ラムソン、メイク、BLACK SHEEP。大阪屈指のHIPな立ち呑み屋を手がける高橋裕基さんが、愉快な仲間たちと追求する、楽しいこと、やりたいことの中にあるもの。


今考えたら、裕基さんはやってることが色々早すぎるんですよね。コロナ禍で朝ごはんするお店が増えましたけど、朝昼の需要がフィーチャーされる前からやってましたから。ラム串で立ち呑みするっていうのもそう。

ここからは男性メンバーにも集まってもらったので、高橋さんの印象などいろんなことを聞いていきたいなと。まずはメンバー紹介をお願いできればと。

高橋:なんかバンドの紹介みたいですね(笑)。『MAKE ONE TWO』からは、うちの最古参であるまっちゃん(松島)と、森君。『ラムのラヴソング』からは柴崎と、楓(安永)。『BLACK SHEEP』からはタカミー(高見)と、クマ(正子)です。

みんな揃うと、やっぱ濃いですよね。ではでは、それぞれが抱く高橋さんの印象やお店で働くきっかけなどを教えてもらえれば。最古参の松島さんからお願いします!

松島:職を失ってバーで飲んでる時に、たまたま裕基君と出会ったんです。とりあえず飲食店でバイトしよう思ってたから、最初は3ヶ月だけのつもりやったんですが、気づいたらもう7年。一番長くなってます(笑)

高橋:確かに3ヶ月って言ってたな(笑)

『MAKE ONE TWO』の松島さん(左)と、『BLACK SHEEP』の正子さん。

松島:改まって言うのもアレですけど、裕基君はめちゃくちゃ柔軟なんですよ。考え方とかの振り幅も広いし。

高橋:昨日考えてた言葉なんちゃう?

松島:ちゃうちゃう!じゃ、次はクマで。

正子:真っ直ぐな人間で、人に媚びない。自分の道を進んでるけど、すごく話も聞いてくれて、松島さんの言ってる柔軟さと真っ直ぐさを持ち合わせてると思います。自分の芯がすごいんですよ。僕は元々お客さんで飲みに行ってた立場ですが、入社したらいろんな話を聞く機会も増えて、オーナーでありながらも近い存在で話してくれる不思議な人やなと。

ベタ褒めですねー。もし高橋さんの何かを握ってるなら、話してもらってもOKですよ(笑)。では、次は柴崎さん!

高橋:みんな何か握ってるんで、そこはスルーで。

『ラムのラヴソング』の柴崎さん。

柴崎:ですね(笑)。裕基さんの印象は、スピード感がすごい。これと決めたらすぐに行動に移して進むので、振り落とされないようにいつも必死です。元々アパレルで働いてて、自分の中では飲食という選択肢はなかったし、できないと思ってたんですが声をかけてもらい、この会社は直感的におもしろいなと。ここなら自分の表現したいことをさらに広げられると思いました。たまたま飲食をしてただけで、もし違う業種だったとしても入社してましたね。

:印象としては、とにかくスピーディー。それに前向きと言うか、前しか見てないなって。僕は裕基君と同じ歳で、実は高校も隣やったんです。

高橋:地区最下位と中堅くらい。どっちも誇れんけど(笑)

:高校の時に知り合ってたら友だちになってないかも(笑)。だから、出会えてよかったなと。

森さんはどんな経緯で入ったんですか?

高橋:まっちゃんの推薦があったんです。僕は基本的にまっちゃんの提案は、全て受け入れるスタンスなんで。

『MAKE ONE TWO』の森さん。

:彼女が『MAKE ONE TWO』で働いてたから、よく飲みに行ってたんですよ。それで松島君とは音楽の話を色々してて、とりあえずお店の名前が僕の大好きなアーサー・ラッセルの曲名から取ってる時点で最高でした。その当時、エコータコス名義でタコスを作ったりもしてたので、『MAKE ONE TWO』のストリートフードのイベントでコラボしましょってことで…。

松島:イベントは1ヶ月くらいしてたんですけど、その間に吸収してしました(笑)

:そんな真剣に飲食をしてたわけじゃないのに、いきなりキッチンの核に据えるなんて、裕基君の判断もすごいなと。人気店やのに、大丈夫かなってずっと思ってましたね。

高橋:森さんのケツは全て拭いてくれとまっちゃんに言ってるので、大丈夫です!

森さんはneco眠るとしてのバンド活動も並行してやってますが、この前の『朝霧JAM』には、みんなが駆けつけたんですよね。

:めちゃくちゃうれしかったですね。ただ、ライブ中にチラッと見たら、みんなが前で踊ってたからかなりおもしろかったですけど(笑)

高見:飲食店で、土日に店を閉めてみんなでフェスに行くとか普通はないですからね。僕なんか、前職の時は「冠婚葬祭で地元に帰ります!」って嘘ついてフェスに行ってましたし(笑)。なんか、そんなスタイルもいいんですよ。

柴崎:しかも、裕基さんにずっと運転させてましたよね。

高橋:とりあえず早く到着したかったから、運転代わってられへんなと。

仕事も遊びも全力なのをみんなでやるって、ええチームですね。ちなみに高見さんから見た高橋さんの印象は?

高見:そうですね、みんな言ってる通りですけど、とりあえず勢いがある。でも、社長という感じはなくて、裕基さん自身もそんな立ち振る舞いもないし、普段から僕らも思ってることが言える関係を作ってもらってます。僕も元々『BANQUET』のお客さんで、前職のお店の帰りによく飲んでました。その時から思ってたのが、なんか色気のあるお店やなって。他のお店にはない色とかオーラがあって、仲間に入れてくださいって言ったのもそんな理由があったからなんです。

高橋:僕からもタカミーにはちょこちょこ言うてたしね。「いつ来るん?」って。

『BALACK SHEEP』の高見さん。

高見:ですね。裕基さんの人柄だったり、こうちゃん(柴崎)も言ってましたが、これと決めたらダッシュで動く人なので、置いてかれないようにしたいなと常に思ってますね。

柴崎:あのー、楓がちょっと遅れててダッシュで向かってるので、置いてかないでください(笑)

全然大丈夫っすよ。高橋さんが自分の好きな人間と働きたいと言ってたことがすごく分かるし、それぞれが思い合って支え合ってる関係が素敵です。でも、それにしても漢って感じですね(笑)

高橋:男臭いですよねー。『ラムのラヴソング』なんか、部室みたいって言われてたこともありますし。

それも色気じゃないですかね。ちなみに正子さんはかなりの常連さんだったそうですが、お客さんで来てた時と実際に働いてからの時では、お店の見え方も変わりました?

正子:全然違いましたね。飲みに行ってる時は、あくまでも好きなお店として見てましたし、てっきりラフな感じでやってるのかなと思ってましたけど、みんな真面目だし、本気。そして、すごい熱量でスキルもある。これは、ガチやなと(笑)。その印象の差は、めちゃくちゃ感じました。グループ内で働いてますが好きなお店であることは変わりないので、今でも『ラムのラヴソング』には月2回くらいは行きますし、『MAKE ONE TWO』にもこの前行ってきましたね。

高見:『MAKE ONE TWO』は15時からやってるし、早めの時間帯にフラッと寄れるしね。

高橋:グループのお店だからわざわざ行く必要もないかもしれないけど、行かない理由もない。みんなそんな感じで、行き来してると思いますね。

会議的なものはよくしたりしてるんですか?

高橋:献身的にする必要はないと思ってたんですが、最近はやっぱり集まるのは大事だなと感じてます。特にテーマがなくても、集まることが重要かなと。でも、無意味な会議や生産性のないものはイヤ。何時間もやったり、喋らんやつがいたりとかね。ただ、課題は常に出てくるものなので、月1回はやるべきだなと思い始めてます。『MAKE ONE TWO』に関しては自浄能力が高くて、勝手に解決してくれる部分もありますが、『ラムのラヴソング』はまだまだ若手。先輩チームと話す機会を意識的に作るようにしてますね。

ってことは、現状のメンバーの各店の配置も意図的なんですね。

高橋:メンバーそれぞれが濃いから誰がトップを張ってもいいとは思ってますが、『ラムのラヴソング』に関しては柴崎がトップを張った方がいいんです。その方が、柴崎がしんどくなるから。柴崎を追い込むための配置ですね。

柴崎:はい、日々追い込まれながら突き進んでます。

追い込まれる環境があるのって、ありがたいですもんね。ちなみに『BLACK SHEEP』はオープンして3ヶ月が経ちましたが、どうですか?

高見:おもしろいですね。同じ天満でも、今までにはなかった流れもありますから。『ラムのラヴソング』は駅から離れた住宅街、『MAKE ONE TWO』はオフィス街で飲み屋ストリートでもないけど、ここは酒場のど真ん中。お客さんも含めてパワーを感じるから、僕らにもパワーがいるなと。その中でお客さんにも僕らのやりたいことを伝えながら、エゴも出していく必要があるし、かと言って出しすぎても難しい。絶妙なバランス感覚を持っておかないといけないですね。

高橋:来てよ来てよと言われると行きたくなくなるタイプなんで、その空気感も意識しつつお店は作りました。僕らの雰囲気を分かってる人は緊張感もないだろうけど、無理な人は無理でいい。OKな人はどうぞっていうスタンスですね。

だから、自然とノリや雰囲気の近いお客さんが集まってくるんでしょうね。松島さんは『BANQUET』時代からお店の展開を見てきたわけですが、『MAKE ONE TWO』をオープンした当時はどんな感じだったんですか?

松島:バタバタすぎてマジで記憶がないんですよ。とにかく怒涛だったし、朝8時から営業してましたからね。昼の15時くらいに冷蔵庫の中身を入れ替えて、そこから夜までぶっ通しのスタイル(笑)

高橋:僕は朝の営業に一回も顔出したことないんですが(笑)。まっちゃんたちが頑張ってくれました。

高見:今考えたら、やってることが色々早すぎるんですよね。コロナ禍で朝ごはんするお店が増えましたけど、朝昼の需要がフィーチャーされる前からやってましたから。ラム串で立ち呑みするっていうのもそう。

高橋:今いるメンバーの中では、まっちゃんとタカミーがコロナ禍での営業を経験してるしね。あの解散宣言が出かけた地獄のミーティングも。

高見:そうっすね(笑)

松島:裕基君は特殊清掃のバイトとか色々やろうとしてたし(笑)

高見:ちょうど『ラムのラヴソング』がオープンする直前の話ですよね。大変でしたけど、結果的にはバチっとうまくいった。

高橋:じゃ、5年後くらいにはこの界隈もさらにめちゃええ感じになってるかも。街の流れにもサイクルってのは絶対あるし、必ず僕らが描いてる感じにはなる気はしてるから。

高見:ですね。あっ、楓が来ました!(笑)

『ラムのラヴソング』の安永さん。

一同:おいおーい!!

安永:す、す、すみません!

今、みんな高橋さんの印象や働き始めた経緯を聞いてるとこでした。いきなりですが、安永さんはどうです?

安永:リーダーシップがあって、みんなを引っ張ってくれる人。はい、すごくいい人です。

高見:なんか軽いな(笑)

安永:えっ、そうですか(汗)

ちなみに働き始めたきっかけは?

安永:ずっとスノーボードをしてたんですが、やめて大阪に来てファミレスで働いてたんです。その時にスノボ関係の人を通じて知り合って、「ファミレスで働いてるなら、うちで働いた方がもっとおもしろいで!」と誘ってもらい、働き始めました。『ラムのラヴソング』にも全然行ったことなかったんですけどね(笑)。そんな感じです。

高橋:楓は男性メンバーの中では一番末っ子で、みんなに可愛がってもらってると思いますよ。

柴崎:でも、高見さんのことは怖がってます(笑)

高見:へー、怖がってるんやー(笑)

安永:はい、怖いです。

一同:なんでやねん!(笑)

僕がやりたいこともそうだし、スタッフのやりたいことを形にしてお店を出すのは、すごく健全。多分、その延長線上でちょっと振り向いた時に、成長してるなって思えるはず。
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Profile

高橋 裕基

天満の『ラムのラヴソング』、北浜の『MAKE ONE TWO』、そして今年の7月に新たなにオープンした『BALACK SHEEP』を運営するスコンクワークスの代表。ラムを軸にした立ち呑みスタイルの店舗展開で、各店ともにエリアを代表する大人気店としてたくさんのお客さんに愛されている。自身もプレイヤーとして『BLACK SHEEP』に立ち、接客からDJまで行いながら日々奮闘中。

ラムのラヴソング :Instagram(@ramusong)
MAKE ONE TWO :Instagram(@make_one_two)
黒羊羊肉串店 BLACK SHEEP :Instagram(@blk_sheep2)

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