どこに飾る、どう使う?ポップでキャッチー、不思議な存在感を放つ<ATELIER KOHNO>の紙を使ったオブジェの魅力。


手元に渡った後は、色を塗り替えても、どんな風に使ってもらっても構いません。ただ、どうやって使っているか見てみたいなと思います。

アトリエコウノさんの作品はどういった場所で買えるんですか?

大阪と東京、パリのショップと、Instagramから飛べるbaseのオンラインショップで購入できます。最初の頃はアトリエを解放して自分でお店をしていて。ニューヨークにおもちゃを買いに行って、それを使ったアート寄りのおもちゃと自分の作品を売っていました。木などの材料とおもちゃを組み合わせたキーホルダーとか。そこに偶然ギャラリーをされている方が通りかかって、「うちで個展をしませんか?」と誘ってもらい初めて個展をさせていただきました。その知り合いのスタイリストさんが作品を小道具に使ってくれたりお店を始める方がディスプレイに使ってくれたり、いろいろ繋がって知ってもらえる機会も増えました。

ちなみに今はどこで取り扱っているんでしょうか?

大阪・中崎町の『YAMASTORE』、東京だと『SPS(SUPER PERSONAL SHOWCASE)』と『HiMonsieur』というお店で扱っています。『SPS』のオーナーさんは店舗什器の仕事をしていて、昨年はそこで個展もやらせてもらいました。あとはパリにある子ども向けの本屋『SUPER EDITIONS』。数年前、Instagramで私が描いたイラストを見て「うちで個展をしてみない?」とオーナーさんからDMをいただいたんです。立体作品がメインだと伝えると、「それも一緒に展示していいから」と言ってくれて、パリのお店でイラストと立体作品の個展をやらせてもらいました。海外発送は大変でしたが、今も作品を置かせていただいてます。

海外の方にウケるのはすごくわかるような気がします。

先日も『YAMASTORE』から「ホットドッグが売れましたよ」と連絡が来て、ありがたいことにニューヨーカーが買ってくれたみたいです。以前も香港やイタリアの方が買ってくれて、受け入れてもらえるのはすごく嬉しいですね。

購入した人にはどんな風に使ってほしいと考えているんですか?

お買い上げいただいた後は、どんな風に使ってもらっても全然構わなくて。色が塗り替えられていても全然いいです。ただ、どうやって使っているのかは見てみたいですね。自宅のインテリアに合わせて飾っているのか、コレクションして時々眺めて楽しんでいただいてるのか。自分のつくりたいものとほしいと思う人との需要と供給がマッチしてたら最高ですね。買ってくださった方、どんな風に楽しんでいるのか気になるので、良かったら写真のDMをお願いします(笑)

アトリエコウノさんの自宅には、作品をたくさん飾ってらっしゃるんですか?

恥ずかしいので一切置いてないです。

それは少し意外かもしれません。小さい頃は舞台のセットのようなモノがほしくて、それが作品づくりの原点にもなったわけですが、大人になった今は身近に置いておかなくていいんですか?

アトリエにあるだけで十分なのかも。おもちゃを集めるのが好きなので、おもちゃのコレクションはたくさんあるけど、自分の作品は置いてないですね。

やっぱり海外のおもちゃが多いんですか?

日本に上陸したばかりの頃の『トイザらス』が好きでたくさん集めています。ガチャガチャの景品やマックのハッピーセット、PEZもコレクションしていて。PEZをイメージしてつくった作品もあって、最近ご購入いただけて嬉しかったです。と、同時にちょっと寂しくもなりました(笑)。普段は売れたモノに対して、そこまで執着しないんですけど。

PEZのような海外のおもちゃがインスピレーションになることもあるんですね。

もちろんあります。毎日の生活の中で、映画や美術館、アートブックに雑誌、インターネット検索……、気になったモノを蒐集することで自分の中に蓄積したイメージが作品に出ている感じ。最近は雑誌を買う機会が減ってやってないけど、以前は切り抜いた誌面をスケッチブックに貼ってコラージュブックをつくっていました。今はピンタレストなどでひたすらイメージを集めています。ただ、Webの画面って紙と違って頭に残りづらくて、本当はアトリエの壁一面にコルクボードを貼ってイメージを集約したいんですが、印刷するとなったらどれだけかかるっていう量になりそうなのでまだできていません。

マッチを両手に持つと一層怪しい雰囲気が増します。

どんな雑誌を読んでらっしゃったんですか?

「Casa BRUTUS」、「BRUTUS」、「ELLE DECO」、「RELAX」、「i-D」……。海外の週刊誌、インテリア、ファッション、ストリート、アート、旅、映画……、とにかくあらゆるジャンルの雑誌を読んでいました。なかでも、海外の週刊誌はファッション要素こそありませんが、企業の広告や自然、社会、動物……と、幅広い情報が掲載されていて。記事は読まずに写真やビジュアルだけを見て、気に入ったモノを切り取っていました。フライヤーとか広告も何でも気になったモノは切り抜いて、それをボックスにババっと詰めて、溜まったらコラージュしてイメージブックをつくるのがルーティーンになっていて。いわゆるネタ帳みたいなものですね。もう20冊ほどは溜まっていて、作品づくりの前にたまに見返したりしてました。写真をそのまま立体作品に反映することはあんまりなくて、あくまでそこから受けるイメージをふんわり頭にインプットしています。

着色の際はどうしてらっしゃるんですか?

イメージブックと色付けの際に描いた過去のスケッチを見返しています。だけど、つくっててわからない所をその都度資料で調べることも。基本は、普段見ているものの色味やデザインがベースになっています。

息詰まった時の対処法を教えてください。

YouTubeを見たり音楽を聴いたり、寝たり立ったりします。家とアトリエ以外の場所で過ごすことがほとんどなくて、周りには出かけた方がいいよとは言われるんですが、あんまり外に出るのが好きじゃないので仕方ないですね。

今後は自分でZINEをつくってみたい。将来的には移動販売の屋台を営んで、自分の作品と好きなアーティストのグッズを売りつつゆったり暮らせたら最高です。
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Profile

ATELIER KOHNO

大阪府出身。2011年より紙を使った作品づくりをスタート。オブジェや衣装を中心に制作しており、時には外部から発注を受けて、商業施設等のショーウィンドウの什器をまるっと引き受けることも。大阪と東京のほか、パリでも個展を開催。デカくてカッコいい犬がお好きだそうで、よく見るとパーカーの胸元にも「PAPERDOG STUDIO」のロゴが。

Shop: https://atelierkohno.thebase.in/

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