リンダとマーヤが見つめてきた、移りゆく西宮の街と音楽シーン。


熱量を保ちながら変わり続ける、関西の音楽シーンを見つめて。

キュウソネコカミやあいみょんなど、西宮出身のミュージシャンの活動も盛り上がっている印象です。

マーヤ:僕たちより若い世代で、新しくて面白いことをしようとしてる子が出てきて嬉しいです。そういう子らがまだ出始めの頃、地元や県外で計画された自主企画ライブに参加してくれたり、気づいたら僕たちを大いに追い越してくれてたり(笑)。キュウソのセイヤ君は家も近所だったし、少し前まで、電話かけて「暇してんやったらラーメン食べに行こうよ」って気軽に言えてたのに、いつの間にか、そういう電話したらまずいみたいな感じになってたな。

リンダ:早かったな。

マーヤ:KING BROTHERSでは「西宮」って声を大にして、N'夙川BOYSではバンド名に「夙川」を入れて活動してきたけど、僕らが言わなくても面白い奴が出てきたんだなあと。これからもどんどん出てくると思うから、西宮市のえらい人には、そういう西宮のROCKCITY化にいち早く気付いて頂いて、あらゆる世代のあらゆる表現者達がどんどんこの街から育つ土壌を築いていけるような協力をしてもらいたいですね。

お隣、大阪のシーンはいかがですか。

マーヤ:リンダ&マーヤのサポートでドラムを叩いてくれてる和田シンジ君は、今は東京にいるけどもともと大阪でがっつりやってきてて、彼の周りはもうとにかく面白い人ばかりですね。いわゆる“関西ゼロ世代”と呼ばれる、あふりらんぽとかオシリペンペンズとか。当時音楽好きの子がみんな夢中になってた、そういうヤバい人たちを先輩に持った大阪の若い子は、今も先輩たちの精神をしっかり受け継いで、気合を入れてのびのび独自に個性を磨き続けてる気がします。

リンダ:ライブに来るお客さんも、耳が肥えてて厳しい人が多い印象やし。

マーヤ:「お前ら兵庫やろ? まあまたすぐ見れるやろ」って感じで、おもんなかったらすぐ帰る(笑)。もちろん、よかったらぐしゃ〜っとなってくれるけど。

リンダ:会場をあっためるまでのハードルが、大阪は高い気がします。東京でライブする時の方が、ウェルカムな雰囲気を感じますね。

関西の若い世代のミュージシャンたちと交流する機会もありますか?

マーヤ:20そこそこの若い子たちと対バンすることがあって、たまに仲良くなった奴の相談に乗る機会があるんですけど、音楽に対するやる気とか熱量とかって、10年前だろうが今だろうが変わらないはずじゃないですか。だけど、その熱量をどうやって世に広げていくかとなると、選択肢の違いが大いにあるなって。

リンダ:サブスクだね。出身が関西ってこともわからないくらい。

マーヤ:それもそう。例えば僕らは、CD出したい、全国行きたいってなった時、実現するためにはメジャーレーベルやマネージャーという協力者を探すことが重要だったけど、今はそうじゃない。全部自分でできる時代じゃないですか。海外ではもうほとんど無いけど、日本にはまだCDを作る考え方が残ってるから、若い子も自分で録音してCD売ってるんですよ。プレスに出さずに、自分のPCで焼いたCD-Rで、ジャケットも手作り。それをライブとかネットで1000円で売ってるのを見ると、「もっとアホみたいにいろいろ考えて、多少お金がかかったとしてもこだわればいいのに」って思っちゃうんです。簡単に音楽できるようになったからって、そのまま簡単に世に出したってしょうがないでしょって。もちろん配信になってよくなったこともたくさんあるけど、「パッケージにはとことんこだわった方が楽しい」ってことはよく言ってますね。

2人が着ている革ジャンは、時代を超えてロックスターたちから愛され続ける、ロンドンのルイスレザーズでオーダーメイドしたもの。
“公園”で奮闘しながら完成したパルコ50周年テーマソング。
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Profile

リンダ&マーヤ

兵庫県西宮市出身。3ピースバンドN’夙川BOYSの活動休止発表を経て、リンダdadaとマーヤLOVEで2016年に結成したロックンロールユニット。17年、1stミニアルバム『LIFE IS ACTION!』をリリース。DMBQ、 巨人ゆえにでかいで活動している和田シンジをサポートドラマーを迎え、フェスやライブに出演。19年、パルコ50周年ムービーのテーマソング『50’YOUTH』を手がける。カップリングに原曲の『SADISTIC’YOUTH』を加え、自主レーベル『R&M RECORDS』よりCDとアナログ盤をリリース。

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