【ぼくらのアメ村エトセトラ vol.8】 努力を諦めない限り、成長は続く。CHOPPERさんが挑んできた、世界とアメ村でのスケートボードライフ。


これからリリースする作品の結果次第で、自分の新たな動き方が始まる。50歳でまた大きなターニングポイントがやってくるんちゃうかなと。

CHOPPERさんが今取り組んでいることや、スケーターとしてのこれからのビジョンを聞かせてください!

2013年に作品を発表して、その次の作品を実は2016年から撮ってるんです。『THE BERRICS』の編集長が大阪に遊びにきた時に色々案内してたら「ロスで撮らへんの?」ってことで、2016年と2017年の2年間で3回渡米し、計60日間を撮影に費やしました。もちろん自腹なんで、2018年は資金を貯める年にして、2019年頃にもう一度渡米してから発表する予定だったんですが、コロナ禍になってしまって…。親父も他界してプライベートも大変だったから、なかなか再開できないまま今に至ってしまってます。

動きたくても動けない状況は、もどかしいですよね。

撮影を始めて丸7年経つし、作品としては9割完成してるので、あと少しなんです。内容には自信があって、自己査定ではおそらく世界的にもいい反響が得られるんじゃないかなと。ただ時代的に、中身のないバズ目的のものに隠れてしまう怖さもあるんですが、ドーンと広がるとは思ってます。50歳なんで、ソロ作品としては最後のものになるでしょうね。

それは楽しみです!リリースはいつ頃の予定なんですか?

今のところ、何もなければ2024年の春頃の予定。作品の大トリも、2017年に撮影済みです。大トリを撮ってるので安心感はあるんですが、月日が経ってることで逆に不安もいっぱいでね。

というのは?

当時は誰も思いつかないトリックを撮ってても、誰かが出すかもしれないじゃないですか。すごいスピードで新しいトリックが発明され、SNSで拡散されてる時代だから、メンタル的なストレスが半端ない(笑)

確かに…。「俺の方が先にやってた!」とか、言えないですし。

とりあえず今の取り組み、スケーターとしてのビジョンは、この作品をリリースすること。その先の展開は、この作品がどう受け入れられるかで変わってくると思います。スケートボードは今でも上手くなってるし、同じことをしてるおっさんもいない。そこに価値はあるけど、生きてくためにはやっぱりお金も必要ですからね。やりたいことに対しては、お金のことを考えないタイプで、今はこの作品に全振りしてる状態だから、超ギリギリでやってるんですよ(笑)。普通に家の電気が止まってしまったこともありましたし。

それだけの覚悟がないと、難しいと。

世界レベルのものを発信するためには、生半可な気持ちじゃできない。生活の全てをそこに注ぐ感じです。<WHATEVER>というブランドも手掛けてるんですが、作品制作中の期間はずっとストップしてる状態。いろんなアーティストやショップからコラボの話ももらってるけど、それも中途半端になるのがイヤでお断りさせてもらってます。

ほんまに全振りですね。

世の中そんなに甘くないから、それくらいの覚悟がないと無理。努力したらできるのに、その努力を諦めて才能のせいにするのは違うと思ってる。俺は才能がないから、努力するしかないんです。だからこそ、この作品の結果次第で自分の新たな動き方が始まるなと。50歳でまた大きなターニングポイントがやってくるんちゃうかなと思ってます。

ここまでの強い想いを伺うと、改めてCHOPPERさんにとってはスケートボードが人生そのものなんだなと。どの選択もそうですし、惰性で生きてないからこそ、掴んできたものがある。簡単に真似できる人生じゃないですが、CHOPPERさんの想いをこの記事で読んでもらうことで、いろんな人にも何か気づきが生まれそうだと感じました。

今取り組んでるこの作品で何か達成できたら、その達成という行為には2つの要素があると思ってます。1つは、俺みたいに身体能力もポテンシャルも低い人間が、努力しても補えないことに時間をかけて挑み続けたからカタチになる。それは、夢を与えるということ。そしてもう1つが、これまで言い訳をかましてたヤツらに、言い訳させられへんようにもできる。まぁ、その要素もおもしろいなと。正直、お金目的でやってたら困ることなんてないけど、そこのベクトルでスケートボードをしてるわけじゃないから。誰よりも本気で、いつまでも上手くなり続けたい。その自己向上の気持ちが、俺の根っこにあるんですよ。


<CHOPPERさんのお気に入りのお店>

WHEV(大阪市中央区西心斎橋)
OSAKA DAGGERSのクルーが営む、スケートボード&パンクをバックボーンにしたアイテムを扱うショップ。世界中からいろんなスケーターが集まり、大阪のスケートボードシーンを根っこから支えてます!

スポタカ&スポパー(大阪市中央区西心斎橋)
昔からずっとお世話になってて、併設のスケートボードパークには今でも定期的に通ってます。小学生や中学生の子どもたちとワイワイしながら滑ったり教えていると、大人になっても学ばされることが多いんです!

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Profile

CHOPPER

本名、中村泰一郎。大阪発のスケートクルー・OSAKA DAGGERSを牽引し、オリジナリティあふれるトリックとセレクションは世界的にも知られている。スケートボードブランドの<HEROIN SKATEBOARDS>にも所属し、25歳だった当時は日本人初の国際プロライダーとしても活躍。2013年にリリースされた作品『VIDEO NASTY』でのパートは、『THE BERRICS』でもフィーチャーされるほど。現在は今春のリリースを目指して、新たな作品制作に挑んでいる。

https://store.whev.com/

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