関西ストリートボールシーンのパイオニア・大阪籠球会。立ち上げから20年間、ISEさんが体現してきた、夢中で動き続けることの大切さ。


何も決めてないけど全員で休みをとってシアトルへ。やっぱり自分から動かないと、おもろい話ってそう簡単に舞い込んでこないんですよね。

アングラな場所で活動していた大阪籠球会が、現在はいろんなイベントで活動するようになりましたが、そこにはどんなきっかけがあったんでしょうか。

ひとつひとつのイベントの積み重ねもあるけど、バスケシーン以外の人に名前を知ってもらえるようになったのは、京都大作戦に呼ばれて出るようになったのが大きいかな。

京都大作戦の出演のきっかけは?

僕は10代の時からライブが好きで、今でもずっとライブハウスに通ってるんですが、籠球会メンバーのひとりが誘ってくれたライブで、昔っから大好きなバンドの10-FEETのTAKUMAさんと会う機会があったんです。その時に、僕らの活動のことをめっちゃ面白がってくれて、連絡先を交換しました。それからしばらくして、名村造船所でやったイベントに10-FEETも出演していて、その時に初めて僕らのパフォーマンスを観てもらう機会があったんです。その後日に「俺らがやってる京都大作戦の敷地に体育館があるから、そこで何かできひん?」って声をかけていただけて…。

それはめっちゃ嬉しいですね! 大好きなバンドの憧れの人からのお誘いって。

ほんまやばかったですよ! もうメンバーに何も確認しないで、「絶対なんとかします!」って即返事しました。

京都大作戦ではコラボのバスパンも発売してますよね。

初年度は自分らと10-FEETの分だけ作ったんですが、それがすごい反応良くて。2年目から販売するようにしたら毎年即完。現場でしか売ってなかったんで、前日の夜から並ぶ人もいました。それから毎年新しいデザインでバスパンを作ってます。ライブ好きならわかると思うんですが、ライブ会場に行ったらだいたい誰かはバスパンを穿いてるんです。あれは僕らが作ったカルチャーやと思ってます。

今年開催された京都大作戦でのコラボバスパンがこちら。

 

京都大作戦2023では、10FEETが作った「THE FIRST SLAM DUNK」のエンディング主題歌『第ゼロ感』のパフォーマンスも披露。使用された音源は、劇中歌もリミックスされたオリジナルバージョンです!!

それから大阪籠球会と言えばもうひとつ大きなトピックが、NBAでのパフォーマンスだと思いますが、その時のお話についてお聞きしたいです。

2018年にポートランドでNBAのパフォーマンスをさせてもらったんですが、事の始まりはその2年前。メンバーのKANが、毎年自分のスクールの生徒をアメリカに連れて行ってて、僕らもそれに付いて行きました。NBAには毎年夏のオフシーズンに、サマーリーグっていう地元のローカルの大会が開かれるんですが、そこにはNBA選手も出るので、「もしかしたら繋がりが生まれるかも」っていうだけで、全員で休みをとってシアトルに行ったんですよ。

何も決まってないけど、とりあえず全員でアメリカへ。かなり大胆な行動ですね。

メンバーのひとりの実家がうどん屋で、休みのシフトは俺らの友達にお願いして全員で埋めました。そんなことをしながら、なんとか全員が休みがとれるように調整したんです。現地に行ってもシアトルの繋がりなんて全くないから、あとは日本と同じ「オーガナイザー探し!」。

とにかく声をかけるアレですね。

そしたら、NBAのスター選手ジャマール・クロフォードのお母さんがたまたま会場にいて、しかも日本のことが大好きってことで、サマーリーグでパフォーマンスできるように支配人のところに連れて行って交渉してくれたんです。それがきっかけでNBA関係者と繋がりができて、NBAでのパフォーマンスの話がチームに送られて来たんです。ジャマクロのお母さんには本当に感謝してます。

 

NBAでのパフォーマンス映像がこちら!!

実際のNBAはどうでしたか?

バスケを始めたころからの憧れの場所やったし、ずっとヤバかったですよ。チームを組んだ時にはまさか自分たちが立てるとは思ってなかった場所やし。

バスケをする人にとっては夢の舞台ですもんね。

その時も日本から、今までの仲間とか地元の伊勢の同級生が新婚旅行で観に来てくれて。もちろんショーをする時の高揚感もあるけど、最初にコートに入った時、知ってる顔が見えた時、これまでの人生で味わったことのない嬉しさでした。あれは忘れられへんなぁ。

それでも大阪籠球会で起こった出来事は奇跡じゃなくて、全部自分たちで引き寄せたものだなって思います。

チームとしても個人としても、とにかく動き続けることが一番大切なことだと思ってます。もしかしたらあの時シアトルに行っても、何も繋がらなかったかもしれない。それでも大阪籠球会っていうチームで動き続けたことで、いろんなことが決まったし。やっぱり自分から動かないと、おもろい話ってそう簡単に舞い込んでこないんですよね。

もう限界かってくらい、チームが解散しそうになったことは今までに何度もあった。
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Profile

ISE/田辺正峰

三重県度合町出身。学生時代を隣町の伊勢で過ごす。地元愛が強く、ISEというニックネームに。大阪籠球会の立ち上げメンバーのひとり。高校卒業後、就職のため来阪。6年間会社員として勤めたのち、専門学校へ行き柔道整復師の道へ。現在は整骨院で勤務しながら、「ISE STANDARD」の屋号で全国各地に赴きマッサージのPOPUPを行っている。

Instagram: @masahotanabe
Instagram: @osaka69kai
Instagram: @ise_standard

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