心が赴くままに、楽しい“遊び”を提供し続けたい。大阪発の4人組バンド・DENIMSと、彼らが主宰するパーティー『ODD SAFARI』について。

釜中健伍(Vo, G)、岡本悠亮(G)、土井徳人(B)、江山真司(Dr)からなる、関西のインディーズバンド好きなら知らない人はいない大阪出身の4人組バンド・DENIMS。日常から生まれるリアルな心情を描く歌詞をのせた楽曲は、絶妙にゆるくて心地いいサウンドがクセになります。今回は、4月13日(日)に味園ユニバースで開催される自主企画パーティー『ODD SAFARI』に先駆けてインタビューを実施。メンバーの行きつけでもある大阪・南船場『THE MUSEN IN SHOCK』の姉妹店『THE HANARE IN SHOCK』にお邪魔して、バンドの結成にまつわるお話やイベントへの意気込みを伺いました。取材中に彼らの友人が登場し、より自然体でお話してくださったのが印象的でした。常に遊び心を忘れずに、音楽を自由に楽しむオンリーワンなDENIMSのスタイル。ぜひチェックしてください!

2012年にDENIMSを結成し、2021年に現在のメンバーに。ソウルやファンクをベースに、色んなジャンルの要素をMIXした曲作りをしています。

(手前から時計回りに) 江山真司(Dr)、土井徳人(B)、釜中健伍(Vo, G)、岡本悠亮(G)

DENIMSを結成したきっかけと、今のメンバーになった経緯を教えてください。

釜中:DENIMSの初期メンバーでもある僕、ドラムの江山、ベースのまっつんにキーボードの子を加えた4人でAWAYOKUBAっていうバンドを組んでいて。フェスなども出させていただいてたんですが、キーボードの脱退を機に解散してしまったんです。その半年後の2012年にギターのおかゆ(岡本)が加入してDENIMSを結成。2021年にまっつんが抜けるタイミングでのりと(土井)が入って今の形になりました。

AWAYOKUBAはどういう経緯で集まった4人だったんですか?

釜中:僕と江山が小、中学校の同級生で、中学の頃もバンドを組んでいました。高校が離れて1度疎遠になったんですが、大学生の時にラップをしている友達とイベントをする機会があって、またバンドがやりたくて江山を誘ったんです。ベースのまっつんは僕とバイト先が同じで、キーボードの子は大学が同じで声を掛けた感じですね。

どんなアルバイトをしてたんですか?

釜中:お好み焼き屋です。

ってことは、釜中さんはお好み焼きが作れるんですか?

釜中:まぁなんとなく。

江山:ちなみに同じバイト先だったまっつんに、カマチュー(釜中)は戦力外通告されてます。焼いてる時に喋りかけたら、手を止めて喋り始めちゃうらしくて。たぶん同時に物事ができないんです。そんな人がギターを弾きながら歌ってるんやから面白いですよね。

皆さん南大阪のご出身ですか?

釜中:僕と江山が堺市で、おかゆが和泉市、のりとは三重県ですね。

堺って音楽が身近にある街なんですか?

江山:だんじりとレゲエが根付いている泉大津や岸和田とは少し違うけど、堺はライブハウスがいっぱいあって、バンド界隈は盛んだったかもしれません。

釜中:中学の頃は、高校生とか先輩のバンドに混ぜてもらって近所のライブハウスでよくライブをしていましたね。

中学でバンドを組むって結構早いですよね。

釜中:周りの環境に恵まれていたというか。当時ゆずが流行ってて弾き語りをしてたんですけど、『青少年の家』っていう無料の練習スタジオみたいな場所があって、そこにドラムセットが置いてあったので、興味を持ってバンドを始める奴が多かったんです。

堺の地域性が音楽に反映されている部分ってあると思いますか?

釜中:うーん、僕らの周りにはやりたい音楽性のバンドがいなくて。当時はメロコアが主流だった中で、ヒップホップのイベントを友達とやったりしていて。韻シストさんやG. Love & Special Sauceさんっていうブルージーなバンドに憧れて、最初はギターを弾きながらラップをやってました

ベースにはファンクがあるのかなと思うんですが、すごく幅広い音楽性で展開されていますよね。その時々でやりたいことのイメージがあるのでしょうか?

釜中:そうですね。もともとソウルやファンクがやりたくて色々と試行錯誤したんですが、20代前半はあまりお客さんに興味を持ってもらえなくて、ライブハウスで同世代のバンドと切磋琢磨する中で今の形になっていきました。あとは、ロック畑で育ってきたおかゆの加入をきっかけに雰囲気が変わりましたね。ブリティッシュロックやオルタナティブロックはおかゆに教えてもらいました。

岡本:僕は根っからのパンクっ子で。逆にヒップホップを全然知らないんです。

釜中:おかゆはビートルズが大好きで。彼のオルタナティブロックやブリティッシュロック、パンクのエッセンスがプラスされて、DENIMSの音楽にもロック味が加わっていきました。ソウルやファンクがベースなのは変わりませんが、色々やっても結局DENIMSっぽくなるってわかったんで、その時々で好きなことをやっています。今はまたソウルやファンクをしっかりやりたいモードに戻ってきてるかな。

“何をやってもDENIMSっぽくなる”って不思議な感じがします。もともとどんな音楽を聴かれていたんですか?

釜中:僕はRage Against the MachineとかIncubusとか、当時流行っていたミクスチャーロックの中でもファンク要素のある音楽が好きで。それと同時にウルフルズが好きだったので、トータス松本さんのソウルミュージックをカバーしたソロアルバムが気に入って、そこからソウルを掘り下げて聴いていました。ソウルに興味を持ち始めたのは、ウルフルズやSUPER BUTTER DOGがきっかけです。

2021年に土井さんが加入したことで変化はありましたか?

釜中:バンド内の雰囲気がめっちゃ良くなりました。のりと以外は同い年で彼だけ年下なんですけど、人当たりがいいし1番しっかりしてる。みんなすごくゆるいけど、のりとが喝を入れてくれるので気持ちが引き締まります。

江山:慣れ親しんだ仲間とやってると、なぁなぁで済ます部分が増えてしまって、気になっても“わざわざ言わない”ことが多くなるんです。そういう部分に目を背けずきちんと指摘してくれるから、僕らもすんなり聞けるというか。とっても貴重な存在ですね。

岡本:音作りに対するこだわりも強くて、のりとが入ったことで音に広がりが生まれました。機材も色んなものを試すようになって、より柔軟で実験的な音作りができるようになったと思います。

土井:オリジナルメンバーで10年くらい続いてたバンドだから、入ったばかりの頃はいきなり自分のカラーを出すことに抵抗があったんです。DENIMSの曲が好きで聴いてたからこそ、逆に自分の中のイメージに固執していた部分はありますね。様子を見ながら徐々に機材を変えて、自分らしさを出していきました。

釜中:僕らはDENIMSしか知らなくて、バンドの一般常識をあんまりわかっていないところがあるんです。その分、のりとは色んなバンドを経験してサポートもやってきてるから、「ここはこうやったらスムーズに行くんじゃない?」っていうのを提案してくれます。外で吸収してきたことを、バンドの中でアウトプットしてくれるありがたい存在。Special Favorite Musicっていうバンドにも所属しているので、その経験も生かされていると思います。

同世代のバンドとの共演も多いですが、そこからの影響ってあるんですか?

釜中:演出やパフォーマンスの参考になるので、ライブはたくさん行くんですけど、制作の部分では自然とあまり影響を受けないようにしてると思います。

バラエティに富んだ音楽性であるからこそ、色んなものを聴いてそのエッセンスを盛り込んでいるのかなって思いました。

釜中:音楽は何でも好きで色々聴くんですが、洋楽や古い音楽を聴くことが多いです。

DENIMSの音楽の魅力は、絶妙なゆるさと心地よさなのかなと。そこは自分たちで意識してるんですか?

釜中:ヒップホップのビート感というか、単純に遅いテンポの曲が好きなんです。そういうトラックをバンドに落とし込んだらどうなんやろっていうので、自然とゆるい音楽に仕上がっていると思います。だけど雰囲気のゆるさは、そういう人間の集まりやから勝手に出てるのかもしれないですね。

人間性が音楽にも反映されているんですね。

取材の集合時間になると、MUSEN & HANAREのオーナー・teteyanさんも現れてみんなでわちゃわちゃ。
釜中さんは前日ドミコのライブに行き、打ち上げで朝まで飲んだ後、家に帰らずネカフェに泊まりたこ焼きを食べてそのまま取材に来られたそう。Tシャツにスタッフパスが付いていました。
DENIMSを結成したばかりの頃は精神的にキツい時期で。同世代のバンドとつながったことで、自分たちのやりたい音楽が見えてきました。
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Profile

DENIMS

釜中健伍(Vo, G)、岡本悠亮(G)、土井徳人(B)、江山真司(Dr)からなる4人組バンド。ソウルやファンクをルーツに、ヒップホップ、ジャズ、パンク、シティポップなどさまざまな要素をMIXした絶妙にゆるくて心地いいサウンドで注目を集める。

HP: http://denim-s.jp/
YouTubeチャンネル: @denimschannel9695

Shop Data

THE HANARE IN SHOCK

『THE MUSEN IN SHOCK』の姉妹店。4月から営業日を増やし、木曜以外はオープンすることに。0時以降はカラオケもでき、普段使いはもちろん打ち上げや歓送迎会にもおすすめ。

住所: 大阪市中央区博労町4-3-14 柴田ビル 3F
営業時間: 20:00〜翌3:00
休日: 木曜休

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