結成10年を迎えたYONA YONA WEEKENDERS。フロントマンとして、親として、ひとりの人間として。磯野くんの、変わったものと、変わらないグッドミュージックを鳴らすこと。


新作EP『想い出の予感』は、これまでリリースした作品の中で、一番議論を重ねて制作できた。今の僕らなりの初期衝動を反映させる、そんな楽曲が揃っています。

お酒も入ったところで、改めてインタビューよろしくお願いします! まずは8月26日に配信リリースされたEP『想い出の予感』についてお聞きしたいんですが、作品が完成した時に、いつもと違う手応えってありましたか?

これまでにリリースしてきた作品も自信はあったんですが、どこか評価を聞き手に委ねている部分があったんですよね。でも、『想い出の予感』ができたときは、周りの評価とかは抜きにして「本当に自分たちが満足できるものが作れた!」という手応えがありました。

2026年8月26日にリリースした7th EP『想い出の予感』のジャケットがこちら。
夜半の月/パパ/トキオ・ダンジョン/あっ!/ワン缶の全5曲収録。

それはバンドとして何か変化があったからでしょうか?

これまでリリースした作品の中で、一番メンバーやスタッフと議論を重ねて制作できたのが大きかったんだと思います。ひとつ前にリリースしたEP『予酔いの宵(よよいのよい)』が、3人体制になってから初めての作品で。レコーディングのゴールが見えない中で、みんなでもがきながら作ったんです。でも新体制になって2年目を迎え、経験を重ねたことで、前作より地に足をつけて制作できたのかなと。

新体制になってから、“役割”という面で、磯野くんご自身の変化はありましたか?

僕はこれまで通り、とにかく良い曲を作って、バンドのフロントマンとして表現する、というところにフォーカスしてます。逆にそれ以外のことは、みんなに甘えて頼ることを、10年目にして覚えることができたかも。

結成10年目にして、甘え方を覚えられたと。

そうですね(笑)。なんとなく自分がリーダーだからって気負っていた部分があったのかもしれません。でも振り返ってみると、ここまで来られたのって今まで支えてくれたいろんな人や、良い巡り合わせがあったからこそで。自分だけの力じゃないからこそ、「頼れるところは頼っていこう」という気持ちで制作に臨めました。

磯野くん的に、今作の大きな聴きどころを教えてください。

僕らは仕事の傍らバンドをやっているので、仕事が終わってからそれぞれ別々に録音して音を合わせることが多かったんです。でも、今作に収録されている『パパ』と『ワン缶』は、サポートメンバーの2人も呼んで、スタジオ合宿を敢行してレコーディングしました。こういう合宿的なレコーディングはバンドとしては初めてで。バンドの熱量や空気感がそのままパッケージされた音源になったと思います。

一発録りの合宿レコーディングは、チームからの発案だったんですか?

そうですね。「曲的にそういうやり方をしても面白いんじゃないか」という意見がチーム内から出て、僕的にもなんとなく修学旅行みたいで楽しそうだなと(笑)。大人になってこんなことができる機会ってなかなか無いですし、今の僕らなりの初期衝動を反映させるのも音楽的に面白いんじゃないかなって。

実際に合宿してみてどうでした?

1泊2日っていう強行のスケジュールだったんですけど、昼過ぎに集まって『パパ』を録り始めたら、みんなで合わせるのって想像以上に大変で。結局、夜中の23時くらいまでかかりました。BBQができるスタジオだったので、それも楽しみにしてたんですけど、最後にちょっとだけ肉を焼いて終わるっていう。

ギリギリでBBQはできたんですね(笑)

本当にちょっとだけですけど(笑)。でも、今まではヘッドホン越しにそれぞれが録った音を重ねる作業だったのが、顔色やコンディションを伺いながらお互いの音に寄り添っていく作り方ができた。すごく新鮮だったし、良いテイクが取れたときの達成感は今までにない感覚でした。

 


ライブっぽさもありますね。それだとデモの音源から変わった部分もあったのではないでしょうか?

そもそも僕がデモを作ると、手が3本ないと叩けないドラムフレーズを入れてしまったりするんですよ(笑)。それをリアルタイムで、どんなフレーズにするか議論しながら1曲を作り上げていったので、プロセス自体がすごく面白かったです。『パパ』はある程度固まっていましたが、『ワン缶』に関しては僕自身もゴールが見えない状態でスタートしたので、同じ一発録りでもまた別の熱量が音に入ったと思います。

 


4曲目の『あっ!』は、NHK『みんなのうた』にも起用された楽曲ですが、お話が来た時のお気持ちはいかがでしたか?

素直に嬉しかったですね。ちょうどお話をいただいたのが『パパ』を書いているタイミングで、順風満帆とは言えないバンド人生の中で、「しっかり子どもを食わせていかなきゃいけない」という父親としての決意を込めた曲だったので、どこか救われたというか、運命めいたものを感じました。

 


息子さんもコーラスとして楽曲に参加されたそうですね!

そうなんですよ。親バカで息子を全国デビューさせてやろうと。もうすぐ6歳になるんですけど、レコーディングにはすごく前のめりに取り組んでくれました。ただ、家ではママが大好きなSnow Manばかり聴いていて、パパのバンドにはあんまり興味がないみたいで……(笑)。完成して「ここに君の声が入ってるんだよ」って教えても、あんまりピンとはきてないみたいですけど、たまに口ずさんで歌ってくれるのがすごく嬉しいです。

公園で遊んだあと「まだ帰りたくない」と泣いた息子さんを見て『あっ!』が生まれたとのことですが、お子さんから制作の刺激をもらうことも多いですか?

直接的な曲作りにつながったのは今回が初めてでした。普段からうまくいかないことの方が多いんですけど、家に帰れば息子がいるというのはやっぱり大きなことだなって思います。頑張らなきゃって気持ちにさせてくれるし、音楽を続ける上での大きなモチベーションや活力になってますね。

ありのままの姿を出して共感してもらうことが、 バンドとして正しい広がり方なんじゃないかなって、ここ数年ですごく感じる。
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Profile

磯野くん

岡山県出身、東京在住。“ツマミになるグッドミュージック” を奏でるバンド・YONA YONA WEEKENDERSのフロントマンで、グルーヴィーで表現力豊かな歌声が魅力。メンバー全員が会社員として働きながら活動をしており、バンド名には毎晩を週末のように楽しみたいという気持ちが込められている。結成10周年イヤーとなる2026年も、全国各地のライブハウスにてグッドミュージックと乾杯を繰り広げる。

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