【ぼくらのアメ村エトセトラ vol.6】 <CMK>のJOEとCASPERが描いてきた、これからのアートシーンに痕跡を残す、想いと覚悟があるグラフィティアート。


これまでの僕らにはなかった道が<CMK>を通じて生まれてきてるので、そこでしっかりと結果を示せる存在になりたい。そして、いつかこの道が、若い子たちがグラフィティアートを目指せる道になればと思う。

世界や国内のいろんな場所で活動してきたCASPERさんにとって、<CMK>の拠点があるアメ村の話も聞かせてください!アメ村のイメージや印象的なエピソードはありますか?

高校生の頃から通ってた街で、かれこれ30年近くはアメ村にいてますね。僕にとっては大阪が誇るカルチャーの街だし、そのイメージは今も変わってません。エピソードも山盛りありますが…(笑)

例えば?(笑)

最初に事務所を構えてたのは今とは違う場所なんですが、入居した日にみんなでパーティーをしてたら盛り上がり過ぎて通報が入ってしまって...。暴動が起きたと間違えられたようで、機動隊が来たり。場所は明かしてないのに、名古屋から女子高生がいきなり訪ねてきたり。霊媒師が入って来て占いを始めたり。

気になる展開ばかりですね(笑)。ちなみにその女子高生は、どうやって見つけたんでしょう…。

名古屋の壁にも描いてたので僕に会いに来たみたいですが、梅田辺りのティッシュ配りの人に聞いてミナミへ出て、そこからアメ村で聞き回って探して辿り着いたって言うてました。まぁ、おもしろくて変わった人がとにかく来てましたね。電話機が一台だけ置いてる部屋とかもありましたし。

それはちょっと謎過ぎますね。

今話した人のことは置いておくとして(笑)、僕自身は本当に人の縁には恵まれてると思うんです。天才ではないただの凡人で、5倍の努力でひたすら描き続けてきたから成⻑することもできましたけど、サポートしてくれたり、世に送り出してくれる仲間や人がいたからこそ今の自分があります。

JOEさんをはじめ、スタッフの皆さん、ファンの方々が大きな存在であると。

JOEはいつも僕らをリードして、引っ張ってくれる存在。今の環境を作って<CMK>を守り続けてくれたのも、やっぱりJOEですからね。そこにマネージャーやグラフィティアーティストを志す若いメンバーも加わってくれてます。これまでの僕らにはなかった道が生まれてきてるので、そこでしっかりと結果を示せる存在になりたい。そして、いつかこの道が、若い子たちがグラフィティアートを目指せる道になればなと。

なるほど。その道を開拓していくことが、CASPERさんの目標でもあるんですね。

大変だとは思いますけどね。ただ、続ければきっといい道になるはず。10代の時から出会った仲間と腹をくくり、若いメンバーも一緒になって「この道に進もう!」と思えてることが最強じゃないかなと。みんなの⻑所を生かして、短所は補い合いながら乗り越えていく。僕にとって<CMK>は、やっぱり家族みたいなものなんですよね。だから諦めずに、進めるんだと思います。

CASPERさんとしての、<CMK>としての、これからのアート業界や世の中に対するアプローチが一層楽しみになりました!今の話を聞いてて、ちょっと伺いたいことがあります。抽象的な質問にはなるんですが、CASPERさんにとってグラフィティとは?ぜひ聞かせてください。

グラフィティは、ルーツとしては落書きが本当のものではあります。グラフィティアートや仕事をグラフィティと呼べないかもしれませんが、世界中でビジネスにも発展してきてる今は、それもグラフィティなのかなと。いろんな人に観せたいという根本の部分は同じですからね。自分の作品やスタイルに対しても賛否両論はありますし、落書きをしながら第一線で活動してる人もかっこいいと思ってます。ただ、今の僕らは合法的にいろんな人たちに喜んでもらうことができるんです。女性や子どもたちは「可愛い!」と言ってくれるし、イカツイ人たちも意外とポップなものが好きだったりもします。僕の作品には漢字を描くものもあるので、そこを組み合わせると喜んでもらえる領域はさらに広がる。

グラフィティの解釈はアーティストや観る人それぞれかもしれませんが、喜んでもらえる領域の差は確かに違いますよね。

観せたいという目的は同じでも、その差は大きいかなと。人に喜んでもらうことに重きを置いてる僕にとって、グラフィティはライフスタイルであり、FOR LIFEなものなんです。

喜びという結果がCASPERさんや作品の力となり、また次の喜びを生み出すことができるってことですね。それは、アーティストとしてすごく理想的なサイクルだと思います。6月15日(木)からの「コンテンポラリーアートコレクション」でもそのサイクルが生まれそうですが、楽しみにしてるファンの方々にメッセージをお願いします!

JOEと二人で30点くらいの作品を展示する予定です。僕の方では今までの単体のCASPちゃんだけではなく、キャンバスの中に何体も集合させた作品も描いてます。曲線や直線が絡み合った流れと、CASPちゃんが集合した姿を観てもらいたいですね。ぜひ楽しんでください!!


<JOEさんとCASPERさんがお気に入りのお店>

CMK gallery(大阪市中央区⻄心斎橋)
<CMK>のオリジナルアイテムが並び、ギャラリーとして若手のグラフィティアーティストの展示も定期的に開催してます。

若水(大阪市⻄区南堀江)
昔から通ってる中華料理屋です。注文するのは、味噌ラーメンと半チャーハンセットの一択です!

丁稚亭(大阪市中央区⻄心斎橋)
居酒屋で、ランチタイムに20年以上通ってます。旬の食材を大将自らが採って出してくれて、たまに余り物もくれるんです。

魚重(大阪市中央区⻄心斎橋)
元々は日本料理屋でしたが、今は名物の鉄火丼の専門店に。ここも20年以上通ってて、間違いないおいしさです。


<INFORMATION>

コンテンポラリーアートコレクション

日程: 2023年6月15日(木)〜6月20日(火)
場所: PARCO GALLERY/SPACE14 (大阪府大阪市中央区心斎橋筋1-8-3 心斎橋PARCO 14F)
時間: 10:00〜20:00 (入場は閉場時間の30分前まで。最終日は17:00まで)
https://www.daimaru.co.jp/shinsaibashi/art_shinsaibashi/

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Profile

JOE

1997年にを結成。日本での活動後、渡米を経て2013 年に『CMK gallery』をオープンする。高野山の恵光院への守本尊 毘沙門天図、天橋立の和貴宮神社の拝殿への天井画の奉納をはじめ、世界のアートシーンを揺り動かす作品づくりから地元密着のアートプロジェクトまで、幅広いシーンで活躍中。

https://cmkgallery.jp/
Instagram:@cmkgallery

Profile

CASPER

<CMK>所属。2005年に水戸芸術館で行われた日本初のグラフィティー展「X-COLOR」、2007年「SUMMER SONIC」でのライブペインティング、FENDIのワールドプロジェクト「F IS FOR FENDI」、スノーボードメダリスト平野歩夢のX GAMES Aspenミューラルアートなどに参加。その他、店舗の内装・外装、著名アーティストのステージ衣装、ロゴデザインなど、さまざまなシーンで活動を続ける。

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