まるで公園みたいに人が集まる、Shuriさんのコーヒーショップ『heys』。誰かのためになりたい、その想いがあるから、今日もハッピーとラッキーが交差する。
ずっと『heys』を続けながら、奥さんにもお母さんにもなりたいし、スタッフがもっと活躍できる場所を生み出せる存在にもなりたい。夢は大きいけど、大きな夢を語れる女性になるのが理想かな。
今、阿波座にオープンした『二甲立食店』でもポップアップ的に出店してますよね？
そうなんです。12月末までの毎週木・金・土の12〜17時の間は、TAKAさんの新店『二甲立食店』でポップアップスタンドをオープンさせてもらってます。実はちょっと前の話なんですが、いい物件に出会えたので新店舗を出すためにいろいろ動いてたんです。
その話気になります！
まぁ、結果的には、初期費用や条件面でまだ無理かなという判断に至ったんですが、2店舗目はずっとつくりたいと思ってるんです。『heys』の場所で営業を続けるほどに、やりたいことはどんどん増えてくる。スタッフがもっと活躍できる場にするためにも、いつか独立店舗をつくりたいなって。あの物件は力不足で諦めてしまう結果になったけど、私の中ではまぁまぁの挫折感もあったんです。だから、あと1〜2年踏ん張って新店舗を出そう！さぁ、また頑張ろうって思ってたら、TAKAさんが声をかけてくれました。「あっちでやりながら、うちの店でもできたりするかな？」って。もうめちゃうれしくて、「やります！やりたいです！」って即答でしたね。
すごいタイミング！
間借りだから今のスタイルとも近いし、スタッフもいるから2店舗営業になっても回せるし、自分が足を伸ばせるタイミングでもあった。それに阿波座の地域性も見てみたかったのと、『二甲立食店』のあの空間でコーヒーを提供できるって素敵すぎるじゃないですか。1ヶ月くらいで準備して、ワクワク気分でスタートしましたね。ポップアップスタンドはとりあえず年内までなので、たくさんの人に空間の気持ちよさとコーヒーを味わってもらいたいと思ってます。で、また来年もできたらなって（笑）
次のステップに向けて、いい経験がまた新しく積み重なっていってる感じですね。もうすぐそこの未来には、新店舗がオープンしてそうですが、Shuriさんが目指す理想のお店ってどんな感じなんですか？
内装とかのハード面じゃない話で言うと、人も一緒に成長できるお店でありたい。そして、もっといろんな部分に自分を表現していきたい。今、私自身が好きなことを仕事にさせてもらってるから、その感謝を人や地域に還元したいんです。例えば、今よりもっと大きな働きがいを生み出せるようになったり、スタッフが『heys』の仕事だけで生計を立てれるようになったり、地域の人にもっと開放できるような場所になったり。不安もありますけど、誰かのためになれたらいいなって思ってます。まだまだ自分本位だし、どうあるべきかで揺れてる部分もありますけど、誰かのためになるお店でありたいですね。
『heys』もこれからの新店舗も、ますます素敵な存在になりそうですね。悩みや不安はつきものだし、揺れてる方がそのぶり返しが大きくなって形になるんじゃないかなと。
普通って言うと語弊があるかもしれないんですが、普通の人生だったらそもそも独立開業なんかしてないと思うんです。それはきっと、悲しいことが多い人生やったからかも。
悲しいことが多いって、もし言える範囲で教えてもらえれば。
結果的にポジティブになってるので全然問題ないんですが、幼少期はシングルマザーの期間が長かったんですよ。よくよく考えると、お母さんも手に職があったらもう少しラクな生活ができてたんかなって。今は新しいお父さんがいて、可愛い妹もいて感謝でいっぱいだし、4人の子どもを育てたことには尊敬しかない。だから、私もお母さんになる基盤はつくらないとって思ってます。自分でお店をしてたら、それだけに力を注いでるように思われてて、「結婚願望ないやろ？」って言われることもあるんです。いやいや正直、めちゃくちゃあるし、どっちも手に入れたいですからね（笑）
それでいいと思いますよ！ちゃんと欲張りじゃないとね、そこは。
あとはね、25歳くらいの時に病気が発覚したんです。病名は、慢性骨髄性白血病。発覚したのが初期だったので、薬治療でやっていけてる状態です。それなりの不安もあるけど、病気しても長生きしてる人はいるし、ある日突然亡くなってしまう人もいる。人生、どうなるか分からないから、何も考えずに急にいなくなるよりかは、ちょっとは死を意識して、今日できることをやろうって。そんな価値観をもてるようになったのは、めちゃラッキーだと思ってますね。
元々の性格もあるでしょうが、Shuriさんの真っ直ぐさには、そんな一面もあったんですね。
惰性で過ごすのはイヤ。守られた中で生きるのもありだけど、それよりも覚悟をもって生きる方が楽しいかなって。人生の振り幅だってありますしね。お母さんにもよく言われるんですよ、「元気すぎて病気のこと忘れるわ！」って（笑）
人生、楽しんだもん勝ちって言いますしね。その楽しさが元気の源にもなるし。
そうなんですよね。そこが1番大きいと思います。で、あと1つあるんです（笑）
聞きますよー！おっしゃる通り、ポジティブに転換されてるので。
隠してる話じゃないので全然OKで、実は『heys』がオープンして1ヶ月後に離婚もしてます。だから、去年の春頃はすごいハードだったんです（笑）。オープンした4月の時は別居中で、そこからGWの休みに1人で湘南に行って、風を浴びながら考え、もっと幸せになりたいから別れようってね。病気が発覚して闘病してる時も一緒にいてくれたからすごい感謝はしてるんですが、方向性の違いで解散しました。
バンドみたいに言いますね（笑）
今はい今はいい人とも出会えてるので、プライベートも幸せだから安心してください（笑）。おもしろくてポジティブで、大阪人みたいなフランス人の彼に救われてます。
それにしても、『heys』オープンしてからの時間は、相当濃い目ですね。
まだ2023年なん？って感じです。体感的には、もう万博が始まってそうなくらい。まぁ、仕事もプライベートも結果的には全てハッピー！だからね、私、虹が好きなんですよ。雨が降っても虹ができるって考えれば、なんとかなると思えるし、物事をいいように捉えていける。私くらいちょっと影がある方が、パワーもあるんちゃうかなって（笑）
別に影があるようには見えないですよ。どっちか言うと、ハッピーオーラまとってる感もありますし、酒場での印象もそっちだし。
そうですかね？自分ではちょっと根が暗いなって思う時もあるから、服に関しては元気になれるものを着るようにしてるんです。それにお酒も全然飲めない。私、ゲコなんですよ。
マジですか！？飲めそうな感じなのに。
ハイボール2杯でベロベロのレベルですよ。仕事が終わったらお腹も空いてるし、いろんな知り合いのお店に行ってます。「立ち仕事してんのに、夜は立ち飲みに行くんかい！」って笑われることも多いですが、酒場が大好きなんですよ。ワインかメスカルのソーダ割りを1杯飲んで、ほろ酔いで帰ってスコーンと眠る。飲食店の人にはコスパ悪くてごめんって感じですが（笑）
そうなんですね。勝手なイメージを抱いてたから意外でしたが、『heys』でも、夜の酒場や街でも、やっぱり人と関わり続けてるのは、Shuriさんらしいなと思いました。ちょっと抽象的な質問になりますけど、女性としてのなりたい姿を最後に聞かせてもらえれば！
ずっと『heys』を続けながら、奥さんにもお母さんにもなりたいし、スタッフがもっと活躍できる場所を生み出せる存在にもなりたいです。周りにはおもしろいことをしてる人、素敵な人がたくさんいるので、そんな人たちが自分の場所と思えるような『heys』へと育てていける私にもなりたい。そして、自分だけじゃなくて、周りのみんなも豊かにしていきたい。夢は大きいけど、そうやって大きな夢を語れる女性になっていきたいと思います！！
＜Shuriさんのお気に入りのお店＞
ジョローナ（大阪市西区北堀江）
元々は古着屋さんで、今はギャラリースペースとして展開しながらアーティストや作家を呼んで展示会を開催したり、オリジナルのリメイクアイテムを販売してます。今日のジャケットも、ここで一目惚れして購入しました！
DENCHU（大阪市西区北堀江）
コーヒーとワインと日本製のプロダクトを扱うライフスタイルショップ。最近オープンしたお店で、日本の職人さんがつくってるプロダクトがほんと素敵です。
Kitty（大阪市西区北堀江）
昔からよく通ってる古着とセレクトアイテムが並ぶショップで、オーナーの花江さんは憧れの存在！可愛い娘さんもいて、いつも楽しそうに働いてらっしゃる姿が印象的なんです。
Shuri
北堀江のコーヒーショップ『heys』のオーナー。短大入学後からアパレル販売員やウェディング関係の仕事を経て、コーヒーの世界へ。よく通っていたお気に入りの『グランノットコーヒー』で未経験からコーヒーのイロハを学び、2022年4月に『heys』をオープンする。休日はどこかのお店でコーヒーを飲むところから始まり、お出かけしたり、遠出することが多いそう。1日に飲むコーヒーは、だいたい3杯。食べるものによって、コーヒーの味も細かく選ぶタイプ。ヨガを始めようと思いつつも、体験に一度行ったきり。でも、ヨガパンツは購入済み。
