遠回りの末にたどり着いた“誰も傷つけない笑い”。ハートフルなPodcastを届ける<愛凛冴>の、知るほどに噛み締めたくなる魅力。

「僕、反社じゃないですからね〜」と、コワモテの玲二によるお決まりのセリフに始まり、ロン毛の横山のコミカルなボケに、玲二がハイトーンボイスでツッコむ。そんな掛け合いが持ち味のお笑いコンビ・愛凛冴(ありさ)をご存知ですか?2023年の結成からわずか1年で、よしもと漫才劇場のメンバーに昇格。さらに、『M-1グランプリ』は2年連続準々決勝に進出するなど、ネクストブレイクが期待される実力派コンビです。2人は、エルフやフースーヤと同じNSC大阪校38期の芸歴10年目。愛凛冴を組むまでの8年間、売れていく同期を横目に焦りや葛藤を抱えながら芸人を続け、ようやく掴んだチャンス。苦しい時期が長かったからこそ、互いへの気遣いやリスペクトを忘れず、コンビとして歩み続けています。そんな2人がパーソナリティーを務めるラジオ番組『愛凛冴の電波調句(でんぱちぇっく)』(ラジオ関西Podcast)が、全13回のお試し期間を経てレギュラー化が決定し、2025年12月末に本格的にスタートしました。彼らのネタと同様、“誰も傷つけない笑い”をモットーに、普段から仲のいい2人ならではのハートフルなトークを展開しています。今回は、愛凛冴のラジオ収録にお邪魔して、レギュラー化が決まった心境やコンビ結成の経緯、今後の展望などを聞いてきました!
現在、玲二さんは体調不良のためしばらく休業中。最近の収録は横山さん1人で臨んでいるとのこと。コンビとしての活動が再開し、心温まる2人の掛け合いが聴ける日を楽しみにしています!
ラジオは自分たちが丸裸になって挑む、実力が試される場所。誰も傷つかない、優しいラジオを目指しています。

お2人がパーソナリティーを務めるラジオ番組『愛凛冴の電波調句』が昨年10月から13回限定でスタートし、12月末には見事レギュラー化が決定しました。最初にラジオが始まると聞いた時、どんな風に思いましたか?
玲二:他の方のラジオにゲストで呼んでいただく機会はあったのですが、コンビとしてラジオをするのは初めてだったので、最初に聞いた時はびっくりしました。でも自分らのラジオができんねやってめっちゃ嬉しかったです。
自主ラジオなども特にやってなかったですもんね。
玲二:やってなかったですね。それはやらんとこうって2人で決めてました。
横山:知らんやつが知らん話をしてる、みたいなのが僕は全然好きじゃなくて。前のコンビの時にやってたこともあるけど、何者にもなれてない自分たちの罪悪感を消すための惰性のラジオだったので、またそれをやるのは違うなと。だからお仕事としてオファーをいただけて、すごく嬉しかったですね。

ラジオ関西さんは、どうして愛凛冴さんにお声掛けをしたんですか?
守山P:うちで『Clip!』をという番組を担当している、はるかぜに告ぐさんの裏単独ライブに行った時、ゲストで出演していた愛凛冴さんがすごく面白くて。それを作家のバンク北川さんに伝えたところ、「僕も気になっていました」と盛り上がったんです。
バンク北川:M-1の3回戦のネタ動画を観て、面白いコンビがいるぞと思ったんですが、調べてみてもあまり情報が出てこなくて。彼らがラジオを始めたら、どんなことを喋るんだろうと気になったんです。ちょうどラジオ関西さんで3ヶ月限定のチャレンジ枠の番組企画を募集していて、「ラジオを聴く術がないなら自分で作ろう」と、守山さんと相談しながら企画を出しました。
始まった当初、2人はラジオの仕事をした経験がほぼなかったんですよね。初回収録の際、お2人はどんな気持ちで挑みましたか?
横山:めっちゃくちゃ緊張しました。一緒に番組を作る皆さんのことも知らない中で、どうやって喋ったらええんやろうと。収録を重ねて今はワンチームになりましたけど、最初はどうしようかと思いました。まずは、自分のキャラクターを知ってもらわんとあかんから、それを意識してガチガチになっていましたね。
玲二:初回の収録も、特に内容を決めずに録りました。僕らのやりたいようにと委ねてくださって。
横山:台本も用意はしてくれてたけど、いけるところまでフリートークでいっちゃってくださいと。
レギュラー化が決まった時はどんな心境でしたか?
玲二:レギュラーのラジオ番組を持つのが1つの夢やったので、夢って叶うんやと思いました。ネタや衣装、劇場の雰囲気をまとって武装してる舞台と違って、丸裸で挑むのがラジオやと思ってて。だからこそ1番実力が見える場やし、毎回それを試されている気がします。

お試し期間から合わせると、もう20回以上配信されていますが、収録の緊張感はいかがですか?
横山:もちろんまだ緊張感はありますが、緊張しているようじゃあかんぞとも思いますね。緊張してしまうと、自分たちの色がなかなか出せないんですよ。直前まで普通にお喋りして、「はいじゃあどうぞ」で収録をスタートするのが、1番僕ららしさが出るんじゃないのかなと思います。
なるべく日常の延長で話すことを意識されていると。
横山:そうですね。緊張感も多少は必要やと思うけど、なるべく自然体で喋りたいです。
玲二:僕はギアを入れるタイミングを普段と変えてますね。ライブに出る時は、現場に着いて今から始まるぞってところで入れるけど、ラジオの収録日は家を出た瞬間から切り替えています。
横山:だいぶ手前から入れてるんやな。
玲二:収録前の雰囲気とかも大事やったりするからな。僕は今日の収録(※26年1月30日)が初めてリラックスしてできたかもしれません。今日が20回目の収録だったんですけど、これまでの反省もいろいろ踏まえて、いつもより力を抜いて喋れたかなって思います。
ラジオは昔から聴いたりしてました?
横山:僕は5、6年前、芸人になってから聴き始めました。『霜降り明星のオールナイトニッポン0』(ニッポン放送)でめっちゃ面白い回があって、そこからラジオが好きになりました。今でも霜降りさんのラジオは大体聴いてますね。いつも元気をもらってます。
玲二:僕も芸人になってからですね。親がダウンタウンさんをめっちゃ好きで、『松本人志の放送室』(TOKYO FM)は全部聴きました。松本さんから入って、今はケンドーコバヤシさんのラジオも移動中に聴いています。
ちなみに自分たちのラジオの聴き直しはしてますか?
横山:もちろん。でもこの回あかんかったなって思う回は、どうしても聴けないですね。
おすすめ回はあるんですか?
玲二:#5「カバオとギャルマネ」ですね(即答)。
横山:もうそれええって。玲二がマネージャーの高須さんとアンパンマンミュージアムに行く回な。でもなまじ人気のある回なので、なんとも言えないんですよね。
私も何回か聴きました。
玲二:気に入ってくれてるって、(高須マネの方を向いて)良かったなあ。僕はマネージャーの手の上で転がしてもらってるんでね。
横山:僕は#12「反車男」かな。東京で玲二と一緒にカレーを食べて、相部屋で寝てっていう話をする回なんですけど、なんか気に入ってるんですよね。たぶん喋ってて楽しかったからやと思います。


愛凛冴さんのラジオは、マダム層からもお便りが届きますが、普段ライブを観に来ているお客さんも幅広いんですか?
玲二:かなり幅広いですね。女子高生からマダムまで。
横山:大阪桐蔭のラグビー部も来ますしね。めっちゃガタイいいんですよ。
玲二:「初めてライブ来ました。押忍」とか手売りの時に言われてな。
ファン層自体が幅広いから、ラジオもいろんな人が聴いてるんですね。
玲二:そうですね。ラジオが始まって、お客さんはめっちゃ増えました。
毎回こんなこと喋ろうっていうのは、大体決めてからスタートしてますか?
玲二:それはないですね。一応最近のトピックをまとめてくださっているので、その中から選んで喋ってもいいし、自分らで好きなことを喋ってもいいしという感じで。
横山:まだ全然上手くできてないけど。まだまだ勉強って感じです。
玲二:いつも楽しみにして収録に来るんですけど、大体肩を落として帰ってます。何もできひんかったなぁと。

普段生活をする中で、これはラジオで喋ろうって考えながら過ごしてますか?
玲二:ラジオが始まる前から、何かあったら「これはヨコ(横山)に話そう」って考えながら生活していて。今もそれをやってますね。
横山:そう考えると変わってないな。
玲二:でも、最近はラジオがあるからあんまり喋りすぎないように気を付けていて。僕ら、時間があったら2人でずっと喋ってまうんですよ。そしたらラジオで喋る話がなくなるじゃないですか。だから普段はちょっと距離を取って、ラジオでできる話は置いとくようにしています。
横山:いつもはラジオで喋られへんような話だけするようにしてるな。
玲二:必然的にアクの強い話ばっかりになりますね。喋らんように意味わからん絡みだけするとか。#19「マスカレード・キムタク」で、ヨコがおさむ師匠に平安神宮へ連れて行ってもらった話をしてたんですけど、ほんまは帰ってきてすぐ僕に喋ってくれてて。そういう話こそラジオに置いとくやつやろって同期にツッコまれてました。
横山:確かにな(笑)
玲二:僕は同じ話を何回も聞けるので、全然いいんですけど。
普段から仲がいいのも大変な部分があるんですね。愛凛冴さんのネタってすごくポップで、誰かが嫌な気持ちになることを言わないじゃないですか。それはラジオにおいても共通していますか?
横山:ラジオでも気を付けています。今日の収録でも玲二が神社に3つ行ったっていう話をしていて、「神社ヤリチンやないか」って言おうとしてやめましたもん。僕らのラジオにしてはグロいかなと思って。……いや、こんなこと言っていいんかな?
玲二:(笑)。気を付けてるけど言いそうになるっていうのでええんちゃう?

ネタとは違う、ラジオだけの心掛けってあったりしますか?
横山:周りの芸人の話とかはあんまりしないですね。するにしても固有名詞を出さず、同期が〜、先輩が〜って言い換えています。あんまり身内すぎる話をするのもどうなのかなって思ってて。
玲二:僕らの周りにいる芸人を全然知らない方も多いと思うし、勝手に出したら申し訳ない気持ちもあって。普通にラジオを聴いてる時、知らん人の話が出ると、僕自身もその人知らんなぁって思っちゃうんです。それこそ東京で仕事をする時に、「大阪の芸人の●●が〜」っていう話をしても、よっぽど面白くない限り、「誰やねんそれ」で終わるじゃないですか。そこに通ずる部分もあるのかなと思って、固有名詞はあえてぼんやりさせてますね。

これからやってみたい企画ってあったりしますか?
横山:こんな企画やってみたいって考えるよりは、思いついた時に気分でやればいいのかなって。#16「夜は短し歩けよロン毛」で、僕が1人で京都に遊びに行った話をしたんですけど、それもスタッフさんに予告せずに行ったら盛り上がるかなっていう気持ちもあって。だから、提案いただいた企画で良さそうなものがあれば取り入れていくし、僕らもサプライズ的な感じで仕掛けていきたいなと思います。サービス精神を持って取り組めば、もっと楽しいラジオにできるんちゃうかなって。
京都のお話めっちゃ面白かったです。
横山:ラジオで喋れるなって思うから、前よりフットワークが軽くなってるかもしれないですね。別に面白いことがなくても、話のネタになりますし。ラジオがあるってありがたいですね。




愛凛冴の電波調句
“誰も傷つけない笑い”をモットーにするお笑いコンビ・愛凛冴による、芸人界一平和なPodcast。「優しさが身に沁みる」との声も多数でマダム層にも評判!コワモテな玲二とロン毛の横山が展開するハートフルなトークを要調句(チェック)!ラジオ関西Podcastにて毎週水曜23時頃配信。
X: @ari_denpacheck
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