰囲気も落ち着いててイイ感じですよね。

雑そうに見えて、意外と雑じゃないんですよ。一応、ノリとしては「日本文化が好きすぎて、シブい角打ちや立ち呑みでよく飲んでたイギリス人が、オーバーステイで帰国した後にイギリスで作った店」。だから、壁のところに京都の火の用心のお札を貼ってたり、メニューも壁に貼ってたり。自分の私物も雑に置いてたりしてるんです。

そんな裏テーマがあったとは（笑）

ドット（※2）も壁に描いてくれたとき、「めっちゃこの店イイね！」って言ってくれました。絵を描いてもらったときも、壁の一番デカイスペースに描くのかと思ったら、描いたのはすぐ入り口の壁で。理由を聞いたら、「夜になったら作品がガラスに反射して超カッコいいから」って。キッチンの壁に貼ってある日替わりメニューも額縁を描いてもらいました。「もうちょいデカくしてよ」って言ったら、「お前ふざけんなよ！」って怒られましたけどね（笑）

※2 DOTMASTERS。イギリス出身のグラフィティアーティスト。世界各国のアートコレクターから注目を集める。

また夜に来たときに注目してみます！最後に、この場所をどんな店にしていきたいか教えてください！

せっかくドットに立派な絵を描いてもらってるので、やっぱりストリート感は残していきたいですよね。僕もずっとストリートで遊んで来た人間なので、仕事のときのファッションも、先輩がやってる＜PLAYDESIGN＞の服にVANSを合わせてて。飲食店ってご飯を食べる場所やけど、その枠から外れて、「めしやマエケンに行ったら面白い人おるよ」って言ってもらえるような、場所としてのカルチャースポットになれたら嬉しいですね。

＜前田健太さんのお気に入りのブランド＆スポット＞

CLOUDY
大阪に来たらほぼ毎日一緒に遊ぶくらい仲良しの友達がやってるブランド。アフリカで服を作ってて、売上の何%かをアフリカの学校の運営に使う仕組みを作ったり、やってることがめっちゃカッコいい。

ヒロカワテーラー（大阪市中央区平野町）
いろんな人に僕のことを紹介してくれたり、昔からすごくお世話になっている立ち呑み屋さん。僕の飲むペースが早すぎて、僕専用のメガジョッキが置いてあります。

葉村温泉（大阪市北区中崎西）
仕込みが落ち着いて時間が空いたら、1時間だけでもサッと入りに行きます。サウナは狭いけど、懐メロが流れててめっちゃイイ感じです。

ブランカ（京都市中京区丸屋町）
まず店主の方がかっこいいんです！お店も渋いし、ちゃんとしたお料理を独自のスタイルでされていて、遅めの時間帯に来る常連さんたちも素敵な方々が多く、そういったことも魅力の一つです！