あの日から、好きなことにずっと夢中。エクストリームスポーツの世界で戦い続ける渡辺元樹さんと豊間裕介さんが放つ、芸を極めるGEISHAとしてのアイデンティティ。


静かに興奮する。僕らのアイデンティティをカタチにした<GEISHA>では、それぞれのシーンで個性を楽しむことを伝えていきたい。そして、2人にしかできないイベントができたらなって、思ってます。

2人の活動についてダイジェスト的に伺いましたが、昨年10月にドロップしたブランド<GEISHA>についても聞かせてください!それぞれが好きなことに夢中になっていた中で、どんな経緯でスタートすることになったんですか?

元樹:2024年の1〜2月頃に裕介と何か一緒にやろうやって話をしてたんです。多分、日本に帰って来て何かに没頭したかったんでしょうね。環境的にもバイクに乗れてなかったし、スケボー行ってもおもろくなくて、何がええかなーって。

裕介:俺も何かしたいと思ってたタイミングでした。大阪にいても楽しくなくて、日常がマンネリ化してたんです。それで何するか話してる時に元樹が「手ぬぐいが気になってるから、作ろうやー!」って言い出して。俺も、「あ!ええかも」って思ったんですよ。

元樹:ファッション的にもおもろいし、普段も使える。タオルの代わりにもなるからバイクの時も使えるし、裕介もスノボでつけれるんちゃうかなと。考えるうちに僕らのテンションも上がってきて、デザインをどうするかなど、どんどん話が進んでいったんです。

お互いがフリースタイルモトクロスとスノボ以外の時間も何かに夢中になるために始めたブランドだったんですね。デザインも日本を感じつつも、ザ・和柄ではないのもかっこいい。これも2人がデザインしたんですか?

元樹:2人のアイデンティティをカタチにしようとした時に、お互いが入れてるタトゥーのデザインを使うのがいいなと思ったんです。縄は僕の首に入ってて、牡丹は裕介の腕に入ってるものがベースになってます。

裕介:俺は<elephant tatoo>のぎんさんに彫ってもらってて、元樹も「シブいやん」と言ってくれてたので、デザインはぎんさんにお願いしたんですよ。元樹のタトゥーのデータも送って、自分のもミックスして仕上げてもらいました。

元樹:そうすることで、2人だけのデザインになるなと。

確かに。漢字も記されてますが、これはどういう意味なんですか?

元樹:これは2人で話し合って導いた言葉なんですよ。僕らって人に会っても最初から「おー!!」って感じじゃなくて、どちらかと言えば冷静さを常に保ってる。でも、自分の心はいつも興奮して燃えてる感じで。

裕介:常に興奮してる人もいるけど、そうじゃないよねって。

元樹:好きなことに対しては自分でもわからんくらい興奮するけど、普段は静かやなと。裕介もシーズンが来たら一気に爆発するし、僕もバイクに乗る時は一気に爆発する。それで選んだのが、静と奮という漢字なんです。

裕介:俺らは常に静かに興奮してる。そんな2人らしい漢字を、ぎんさんがうまくミックスして作ってくれたんです。

静かに興奮する。めちゃクールでかっこいい!内に秘めたエネルギーを漢字で表現しつつ、タトゥーのデザインを融合させてるから、2人のアイデンティティが見事にカタチになってますね。

元樹:実際に僕らのプレイを見てもらったら、その意味もわかると思います。2人とも服が好きだし、普段も身につけられるものとして作ったのが、この手ぬぐいなんです。スポンサーの関係もあるから、いきなりアパレルをするのもまずいので。

裕介:1〜2月くらいから話を始めて、2人であーだこーだ煮詰めてぎんさんにデザインをお願いしたのが8月頃。それでようやく10月にドロップできたんです。

<GEISHA>というブランド名は、あの芸者からですか?

裕介:そうですね。芸をする者で、僕らは芸を持ってる。そして、何かを極めてる者として<GEISHA>と名付けました。

それも2人らしいですね。10月にドロップしてからは、どんな感じで広めていってるんですか?

元樹:僕は海外の人にプロモするから、裕介はスノボシーンでやってねって感じで。ガチで売るというよりかは、まずは自分の周囲の人たちに伝えていくようにしてました。ドロップしたタイミングでサウスアフリカのイベントに出演してて、めちゃくちゃ暑かったから手ぬぐいを頭につけてバケットハットを被ってたんですよ。じゃぁ、みんなが「何それ?」「欲しい!」と言ってくれて。友だちや気になるライダーにはギフティングしましたね。まだオンラインサイトが適当な感じだから、もっとこだわって作り、海外の人がわかるように英語でも伝えていきたいなと思ってるところです。前もDMがあって、「サウスアフリカまでの送料を書いてないけど、どうなん?」って(笑)

裕介:そこは当面の課題ですね。元樹は海外、俺は国内という感じで、それぞれのシーンで広めていくことはできますから。

そこでも2人の強みを活かせるわけですね。ちなみに、海外では日本の手ぬぐいって認知されてるんですか?やっぱりタオルを使う人の方が多いですよね?

元樹:みんな適当だしワイルドだから、そもそもタオルを持って来てることが少ないんですよ。逆にタオルを使ってたら「キモい」って言われるくらい(笑)。この前のサウスアフリカも37度くらいあったので、手ぬぐいを氷水に漬けてから頭に巻いてたら、「何してんの?」ってみんなが興味津々で。それで教えてあげたら、めちゃくちゃ喜んでましたね。

そんな感じなんですね。ブランドとしてはまだ走り始めたばかりですが、それぞれのシーンでは着実に広まってる中で、これからの<GEISHA>としてのビジョンを聞かせてもらえれば。

元樹:手ぬぐいを世界に発信しながら、<GEISHA>としてお互いのシーンを生かしたイベントをしたいと思ってます。それぞれフィールドは違うけど、自分たちらしい表現をカタチにできたらなと。商品としては引き続き海外に向けて発信しつつ、アパレルとはまた違うものを作って展開していきたい。今、手ぬぐいを額装してアート作品的に販売してるのも、自分なりのこだわりがあってやってるものなんです。次にドロップするものも決まってるから、楽しみにしておいてもらえれば!

裕介:2人のアイデンティティを取り入れて、これからも想いを込めたものを発信していきたい。<GEISHA>として発信したいメッセージは、個性を大切にしてほしいってこと。今の世の中は、個性がなければ何もないじゃないですか。もちろん俺ら自身もそうだし。やっぱり個性が問われてる時代だからこそ、自分のスタイルも含めて突き詰めてほしい。そこで<GEISHA>を気に入って身に付けてもらえれば、俺らもほんまに嬉しいですね。

これからの<GEISHA>の展開も楽しみにしてます!でも、改めて思うんですが、小学校からお互いが好きなことに突き進み、今こうやって一緒にブランドも作って活動してるのって、ほんま素敵なことですよね。それぞれシーンは違うけど、やっぱり刺激し合える存在ですか?

元樹:1つでも自分がやってることに突き進んでる人は、先輩後輩に関係なくすごいと思う。多くは語らなくても、この歳になっても諦めずにがむしゃらになって追い続けてる裕介は、やっぱりシブいし、かっこいいんですよ。

裕介:元樹は世界にも出てるし、みんなの中では“世界の渡辺”となってるけど、俺の中ではやっぱり元樹なんですよ。そこがかっこいい。帰って来て話をしてると自分を上げられるし、「俺も今度はこんなことをやってみよう」って思える。新しい目標や刺激をもらえる存在ですね。

お互いに、大きなリスペクトを持ってる。しかも、大好きで夢中になれるものを見つけてるのって、幸せなことでもあるのかなと。

元樹:やってる人にしかわからない部分もあるけど、いろんな人が応援してくれて今がある。人生なので、結婚したり子どもができたり色々あるけど、僕らはそれありきでやってるし、これしかないっていう気持ちでやってるんです。裕介もそうだろうし、これがなくなったらもうあかんというのもわかってる。だから、夢中になって没頭しながら周りの人に感謝しつつ、頑張り続けることをずっとやっていきたいなと。

環境や状況が変わることで、大好きなことでもやめざるを得ない人もいますしね。

裕介:そうなんですよ。俺らの周りにもたくさんいましたからね。

元樹:すごい決断をしたんやなと。ほんまに好きやからこそ、わざと離れてるんちゃうかなと思う人もいるし。でもね、そんな人はどんなカタチであれ、また戻ってくるんですよ。例えば10年後とかに落ち着いて、自分でまた機材を揃えて始めて「やっぱ、ええわー」ってね。それもシブいと思う。10年、15年以上1つのことをやり続けてたら、体が覚えてるし、なかなかやめられないんですよ。僕も体が不自由でなければ、一生やってるはず。

裕介:それでいいと思うんですよ。一回やめたけど、やっぱりやめられへん。それくらい好きなことやからね。

元樹:引退宣言したとしても、絶対にやめられへんでって。大会とかコンテストからの引退は仕方ないかもしれないけど、遊びでも続けた方がいいなって思うから。

裕介:自分で区切りをつけるための引退宣言かもしれないけど、多分そうやって言い聞かせてるんかなと。俺らだからわかる本心もあるんですよ。その引退は、建前でしょって。

元樹:まぁ、色々問題もあるんやろうけど、全く違うことをするのは考えれらない。そのうちもっと歳を重ねたら、違うことをしないといけない時期が来るかもしれないけど、今は考えられないんですよ。それだけフリースタイルモトクロスが好き。絶対にやめれないなぁ。

裕介:そうよなぁ。ずっと続けてきたからやめれないんじゃなくて、好き過ぎるからやめれない。俺もどんなカタチであれ、スノーボードには乗り続けてると思いますね。


<元樹さんと裕介さんのお気に入りのお店>

肉の森田屋(東大阪市昭和町)
地元の先輩であり、お世話になってる勝也くんが営むお店。地元で新鮮な肉を食べるなら絶対に森田屋で、みんなで集まる時もココ!コロッケも美味しくて、僕らのソウルフードです。東大阪市に3店舗と、大東市と難波にもお店があります!

1234
Profile

渡辺 元樹

1989年生まれ、東大阪市出身。ニックネームはWANKY(ウェンキー)。小学生からモトクロスを始め、レーサーを経て2010年にフリースタイルモトクロスに転向。2015年にはX Gamesにも出場を果たし、これまでにシルバーメダルを3つ獲得。2019年にラスベガスで行われたモンスターエナジーカップ「ビゲスト ウィップ コンテスト」では優勝。日本を代表するトップライダーとして世界を舞台に戦い続けている。

Profile

豊間 裕介

1990年生まれ、東大阪市出身。父の影響で3歳からスノボを始め、幼少期は雪山を求めて家族で車中泊をしながら各地を旅する。高校中退後に自分の人間性を高めるために渡米し、色んなカルチャーを吸収して2年後に帰国。拠点を北海道・ニセコに移して活動する中で、自身のスタイルを追求するためにバックカントリーでのフリーランにシフトする。現在は<Deus Ex Machina>のオフィシャルライダーとして作品制作からスノーボードギアの開発にも携わり、2024年秋には自身初となるシグネチャーモデルを発表。

Data

GEISHA

エクストリームスポーツの世界で戦い続けるフリースタイルモトクロスライダーの渡辺元樹とプロスノーボーダーの豊間裕介によるブランド。ファーストリリースの手ぬぐいは、2人のアイデンティティをカタチにしたもの。セカンドリリースのアイテムにも乞うご期待を。

https://geisha.theshop.jp/

CATEGORY
MONTHLY
RANKING
MONTHLY RANKING

MARZELでは関西の様々な情報や
プレスリリースを受け付けています。
情報のご提供はこちら

TWITTER
FACEBOOK
LINE