ジャパンヴィンテージの魅力を伝える大阪・枚方の古道具とコーヒーのお店『ダーマトグラフ』で聞いた、知るほどに奥深い木彫り熊のロマン。


3年ほど前から、木彫りの熊の製作も始めました。いらなくなった熊を蘇らせる「Re彫り」の活動もおすすめです。

今日のお話を通して、木彫りの熊をより魅力的に感じられるようになりました。ここまで来ると、自分で熊を彫ってしまいそうですね。

東真:実は3年ほど前から木彫りの熊を作り始めました。

そうなんですね!作ったものを見せていただくことはできますか?

東真:もちろん。これらは僕が角材から彫った熊になります。

手先が器用なんですね。めちゃくちゃすてきです!

東真:この子は昨年のホワイトデーに奥さんにプレゼントした熊です。バレンタイン前に「ホワイトデーはこんな感じでよろしく!」とプリントアウトされたコピー用紙を渡されまして、そこに奥さんがほしい熊を色んな方向から撮影した写真が載っていたんです。それを参考にしつつ、仕事の合間に少しずつ彫って出来上がったのがこちらです。素材は八雲町の木の角材を使っています。

有加里:表情やサイズ感、木の雰囲気、毛彫りのニュアンスもかわいくて。主人は思っていた以上に手先が器用みたいです。木の年輪を生かして彫った熊も個性的ですてきだと思います。

お店にアトリエがあるんですか?

東真:店のストックルームに仕事部屋と熊の製作スペースを設けていて。作業する時はそこで作っています。

特別に東真さんの製作スペースを見せていただきました。
今はこんな熊を彫っているところだそう。

いずれは販売や作家活動を考えてらっしゃるとか?

東真:僕は好きな作家さんの真似をしているに過ぎないので、販売するなんて全然。ただ、ここから自分らしさを追求して、オリジナルの境地まで持っていくことができればと思っています。まずは色んな熊を楽しく作りたいですね。僕らは3年ほど前から、お土産品に多い機械彫りの熊などを集めて、完成品からさらに彫り進める「Re彫り」の取り組みを推奨しています。いらなくなった熊を生まれ変わらせて、もう1度お茶の間に飾ってほしい。そんな思いから始めたアップサイクルプロジェクトです。

「Re彫り」の取り組みで製作された熊。写真左の右の熊はくわえている鮭を削ってアレンジ。

有加里:いらなくなった熊と彫刻刀があれば手軽に挑戦できるので、ぜひやってみてください。以前、うちで「Re彫り」のワークショップを開催したこともあって、結構人気ですぐに埋まっちゃったんですよ。今年は11月にお店の6周年イベントを計画中なので、そこでワークショップの機会を設けるかもしれません。

東真:最初は、好きな作家さんの作品を参考にするといいですよ。僕らはおなかの黒塗りをあえて残しておくことで、「Re彫り」であることが明確にわかるよう、もとの作り手の証を残すようにしています。

「Re彫り」のワークショップ、私もやってみたいです。最後に今後のお店の展望を教えてください。

東真:今と変わらずジャパンヴィンテージの魅力を伝えていきたいです。日本のプロダクトは素晴らしいんだと、もっと誇りを持ってもらいたい。そのためにも自分たちの知識を深めて、自信を持って勧めたいなと思います。

有加里:うちは喫茶スペースを併設しているので、どのアイテムを買うか迷ったら甘いいものを食べて美味しいコーヒーでひと息つくのはいかがでしょうか。関西で木彫り熊に力を入れているお店はあまりないと思うので、熊好きの聖地として、同じ趣味を持った人が交流を深める場所になっていけば嬉しいなぁと思っています。

風味豊かなクラフトコーラ550円、口当たりのなめらかなチーズケーキ450円。喫茶メニューは全て有加里さんの手作り。
開放感たっぷりのテラス席。お店には懐かしいテーブルゲームもたくさん置いていて、最近はここで麻雀ができるように準備もされているようです!
店内にいたかわいい熊たち。この日ライターも気に入った熊を1体お迎えしました。また行きたくてうずうずしています……!

<正岡さん夫婦のお気に入りスポット>

木彫り熊と本の店 kodamado(北海道二海郡八雲町)
お話の中にも出てきた八雲町のお店。熊好きが集まる聖地で、私たちも八雲町に行くたび足を運びます。『ダーマトグラフ』では、『kodamado』さんのオリジナル熊グッズの取り扱いもありますよ!


<INFORMATION>

DERMATOGRAPH  6周年イベント

日程: 11月1日(金)〜10 日(日) ※5日(火)〜7日(木)は休み
場所: ダーマトフラフ(大阪府枚方市星丘4-16-29-1)

今年100周年を迎えた木彫り熊の生誕をお祝いすべく、『ダーマトグラフ』でも熊をテーマにしたイベントをお店の6周年に合わせて開催。さまざまなイベントを開催する予定!

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Profile

(左)正岡東真、(右)正岡有加里

東真さんはムービーの撮影・編集をしつつ、古道具のバイヤーや空間スタイリングを担当。有加里さんはスチールカメラマン、グラフィックデザイナーとして活動。1960〜90年代のジャパンヴィンテージを主にデッドストックにこだわってセレクトするショップ『ダーマトグラフ』を運営。関西きっての木彫りの熊ラバー。

SHOP DATA

DERMATOGRAPH (ダーマトグラフ)

大阪府枚方市星丘4-16-29-1
11:00〜18:00 (日祝13:00〜)
不定休

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