どこに飾る、どう使う?ポップでキャッチー、不思議な存在感を放つ<ATELIER KOHNO>の紙を使ったオブジェの魅力。

<ATELIER KOHNO>さんの作品に初めて出合ったのは、以前MARZELでも取材した大阪・中崎町の『YAMASTORE』。ヘンテコなプロダクトがずらりと並ぶ中、ひと際カラフルでポップなオブジェがあるなと思い、何となく手に取ったのが始まりでした。まずはそのサイズ感と不釣り合いな軽さに驚き、さらにそれが紙でできていることに驚き、作家さんが関西在住だということに驚き、好奇心がむくむくと湧いてきました。店内を改めて見渡すと、両手で抱えないと持ちきれないほど大きなピザやマクドナルドのロゴなどたくさんのオブジェがあって、一体これは何なんだ、いつか絶対これをつくっている人に会ってみたいと強く感じました。念願叶って取材の約束を取り付けた時は、本当に本当に嬉しかったです。その空間にあるだけで不思議な存在感を放つ紙を使ったオブジェ、一体どんな思いでつくられているのでしょうか?クールなワンコの被りものをまとった<ATELIER KOHNO>さんとのストリートシューティングと一緒にお楽しみください!

小さい頃から海外の映画やテレビ番組のセットが大好きで、登場しているモノがほしいと思ったのが作品づくりのきっかけです。

まずは、アトリエコウノさんの活動についてお伺いします。いつから紙を使った作品をつくってらっしゃるんですか?

2011年頃から試行錯誤を始めました。もともと美術の学校で陶芸を専攻していて、粘土などを使ってオブジェをつくっていたんです。卒業後は、就職したりアルバイトをしたり、職業訓練校へ木工を学びに行ったりしていました。

木工作品をつくるのは自分の中で違和感があったんですか?

興味はあったんですが、頭の中でしっかりとした設計図がつくれる人じゃないとやっていけない世界だなと感じて、自分には向いてないと木工の道には進みませんでした。

カラフルなマッチが入った巨大なマッチ箱。両手で持たないとマッチが擦れなさそう。

では、どうして紙を選んだんですか?

大きなオブジェをつくるにはどんな材料が良いだろうかと考えた時、まず気軽に手に入る紙を使ってみたんです。実際にやってみたところ、思っていたより色んなことができると気付いて、紙を使った作品をつくり始めました。

アトリエコウノさんの作品は、想像以上に大きなサイズ感のモノが多いですよね。どうしてあんなに大きな作品をつくってらっしゃるんでしょうか?

小さい頃から映画やテレビ番組のセットが大好きで、ほしいと思っていました。それが自分の根っこにあるからですね。

影響を受けた映画やテレビ番組についてお聞きしたいです。

作品の世界観やセットに惹かれて何度も観返したのは、80年代に一世を風靡したファンタジー映画『ネバーエンディング・ストーリー』やおもちゃ工場を舞台にしたコメディ映画『トイズ』。テレビ番組だと、以前放送していた『ポンキッキーズ』。ネズミの格好をした爆笑問題が登場するコーナーがあって、周りにあるモノが全部大きいんです。ファンタジーや違和感のある世界が好きで、自分も映画の中のモノがほしいとずっと思っていました。

子どもの頃から作品だけじゃなく、セットにも興味を持って観ていたんですね。

そうですね。今はアトリエで作品づくりをしているんですが、結構場所を取るモノが多いので、大きな作品の中に小さな作品を詰めて収納しています。一番大きなモノだと人間も着られるサイズのワンピースやスカート、人魚の下半身なんかもありますね。写真に撮るとどれくらいの大きさかわからないので、いつもサイズ感を伝えるのに苦労しています。

とってもリアルに再現されたチュッパチャップス。

例えば、テレビ関係だと大道具っていう仕事があるじゃないですか。職業としてそこを目指そうとはしなかったんでしょうか?

なりたいというか、なれると思ってなかったです。自分はきっちりしたモノづくりは向いてない、自由度の高いモノしかつくれないと。子どもの頃は憧れていたけど、大人になって自分には無理だと思いました。でも、今でも映画やテレビ、舞台のセットに憧れます。

なるほど。作品づくりと大道具づくりだと、同じ“つくる”でも意味合いが変わってきますよね。作品づくりの手法についても教えていただけますか?

粘土をメインに段ボールや発泡スチロールを組み合わせながら型を成形し、そこに和紙と新聞紙を何枚も重ねて貼って、乾いたら型抜きをしてペイントしています。

作品の設計図というか、イラストを描いてそれを立体にするんですか?

イラストが苦手で、描くのは無駄だなと思ってしまいます。もちろん描いてみる時もあるけど、頭の中にある描きたいイメージ通りには描けないので。粘土を使うので形も調整しやすいですし、制作しながらあれこれ考えてつくります。色付けの際は完成形のスケッチを描きますが、成形する時点で描くことはほとんどないです。

私も実際に見て購入したことがあって、紙とはいえかなり頑丈だなと思いました。あれも作品の特徴なんですか?

落としても割れないですし、8年ほど前につくった作品もきれいに残っています。紙の作品って壊れやすいイメージがありますが、かなり頑丈につくり込んでいるので簡単に壊れることはないと思います。

モチーフはどんな風に選んでいるんですか?

特に選んでいる意識はなくて。毎日見ている風景やテレビ番組、海外の雑誌、インターネットで興味が湧いたものなどをモチーフにしています。毎日何かをつくるという頭になっているので、自分の中に入ってきたモノをとにかくつくっていますね。あれもこれもつくれるかなっていう実験をしている感覚です。話の流れでつくることもあって、ノリと勢いの部分も大きいです。

毎日作品をつくっていると。そのパワーがすごいですね。

こんな毎日なので脳が“つくる”脳になっていて、自然と見たり聴いたりするモノ全部がつくる対象、ヒント、きっかけとしてストックされていきます。それは写真を撮る人や文章を書く人、どんな職業の人も同じじゃないのかな。日常で目にしたモノや気になったモノ、テレビや映画を観てほしいと思ったモノをモチーフにしていて。“カワイイ”より、“カッコイイ”や“オモシロイ”モノをつくっていたいんです。

手元に渡った後は、色を塗り替えても、どんな風に使ってもらっても構いません。ただ、どうやって使っているか見てみたいなと思います。
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Profile

ATELIER KOHNO

大阪府出身。2011年より紙を使った作品づくりをスタート。オブジェや衣装を中心に制作しており、時には外部から発注を受けて、商業施設等のショーウィンドウの什器をまるっと引き受けることも。大阪と東京のほか、パリでも個展を開催。デカくてカッコいい犬がお好きだそうで、よく見るとパーカーの胸元にも「PAPERDOG STUDIO」のロゴが。

Shop: https://atelierkohno.thebase.in/

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