現代のスマホライフを拡張する。<A SCENE>の古家さんが想い描く、最強の応援団としての役目と、あのガンダムコラボの話。
スマホケースやストラップ、ポーチなど、高い機能性と使う人のライフスタイルに寄り添ったガジェットアクセサリーブランドとして人気を集める<A SCENE>。4月22日(月)には、バンダイとタッグを組んだSTRICT-G『機動戦士ガンダム』とのコラボアイテムが発売され、その注目度はますます高まっています。これまではウィメンズブランドのイメージがあった<A SCENE>ですが、今回のコラボをはじめ、世の中のメンズたちにも愛用者が急増中。その仕掛け人となっているのが、ディレクターを務める古家幸樹さんです。気になるガンダムコラボの話はもちろん、ブランドのあり方や自身の立ち位置、そしてデカイ身長に秘められたバックボーンなどなど、いろんな話……、いただきました!過去の事実は変えられなくても、笑い話に昇華できるのは今があるからだし、夢中になって前進してるから。そんな古家さんの生み出すアイテムは、僕らの感性を刺激するニュータイプなものばかりなので、ぜひCHECKするのをお忘れなく!
オタク要素はパッケージに全振り!コレクト感をそそらせながらもファッションアイテムとして使えるのが、STRICT-G『機動戦士ガンダム』とのマルチポーチです!!
<A SCENE>がバンダイとコラボした、STRICT-G『機動戦士ガンダム』とのマルチポーチが4月22日(月)に発売されます!ビジュアルからワクワクが止まらないんですが、どんな経緯でコラボが始まっていったんですか?
実は、バンダイの担当の中嶋さんとは元々知り合いで、「何か一緒にしましょう!」という話はずっとしてたんです。ガンダムは創通とサンライズが権利の大元ですが、ガンプラ世代でもあるので、ガンダムのおもちゃ=バンダイの印象が強くて。まぁ、あくまでも僕の中でのイメージですけど、アニメの世界をおもちゃ目線で切り取って独自編集しちゃう神様のような存在がバンダイさんです(笑)。なので、バンダイと描くガンダムの世界観にはおもちゃの目線が必須で、いつか表現してみたいと思ってました。
それで、実現にまでこぎつけたと。
熱烈アプローチです(笑)。<A SCENE>の展示会にも来てもらえたのでいろんな想いを伝え、コレクト感やカルチャー寄りのアイテムを打ち出すために、最初はパッケージを作る話から進んでいきました。でも、僕らのアイテムも見てもらう中で、「この部分をザクのモノアイ(目)にして」とか「これをパッケージにセッティングしたらザクの顔が完成する」とか、話しながら提案してるうちに、バンダイの中嶋さんも「めちゃおもしろいですね!」と乗ってくれて(笑)。そのおかげで、プロジェクトとしてスタートすることができたんです。
熱量とアイデアの勝ちですね。機能性も高いアイテムだから使いたいけど、パッケージから開封したくない。そんなもどかしさもあるコラボですよね(笑)
コレクト感をそそらせたかったので、「パッケージから出したくない!」と思ってもらうことが、アイテムとして目指したところです。だから、1つは使用するために、もう1つは飾る用として2個買いしてもらえれば(笑)
ガンダム好きな方は、4個買いもあるんじゃないですかね。
そんな状況になれば、僕らもバンダイさんも本望です!ちなみにですが、このパッケージはちゃんとガンプラのパッケージ工場で作ってます!!
それもトピック!
バンダイさんもおもしろがってくれてるようで、おもちゃ以外のパッケージを工場で作るのは初めてだったみたいです。
めちゃマニアックな話ですけど、そそるポイントですよね。パッケージに掲載されてるアニメのシーンは、バンダイさんセレクトですか?
側面に掲載されてるシーンは、全部僕が選びました。5000枚くらいの中からセレクトしたので大変でしたが、めちゃ楽しかったですね。「え?これも仕事やんな?」って感じで。パッケージとしては、ガンプラやROBOT魂シリーズをオマージュしながらミックスさせたデザインに仕上げているので、自分的にもオタク要素をくすぐる出来栄えかなと思ってます。
グッときますよね。それにやっぱり、ポーチに施されてるザクのモノアイ(目)が、ええなと。光沢感も絶妙ですし!
<A SCENE>の定番アイテムであるDock in pouchをベースに、シャア専用ザクと量産型ザクをモチーフにしたデザインを落とし込みました。コラボロゴが型押しされたモノアイ(目)をPVCポケットのスマホ収納部に装着してますが、見せたい人はそのままでOKですし、隠したい人はスマホなどを収納すると、ファッションアイテムとしてもちゃんと使えるのがポイントです。
なるほど!そこは実用性を重視したと。
そうですね。いかにもコラボしました!的なロゴやデザインにしてないのも、実用性を考えたから。学ランの裏側に刺繍入れたり、裏ボタンにしたりとか、“実は!”というマインド的なアプローチでデザインしてます。オタク要素は完全にパッケージに全振りしてるので、開封したらガンガン普段使いできますね。
オタク要素とファッション性のいいとこ取りですね!あと、プロモーション映像もおもしろい!出演者も呂布さんや<THEモンゴリアンチョップス>の2人、梅田サイファーのKOPERUさんとか、幅広いなと。
映像は超信頼してるHYPER TAMADEのISSEI君にお願いしたんですが、彼の知り合いの呂布さんがガンダムマニアで、「男はやっぱりジオン軍だよね!」ってことで出演を快諾してもらえました。<THEモンゴリアンチョップス>の安藤さんと山本さんにはドム役になってもらったり、KOPERUさんにはアムロ役をしてもらったりと、出演していただいた皆さんそれぞれにキャラクターをつけてるので、ぜひ映像を見てイメージしてもらえればと!
この映像、ほんとに何回も見てしまいます。古家さんの言う通り、あの人はどのキャラかなとか想像しちゃうし、呂布さんはパッケージから開封したんだ!とか思ったり(笑)
テンポよくシーンが切り替わるので、見所はいっぱいあると思います。それに、クリス・ブラウンやテイラー・スウィフトのバックダンサーも務め、LAで活躍するダンサーの有働真帆さんにも出演してもらってますし、なかなか豪華なメンツです。
このコラボだから実現できたメンツですね、すごいなぁ。2024年4月22日(月)からの販売ですが、どこで購入できるんですか?
プレミアムバンダイ、STRICT-G公式通販サイト、<A SCENE>公式通販サイトで4月22日(月)から先行販売され、4月27日(土)から全国のSTRICT-Gの店舗(お台場店/東京ソラマチ店/NEOPASA静岡(下り)店/EXPASA多賀SA(下り)店)で一般販売されます。今後はガンダムのポップアップで世界各地を巡回する予定もあるので、今回の発売を機に国内、世界でもヒットすれば、また別のモビルスーツも作ってどんどん増やしていきたいなと目論んでます(笑)
ドムとかズゴックとかゲルググとか…、ワクワクしますよね。今後の展開も楽しみにしてます!<A SCENE>としては今回のコラボも含めて、これまでの軸だったウィメンズから徐々にユニセックス化してる印象があるんですが、そこを狙ってブランド展開してる感じでしょうか?
そうですね。僕らの会社には<ajew>というアイコン的なブランドがあり、そこで表現できないものをカタチにするために生まれたのが<A SCENE>でした。両方ともウィメンズがメインターゲットのブランドでしたが、より差別化を図るために<A SCENE>はユニセックス化にシフトしてる最中なんです。
古家さんが入社されたのは昨年でしたよね?そこからユニセックス化に舵を切り出したと。
2023年の頭に入社し、準備を経て8月から<A SCENE>のディレクターに就任しました。ユニセックス化に向けたリブランディングが僕の役目でもあるので、人気アイテムのスマホケースは大切にしながらも、もっとスマホを使う人に焦点を当ててリブランディングしていこうと思ったんです。ブランドとしてはスマホに特化してますが、どこにもカテゴライズされてない存在だから、おもしろい表現ができる場所だなと。スマホケースだけではなく、バッグやストラップといった派生アイテムを増やしてるのも、今までブランドの世界観はベースにしつつ、表現の幅を広げているからなんです。
<A SCENE>のブランドのベースにあるものとは?
機能性ですね。使いやすいさ、持ちやすさ、便利さといった機能性は間違いないと思ってます。例えばiPhoneが男性女性に関係なく使われているのは、やっぱり機能として成立してるから。ガジェットアクセサリーブランドとして選ばれるには、その機能性は絶対に担保しないといけない部分なんです。そこに男性らしさ、女性らしさのエッセンスを加えていくことで、ユニセックスと機能性を両立できるブランドになると思ってます。
人気のあるブランドを再構築していくのは、決して簡単ではないなと思うんですが。しかも、途中からブランドに加わったわけですし。
もちろん簡単ではないですけど、僕は前職がバッグブランドの<master-piece>なんです。その時に20年以上続いてきたブランドのリブランディングを担当したり、自分で<nunc>というブランドを立ち上げたりもしてたので、その両方の経験が生きてます。続いてきたブランドにリスペクトを持ち、これまでの考えをベースに紡いでいく。バチッと切って完全に違うものを作るんじゃなくて、過去を紐解きながら味付けしていくというか、グラデーションのように進化させていくのが、リブランディングには大切なことかなと。そんな感覚だから、めちゃくちゃ楽しめてるんですよね。
なるほど。僕も<A SCENE>のDock in pouchやストラップを使ってますが、機能性への信頼があった上でメンズライクなアイテムが出てきたから、一気にブランドとの距離感が縮まった気がしてます。そうそう、こんなのが欲しかった的な。
ありがとうございます!Dock in pouchも原型になったアイテムはあるんですが、サイズ感やディテールをアップデートして、女性はもちろん男性も使えるようにしたんです。ストラップも元々ありましたが、より太巻きにしたり、色味を増やしたりして。ちなみに今年の1月末に新たに発売したショートストラップは、凄まじく売れてます(笑)
ってことは、これまでの女性に加えて男性も増えてきたと。
取引先にはメンズのセレクトショップも増えてきましたし、当初はインスタのフォロワーも98〜99%が女性でしたが、男性も20%ほどになってきましたね。
着実にユニセックス化が進んでるってことですね。
今後はユニセックスなアイテムだけじゃなく、アイテムごとにメンズ、ウィメンズの対比もつけたりしながら、客観的に見てユニセックスなブランドとして認知してもらえるようにしていきたいと思ってます。大手メゾン系のブランドがそうですし、ターゲティングしながらちゃんと刺さるアイテムを作り、バランスを整えていけば、さらに進化した<A SCENE>になれるかなと。あと、今回のガンダムのようにコラボも仕掛けていくので、楽しみにしてもらえればと思いますね。
古家 幸樹
1987年生まれ、奈良県大和郡山市出身。アスリート家系のサラブレッドとして期待されるも、プロ野球選手になる夢を断念し、レゲエと映像制作に没頭。大学卒後は東京の大手映画会社を経て、<master-piece>を展開するMSPCに入社。2017年にバッグブランド<nunc>を立ち上げた後、2020年からは<master-piece>のディレクターに就任。同社を退職後、2023年8月に<A SCENE>のディレクターに就任し、リブランディングを図りながら様々なコラボを手がける。身長193cm、足のサイズは30cm。趣味は奥さんとの美術館巡りと、脳内リセットのために行うPlayStation4。
Instagram: @ascene_official
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