システムエンジニアから丹波篠山で罠猟師になった黒沼さん夫婦が、屋号「かけがえのない日」に込めた想い。


2人で話して、この毎日、この毎秒、今が楽しくないと、どれだけ未来に楽しいことが待ってても意味ないよね?っていう結論に行き着いたんですよ。

どんな意思を持ってシステムエンジニアから猟師に転身されたのかなと思っていたんですが、すごい言い方はあれですが、成り行きというか。

シンスケ:行き当たりばったりで、流れるままですよ。

マイコ:いい意味でね。ほんまに成り行き。

シンスケ:正直ね、2人でいたら、何とかなるんですよね。2人の考え方が違ってたら多分しんどいけど、一緒やから楽しめるんですよ。

システムエンジニアから猟師への転身なんて、まずないですよね。

シンスケ:ほんまに僕もびっくりしました。だから、辞めたくても辞められない人は、僕を見てほしい。見て、幸せに生きてるでって思います。仕事行きたくないなら、もう辞めちゃえって言っちゃいますね。それで一回リセットして、したいことを見つけたほうがいいです。したいこと今はなくても、絶対あるから。なんでもできるし、できへんかったら次いったらいいし。

ライフスタイルも180度変わりましたよね?

シンスケ:会社を辞めてから電車も乗ってないし、曜日も捨てましたね。とにかく今は、かけがえのない日を大切にして、自由でいたい。こうやってマイコと2人でいることは、自由のひとつなんです。1人の時間が欲しい人もいると思うんですけど、僕は2人でいるのが自由な時間なんですよ。

今出てきた「かけがえのない日」っていう言葉を、屋号にした理由とかきっかけを教えてもらってもいいですか?

シンスケ:黒豆が終わって何しようかっていう時期に、焼き芋屋さんをやろうっていう話になったんです。マイコが昔からずっと、やりたいって言ってたから。そんな時に丹後半島にドライブに行ったら、まいこ金時っていう芋があったんですよ。同じ名前や、これは運命や!ってなって、焼き芋の機械とか買って準備してたんです。その時に、屋号がいるなと思って。
その数年前、コロナ禍の頃に2人でゆっくり話す時間ができて、これからどんな社会になって行くんやろなみたいな、ちょっと真剣な話をしたんです。その時に、未来のことに不安を抱いたり心配しても仕方がないってことが、僕わかったんですよ。だって、コロナ禍なんて想像もできなかったから。当時は仕事で3年計画とか5年計画とか立ててましたけど、半年後のこともわからないじゃないですか。それなら、この毎日、この毎秒、今が楽しくないと、どれだけ未来に楽しいことが待ってても意味ないよね?っていう結論に行き着いたんですよ。2人とも自然と、やっぱりこのかけがえのない日を大切にしたいねって言ってたから、そのまま「かけがえのない日」になったんです。

焼き芋屋台を始めるために買った中古の軽トラ・佐伯っつぁん。名前の由来は「買ったとき横に、佐伯って書いてあったから」。

ということは、屋号でもあるけど、お2人の生き方の指針というか。

シンスケ:そうそう、モットーやと思います。あの時に話したのは、ほんまに今って、毎秒毎秒なくなっていくよね、この時間ってもうないなって。だからムダにするのがもったいない。なぜ生きてるか考えたことあります?あれ、夜中に考えると病気なりそうですよね。でも考えてみると、やっぱり楽しく幸せになるために生きてるとしか思えなかったんです。だから、これが答えやと思って。だから今、何事も楽しむようにしてますし、実際めっちゃ楽しいし、健康的やし、タフやと思います。

「かけがえのない日」って、すごくいい言葉だと思います。

シンスケ:名刺も、消しゴムを彫って作ったはんこを押してるんです。僕システムエンジニアやったのに家にパソコンなかったんで。簡易で作った感じだったんですけど、今はすごい気に入ってます。最初は、上等なちゃんとした名刺に、消しゴムはんこの名刺を返すのがちょっと後ろめたかったんですけど、今はもう自信を持って出してます。

これから先どうして行きたいなとか、こんなこと計画してるよみたいなことって何かありますか?

シンスケ:まずは幸せに、自由に、人生を謳歌する。飲食店をしてみたい気持ちもありますけど、それをやってしまうとまた大変なのかなと思ったりもするんで。個人的には、そんなに多くのお金もいらないんです。僕、服も靴も欲しいものだいたい持ってるし。
でも、これ来年なんて言ってるかわからないです。今は猟師がライフワークになると思ってるけど、まだわからないですし。来年はもっと都会に出て、バリバリ働きたいって言ってるかもしれないです。その時はまた、それはそれで。今はとにかく楽しみたい。自由に。時間を気にせず。


<シンスケさん・マイコさんのお気に入りのお店&場所>

VENISON by TERRA(大阪市淀川区木川西)
結婚記念日ディナーでお世話になっている、野菜とお肉の美味しさを同時に味わえるお店。ラム肉や鹿肉は本当に絶品!野菜やお肉に添えられるソースも抜群です。

matag(大阪市北区同心)
ジビエを扱う隔週水曜日で間借り営業されているお店。丁寧にじっくりとローストされた猪肉が美味かったので、僕のジビエも料理して欲しいと密かな願望を抱いています!

デカ坊ちゃん a.k.a ハイエース
デカ坊ちゃんと命名したエブリディ車中泊仕様のハイエースの車中が、僕たち夫婦のリフレッシュスポット。いつでもどこでも気の向くままに自由になれる絶好調最高なスポットです!

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Profile

かけがえのない日

元システムエンジニアのシンスケさんとマイコさんの罠猟師夫婦(trapper a.k.a hunter)。罠製作から捕獲、解体、精肉までを行い、“人生で最高に美味いジビエを提供したい”をテーマにイベント等に出店。丹波篠山の持ち山も絶賛開拓中

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