好きが高じて、北海道の旭川で銭湯を再建。<FRO CLUB>のMICHIさんに宿る風呂愛と、衣食住湯の先にある夢について。


僕らのホーム銭湯は『白山湯 高辻店』。湯も水もサウナも最高なんですが、横山社長がほんまに最高な方なんです。

MICHIさんが銭湯にハマったのはいつ頃だったんですか?

大学生の頃ですね。先ほど話したみたいに、夜遊びして疲れた時や二日酔いの時に銭湯で風呂に入ったら、ほんまに気持ち良くて。そこからハマり始めて、当時は週2回くらいのペースで通ってました。

疲れとか二日酔いがスーッと抜けていきますもんね、銭湯で風呂に入ると。ちなみに今はどれくらいのペースで?

週5〜6回のペースです。そのペースじゃないと、なんかストレスが溜まってるように感じちゃって(笑)。カラダの疲れが取れていく気持ち良さは、家の風呂とは全然違いますからね。銭湯で風呂に入ってると、不思議とイライラすることがなくなるんですよ。それはカラダだけじゃなくて、メンタル的にもすごくいいなと。大人になるにつれて、その効果をさらに感じるようにもなってます。

温冷浴をすると自律神経のバランスが整うとも言われてますし、銭湯で風呂に入ることがカラダとメンタルをリセットさせる分岐点になってるんですね!MICHIさんの入浴スタイルはどんな感じなんですか?

まずはシャワーで頭とカラダを軽く洗い、そこからサウナを2セット。昔は4〜5セットしてたんですが、今は2セットがちょうどいいかなと。その後、頭とカラダをきちんと洗い、湯船に入ります。最近は特に湯船に入る時間を大切にしてるので、ゆっくりと浸かりながら温冷浴をして、最後は水風呂で締めて上がるのがルーティーンです。

完全に仕上がる系ですね!サウナは1セットどれくらいですか?

1セット目は7〜8分、2セット目は10分くらいが目安です。トータルの入浴時間は1時間ほどで、誰か知り合いと会ったら1時間30分くらいかなと。

ちょうどいい塩梅ですね。聞いてると風呂に入りたくなってきます(笑)。MICHIさんのホーム銭湯は、今回取材でお邪魔させていただいてる『白山湯 高辻店』ですが、通い始めたきっかけは何かあったんですか?

何も調べずにたまたま入ったんですが、めちゃくちゃいい銭湯だと思って。

例えば、好きなところを挙げるとすると?

もう全部なんですが、まずダントツに清潔なんです。それに水風呂は地下水を汲み上げてるんですが、水量がハンパない!ポンプの能力をギリギリまで使ってるので、あの水風呂は最高だと思います。それに浴場内の内側扉の下にはフットシャワーも設置されてて、お客さんが風呂に入って快適に上がれるように計算されてる。もちろん湯の温度やサウナも気持ち良いですし、ほんまに抜かりがないんです!

ライオンの口からドバドバと水が流れ込む、壁泉が付いた水風呂。「他の銭湯を参考にして取り入れたけど、ただの真似で終わらせたくなかったから2つ設置して、ポンプも変えて水量がたっぷり出るようにしたんですわ」と白山湯の横山社長。

お客さんに気持ち良くなってもらうためのいろんな要素が凝縮してますね!僕も『白山湯 高辻店』は行ったことありますが、水量もすごいし、地下水ならではの肌馴染みの良さを存分に体感できる水風呂は最高だと思いました!

ですよね!風呂も最高なんですが、白山湯の横山社長も最高な方なんです。<FRO CLUB>のメンバーはみんなお世話になってて、人生のこととか、いろんなことを教えてもらってきました。横山社長とは世代も感覚も違いますが、それも含めて教えてもらってきたので、僕らも下の代の子たちに伝えていきたいなと。

入浴以外にも楽しみがあって、世代を超えてコミュニケーションできる場所なのがいいですね。

毎月、横山会という名の食事会があるんですよ。白山湯の常連が集まって横山社長と飲んだりしてるんですが、銭湯から離れてもコミュニケーションが育めて、毎回ほんまに楽しませてもらってます。

写真右が白山湯の横山社長。「彼らが銭湯の魅力を発信してくれたおかげで、若い人も来てくれるようになったんですよ。昔はおっさんや爺さんばっかりやったからね。MICHIが話してたみたいに、白山湯はいつも隅々までキレイですねと言われるけど、それだけお客さんも隅々まで見てるってこと。やるからには徹底的にやらないとあかんのよ。まぁ機械には限界があるけど、若いヤツには“これが限界”と思うなと言うてます。自分が限界を迎えてから、そこからもう一歩進んでこそやし、人間の能力は磨けば磨くほど光ってくるからね」と、話していただきました。白山湯の二代目として手腕を発揮し、様々な銭湯のええところを取り入れ、勉強と改善を繰り返してきた現在が集大成だと語る横山社長。豪快だけど愛嬌があり、風呂愛に満ちまくった方でした!

銭湯で繋がり、人として繋がっていくのって、めちゃ素敵!

豪快で面倒見が良くて、ほんまにお世話になってるんですよ。これは又聞きの話なんですが、社長らしいなって思うエピソードを少し話しますね。白山湯の常連はサウナハットを被らないんですが、ある日、被ってる人に対して常連の方が「サウナハットは禁止やで」と勝手に言うたんです。それを社長が聞きつけてブチギレて…、「誰がサウナハットを禁止にしたんやー!勝手にすんなー!」って。その常連の方を出禁にしたんですよ(笑)

お客さんと銭湯への想いが強いからこそですよね。その後、常連の方は?

反省されて、今は出禁も解けて笑い話になってますね。みんな銭湯が好きな方ばかりやし、白山湯がほんまに好きなんですよ。入浴にはマナーとルールも必要だから、掛水してなかったら注意もするし、それは大切なことかなと。無茶苦茶な入り方をしてると他の人にも迷惑がかかるので、誰かが注意しないとね。それは常連の役目でもあるのかなと思ってます。

自分だけが気持ち良くなるんじゃなくて、銭湯は公衆浴場だからこそ、マナーとルール、気遣いは必要ですよね!先ほどMICHIさんの入浴スタイルは聞きましたが、入浴中の頭の中はどうなってます?考え事をするのか、何も考えずに頭を空っぽにするのかとか、人それぞれあると思うんですが。

僕はけっこう考え事をする方ですね。<FRO CLUB>のことや、今は旭川で取り組んでる『菊の湯』のこととか。

北海道旭川市での銭湯再生プロジェクトですね!白山湯の風呂に入りながら『菊の湯』のことを考えるって、MICHIさんだけのもの。めっちゃロマンあります。『菊の湯』の話は後ほどしっかり伺うとして、『白山湯 高辻店』以外にもよく行く銭湯があれば聞きたいなと。

基本は、やっぱり『白山湯 高辻店』ですね。好き過ぎて8年前に徒歩2分圏内に引っ越してきたので(笑)。それ以外で言うと、白山湯が24時までなので間に合わない時は、五条にある『大黒湯』に行きますね。熱い湯が有名な銭湯で、25時までやってます。で、土曜日は白山湯が休みだから、徒歩圏内の『五香湯』にも行ったり、西院の『金山湯』も穴場でおすすめですね。

でも、『白山湯 高辻店』ありきの動きですね(笑)

まぁ、ホーム銭湯なので!もちろん、支店の『白山湯 六条店』にもちょくちょく行ってます。

勢いと夢を持って、旭川の銭湯『菊の湯』を再建中!自分がオーナーになって考えを尽くし、お客さんに気持ち良くなってもらう…。想像しただけで、ヤバいです。
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Profile

MICHI

大阪府高槻市出身、京都在住。本名は塩路道徳、通称はMICHI。「銭湯を日常へ」をコンセプトに、銭湯カルチャーを発信する<FRO CLUB>の中心メンバー。様々なブランドやアーティストとのコラボを手がけ、週5〜6回ペースで銭湯に通う生粋の風呂愛の持ち主。北海道旭川市にある銭湯『菊の湯』の経営を承継し、ただ今リニューアルオープンに向けて京都と旭川を行き来する日々を送る。ホーム銭湯は、『白山湯 高辻店』。

Instagram:@fro_spadupa_club26
Instagram:@kikunoyu_asahikawa
https://froclub.shop/

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