ダンス演劇舞台、アパレルブランド、間借りカレー屋…。クセになる世界観で多くの人を魅了する謎の集団、<四畳半帝国>とは!?主宰の松田拳翔さんに、その全貌を聞いてきました!


10年後も、20年後も、今みたいなことがずっとできてたらいいな(笑)

今感じる面白さを大切にしたいんですね。確かに拳翔さんから「今後どうなりたいの?」って言葉は出なさそう。

僕自身、先を見れないというか。見ているように見えても、「今」やりたいって思うことが、カレーだったら3日かけて作って、Tシャツだったら2、3ヶ月かけて作って、ダンスの舞台だったら1年かけて作っている。そんな感じなんです。

もしあれば、今後の目標は?

来年1月に公演予定の舞台ですかね。去年は、共感に重きを置いた内容にしたのですが、今年は「これやってみたらどう感じるんだろう?」って気になることも投げかけていきたいです。

去年の舞台ってどんな内容だったんですか?

“日常を見つめ直す”をテーマに描いた『そこにある公園』という作品です。観客席を公園のベンチに置き換えながら、この場所で1日をボーッと過ごしたら、目の前で色んなドラマが繰り広げられていくみたいな。ランチを食べるOL、美しい女性に一目惚れするヤンキー、仕事終わりに恋で悩む女性、シンプルに騒がしい酔っ払いとか。アイデアも日常から引っ張っていて、自分の記憶がおぼろげになるくらい飲んだ時って、ふらふらでほとんど踊っているのと変わらない。そこにRHYMESTERの『梯子酒』を合わせて、ダンスに仕上げてみました。他のシーンも、メッセージ性のある描写や心情をダンスに置き換えて表現しましたね。

今年はそのメッセージ性をあえて取り除く、という実験なんですか?

取り除くっていうわけではないですが、何かを伝えるために作るというよりは、作ったものから何かが伝わるということを目指したいです。最近ラジオで、「言語化できるものは言語で伝えたらいい」ってある作家さんが言ってるのを聞いて、ハッとさせられたのもあって。もちろん極端な話ではあるんですが、文章以外のデザイン、写真、映像、音楽、ダンスから言語化できない何かが伝わるっていうのは面白いなと。作ってみて、投げかけてみて、感じる気づきがあると良いなって思っています。受け手としてもそういう体験をたくさんしたいです。

ちなみに、今年の舞台の内容は…?

ルームシェアを設定にしたヒューマンドラマ?ヒューマンコメディ?ですかね。まだ構想を描いている段階なので、変わるかもしれません。今後は、舞台を通じてお客さんの反応を見ながら、ネタをブラッシュアップしていきたいですね。

コント師みたいな発言になってますよ。

実際に「四畳半帝国?」っていう実験的なコントとかにも挑戦するライブをスタートさせる予定で。まだ完成していない荒削りな作品を通じて、観に来てくれた人と一緒に可能性を模索しながら、感覚的に「これが四畳半帝国か」みたいな世界観が伝わるライブを創り上げたいですね。もはや、<四畳半帝国>の変化も含めて楽しんでもらえたら嬉しいです。

面白そう!<四畳半帝国>のファンが増えそうな予感。

でも実は、ファンと<四畳半帝国>を分けるのも違和感があって。ダンスの舞台であれアパレルであれ、「観る」「買う」をした人はもはや共犯者で(笑)。世界観に共感して、アクションしてくれた時点で、ある意味では『四畳半帝国』の一員というか。中心となって<四畳半帝国>を動かしている人も居れば、ただ楽しんでくれてる人もいる。人が流動的に集まり続けることで、「なんか四畳半帝国っぽいよね」みたいな感覚が生まれたら最高ですね。長い目で(笑)

色んなアイデアが出てくる印象ですが、着想の根本にはどんな考えが隠れているんですか?

もともとは“共感”に頼ってた部分が大きくて。自分の中にある、みんながどこかしら抱いている感情を汲み上げてきたり、解像度上げていったり。<四畳半帝国>を再び立ち上げた3年前くらいは、自分の想いやスタンスに共感してくれる人が集まってくれていました。でも、最近は“共感”以外の部分にも興味があって。僕がその場で言語化できて面白さが伝わって、“共感”が生まれるということは、想像を超えられない。その向こう側へ行くためには、 “信頼”が大切な段階になっている気がします。有難いことに、ゴールが見えていなくても「拳翔が言うなら、まあやってみるか」みたいな仲間がいてくれるので。まだ“何かわからないもの”を一緒に作れたらいいなと思ってます。

拳翔さんが幸せと感じる今後の生き方を聞かせてください。

10年後も、20年後も、今みたいなことがずっとできてたらいいな(笑)。食うに困るほどには貧乏じゃなく、みんなとふざけたことを考えられる余裕がある。それでいて、周りの目よりも、自分のやりたいことを優先できている状態ですね。「最終的にどうなりたいの?」って良く聞かれるので、未来を想像してみたんですけど、かっこいいビジョンがなくて…。よくよく考えて辿り着いた答えが「今を続けたい」です。簡単にも見えるんですけど、実は生半可な気持ちで続けられることではないはず。でも、仲間たちと面白いモノやコトを考えて遊び続けるためなら、僕も必死に頑張れそうです。


<松田拳翔さんのお気に入りのお店>

rroomm(大阪市北区鶴野町)
多分大阪に来て初めて行ったセレクトショップで、スタッフの安田さんに昔からお世話になってます。シンプルにアイテムがかっこいいのと、ブランドやデザイナーの背景も教えてくれるのが毎回楽しいです。

寅屋(大阪市北区錦町)
天満にあるもつ焼き屋さんです。おすすめポイントは、とにかく旨くて安いのと、お店のおばちゃんが普通に怒ってきたりするところです(笑)

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Profile

松田 拳翔

1991年生まれ。三重県出身。アパレルブランドの立ち上げ、ダンスを起点とした舞台や映像作品など、マルチに活動する謎の集団<四畳半帝国>の主宰。「座して半畳、寝て一畳、天下取っても四畳半」のスタンスに込められた想いや、クセになる世界観で多くの人を魅了し、共犯者を拡大中。しかし、未だ謎は多く、メンバーの人数も不明。獣医師免許や元カレー屋など意外な一面も隠し持つ。

https://www.45tatamiempire.net

ダンス映像作品:Youtube

活動全般:Instagram@4.5tatami_empire

アパレルブランド:Instagram@4.5tatami_empire_store/

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