心血を注ぎ作り上げた、唯一無二の『GAKUYA BURGER』を“壊す”理由とは。全ては美味いバーガーのために、オーナーシェフの飛松正輝さんの決意。
最終的には、僕は海外で屋台に戻りたいんですよ。
フードトラックに始まり、堺から堀江に移転。これからの『GAKUYA BURGER』は、どんな風に進化をしていくんでしょうか。
さっき、自分はすごく計画を練るタイプって言いましたけど、僕はハンバーガー屋さんをはじめるときに、20年目に海外に行くって決めてるんですよ。
そうなんですか!?
この20年間のスケジュールをめっちゃ前もって決めてて。最初の10年は、時期ごとに食材の味が変わるなかで、同じ味のバーガーを作る練習。10年目からは、その時期で一番ベストなバーガーを作ることを勉強してて。
だから期間限定のバーガーをやっていたり、メニューも頻繁に変えてるんですね。
店の屋号も、海外に行ったときに日本語の名前でバーガーをやりたいと思って、“楽しい屋台”っていう意味で“GAKUYA(楽屋)”って付けたんです。だから最終的には、僕は屋台に戻りたいんですよ。
屋台っていうことは、フードトラックですか?
そう。フードトラックの何が良いって、毎回カウンターから見える景色がちゃうんですよ。海が見えるときもあれば、オフィス街の真ん中のときもあるし、山のなかでやることもある。朝もあれば夜もあるしで、ほんまに最高で。あの感じって中毒的なところがあるんです。
大阪にこだわりはないって言ってましたしね。行きたい国はあるんですか?
いや、特にこれっていう国はまだ決まってないんですけど、もしアメリカに行ったらアメリカの食材を使う。その土地の食材を使ってバーガーを作りたいんです。
なるほど……!ということは、今の『GAKUYA BURGER』のキーアイテムの麹は使わなくなるっていうことですか?
いや、それは使います。むしろ、麹は海外に行くために勉強しているんですよ。というのも、麹があればどの国でも醤油や味噌といったいろんな調味料が作れるし、トッピングの野菜も作れる。何よりパンが焼けるんです。ちょっと前に閉店したんですけど、系列の『LOCAL STORE』では米を研究してた。それは、世界的に小麦が不足してるなかでも、米粉からパンを作れるようにするためなんです。
全ては海外進出のために、着実に準備をしているんですね。
そうなんです。パッと見だと、グルテンフリーだったり、地球や身体に優しい取り組みをしてるように見えるんですけどそうじゃなくて。海外に行ったとき、どんな状況でもハンバーガーを焼けるようにずっとただ練習してるだけなんです。最高でしょ?
飛松 正輝
大阪府堺市出身。『GAKUYA BURGER 』オーナー。幼少期に見たアメリカ雑貨店でハンバーガーのデザイン性に惹かれ、ハンバーガー屋になることを決意。ソースは使わず、ポーク100%パティを使用するなど、従来のバーガーとは一線を画する唯一無二のスタイルで、全国に名前を轟かす。24時間365日、美味しいハンバーガーを作ることだけを考えているバーガー界のバガボンド。