もっとラフにアートを楽しんでほしい。SNSで話題の<耳で聴く美術館>を手がける人気動画クリエイターのAviさんが目指す、やさしさに包まれた世界。

今回取材したのは、TikTokのフォロワー数16万人、YouTubeチャンネルの登録者数13.3万人の人気コンテンツ<耳で聴く美術館>を運営している動画クリエイターのAviさん。漫画やファッションなど、身近な内容からアートに切り込むショート動画が若者の間で人気を博し、最近は美術館の展覧会の紹介や若手アーティストの発掘などにも力を入れています。「心が震えるアートの話をしよう」をテーマに彼女が手がける動画は、アートを知らない人でも馴染みやすく、見る人の心を一瞬で掴む構成がお見事。「アートってなんだか難しそう」というイメージを払拭し、「もっと気軽に楽しんでいいんだ」と思わせてくれます。Aviさんがこの活動を始めた経緯やアートに対する考え方、コンテンツを作るうえで大切にしていることなど、色々聞いてきました。余談ですが、Aviさんはめちゃくちゃ良い声をしてらっしゃるので、これを読み終えて興味が湧いたら、一度動画を見てみることを強くおすすめします。まずはインタビュー記事からどうぞ〜!

自分の好きなことを徹底的に試してみた結果、今の活動に辿り着きました。<耳で聴く美術館>を始めてからの1年半は、驚くほど目まぐるしい毎日です。

アートを紹介するコンテンツを発信しているAviさんですが、ずっとアートに関わるお仕事をされているんですか?

高校卒業後は、美術の先生になりたくて神戸大学の発達科学部に進学しました。だけど実際に教育実習に行ってみると、人前で話すのにめっちゃ緊張してしまって。中学校と高校の教員免許を取得しましたが、先生の道は諦めて鉄鋼メーカーに就職しました。

最初は先生を目指していたんですね。鉄鋼メーカーと聞くと少しお堅いイメージもありますが、どういう流れでSNSを使った活動をすることになったんでしょうか。

新卒でメーカーの就職したものの、サラリーマンという働き方が合わなくて。上司にお伺いを立てたり、各所に確認を取ったり、会社に入ったら1人で仕事ってできないじゃないですか。コミュニケーションを取るのが苦手だから、1つ質問するのにもすごく気を遣っちゃって。それで精神がすり減ってしまい、半年ほど会社を休職していたんです。復職も考えたんですが、自分の性質はそう簡単に変えられるものじゃないからやっぱりダメで。それなら好きなことを徹底的に試してみようと考えて、動物が好きだったので、最初は3ヶ月ほど動物病院で働きました。

動物病院!めちゃくちゃ意外です!

そうなんです(笑)。もちろんかわいかったけど、動物を相手にするのってやっぱり大変で。それもよく知れたので次の仕事を探しました。私は芸術系の学部に通っていましたが、アナログで絵を書くことしかできなくて、IllustratorやPhotoshopが使えないのがコンプレックスだったんです。お金を稼ぎながらどうにかAdobe系の知識を身につけたいと、初心者もOKのデザイン会社に入社しました。1年間みっちり教えてもらって上達した頃に、コロナ禍で出勤日数が減っていたから退職して、次はパーソナルトレーナーになりました。

すごい……(笑)。本当に多岐に渡ります。

やりたいことを徹底的にやってたんです。仕事って好きなことと苦手なこと、どちらもやらないと成立しなくて、“苦手”の量に対して自分が我慢できるかどうかだと思うので、やりたいことを色々試してみました。だけどやっぱりアートに関心があったから、最終的にはギャラリーの仕事に着地して。最初は中崎町の『IYN』というライトなギャラリーに入って、作品の展示や販売の方法など、基本的なことを学ばせてもらいました。そこから少しハイクラスな海外系のギャラリーに移動して、アメリカ、台湾、香港、ヨーロッパ、世界各国のお客さまを相手にギャラリストとして働きました。その頃から自分でデザインなどもやっていたので、SNSを作り込むのも好きだったんです。そうするうちに動画作りに興味が湧いて、<耳で聴く美術館>をスタートしたのが2021年8月のことでした。

活動期間は1年半ほどなんですね。たくさんのフォロワーを抱えてらっしゃるので、もっと長くされているのかと思っていました。

意外と短いんです。ただ嵐のように過ぎ去った1年半でしたね。今でこそフォロワーさんも多いですが、開設して数ヶ月は1万人くらいだったんです。TikTokのクリエイターアカデミーで受講したことをきっかけに、たくさんの人に届くようになりました。

クリエイターアカデミーってなんですか?

TikTokを運営しているバイトダンス社が、100人のクリエイターを選んで、毎月10万円支給しながらTikTokの極意を教えてくれる講座です。私はそれの1期生に選ばれて、お金をいただきつつ3ヶ月間みっちり学ばせてもらいました。ほんと神期間ですよね(笑)。どんな動画が再生されやすいか教えてもらったり、互いの動画に意見を言い合ったり。そういう知識もそうですが、同じボリュームのフォロワーを抱える全国の人と知り合えたのは大きかったです。「アンチがきた時どうしてる?」とか相談もできるし、みんなのがんばりが自分のモチベーションにも繋がって。一緒にがんばる仲間がいたことが、継続する力になりました。

誰もが身近に感じられるカジュアルな切り口からアートのおもしろさを発信。カレーのようにしばらく寝かせることが、客観的な視点でわかりやすく伝えるコツです。
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Profile

Avi/耳で聴く美術館

大阪府出身、1992年生まれ。「心が震えるアートの話をしよう」をテーマに、TikTokとYouTube、Instagramにて<耳で聴く美術館>を展開。「もっと多くの人にアートを楽しんでもらいたい」と、気軽に興味を持てるライトな情報を中心に、展覧会の情報や若手アーティストのインタビュー動画を発信する。

耳で聴く美術館
TikTok:@mimibi301 / YouTube / note

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住所: 大阪市北区中崎3-2-18
電話: 06-6459-7879
営業時間: 11:00〜18:00
休日: 不定休

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