リュックにやぐらを詰め込んで、どこへでも!稀代の盆踊りラバー中西祐紀子さんを突き動かすのは、「盆踊りが好き!」というまっすぐな想い。


今年は奈良の十津川の盆踊りに行こうと思っていて。十津川は、扇を持ちながら踊るんです。扇を2つ手に持って踊るのが、めっちゃきらびやかなんですよ。

ここ1年くらいは、すごくいろんなイベントで『毎日どこかがダンスホール』を見かけます。

気付いたら、毎週盆踊りしてるみたいな感じになってました。この前も、中之島公園で「盆ぴく(盆踊りピクニック)」をしたんですけど、それは珍しく主催イベントで。普段はあんまり自分からぐいぐい行くというより、「呼んでくれはったら行きます」みたいな感じなんです。

でも盆踊り界隈で、盆踊りの魅力をこんなに外に向けてアピールしてきた人は、なかなかいなかったんじゃないかなと思うんですが。

たしかに。わざわざやぐらを担いでる人はいないですよね(笑)。でも、友達を誘って盆踊りに行ってる人とか、盆踊りが好きで取材されてる人とか、盆踊りのzineを作ってる人とか、そういう人はわりといます。私はたまたま演劇系の友達がいて、そういう人たちが面白がってくれたから、違うジャンルにやぐらを担いで盆踊りを届けに行けたっていうのはあるかもしれないです。

ポータブルやぐらがすっぽり収まる愛用のリュック。「ネットで買ったんですけど、想像以上にぴったりサイズで、ポケットもついてて、めっちゃ便利です」

なるほど、いわゆる盆踊り界隈じゃないところに。

私のモチベーションはそこなんです、界隈じゃないところに行くみたいな。面白いから、みんな気付いて!っていう感じで。

イベントでやぐらを建てたら、みんな踊ってくれますか?

踊ってくれますね。そういうのを楽しむのが上手な人が来てくれるイベントが多いからだと思うんですけど、音楽系のイベントとか、親子連れが来るマルシェとか、そういうところでもみんな踊ってくれます。遠くで見てる人もいますけど、それはそれで楽しみ方かなって思います。

いま気になっている盆踊りってありますか?

今年は奈良の十津川の盆踊りに行こうと思っていて。十津川は、扇を持ちながら踊るんです。扇を2つ手に持って踊るのが、めっちゃきらびやかなんですよ。昨年も行ったんですけど、台風で本格開催じゃなかったので、今年こそはしっかり踊りたいなと思って。

そういえば昨年は、岐阜県の郡上踊りにも行ってたんですよね?郡上踊りはどうでした?

昨年が4目だったんですけど、初めて夜通し踊ったんですよ。20時くらいから翌朝5時くらいまであって、1回目は最初から踊り始めて途中で力尽きて、2回目は23時くらいから朝まで、昨年は20時から最後まで踊りました。

一晩中ずっと踊り続けるんですか?

いや、喫茶店とかも開いてるので、休憩しながら。昨年は車で行ったので、郡上踊りから白鳥踊りにも行って。同じ郡上市内なんですけど、地区が違うと踊りも違うんですよ。

郡上踊りのほかに、白鳥踊りっていうのもあるんですか?

白鳥踊りの特徴は、すごく早いんです。ほぼ、みんな走ってるぐらい。

早いんですか?盆踊りってゆったりしたイメージですけど。

白鳥踊りの中でも特に早い曲があって。でもみんな踊っててかっこいいんです、若い子もけっこう多くて。大阪市内や私の地元は、高校生とかはあまり見ないんですよ。でも白鳥は中高生みたいな子がたくさん来てて。踊れるのがかっこいい、みたいな感じなのかもしれません。崩してるのにちゃんと踊れてて、基礎がちゃんとできてるからこそ、軽く流してる感じで。すごいかっこよかったですね。

中高生ががっつり踊るのはかっこいいですね!2012年から見て来て、盆踊りシーンってなにか変化はありました?例えば、若者が増えたみたいなのとかって。

若者は増えてるんだと思います。東京だったらカルチャーみたいな感じで盆踊りDJとかポップスで踊るみたいなのもありますし、イベント的にブームになってる感じはします。愛知県のほうでは、20代とか30代の人たちとかが盛り上がってるようなイメージがあります。

先日の『森・道・市場』でもやってたみたいです。ちょっとずつ盆踊りブームが来てるのかもしれないですね。ちなみに、今までで一番印象に残っている盆踊りってありますか?

自分が踊る側として行ったほうで印象に残ってるのは、地元の盆踊りですかね。最近は予算の都合で呼ばなくなってしまったんですけど、めっちゃ小さい会場なのに、毎年音頭取りさんが来てたんですよ。そういうものだと思ってたんですね。文化的にもなんか面白いなって。

生音で踊るのが当たり前だったんですね。イベントとして実施したほうでは?

X(旧Twitter)で知り合って友達になった愛媛の人のつながりで、愛媛の今治の古本喫茶みたいなところでイベントさせてもらったのは面白かったです。

そこでは大阪の曲をかけるんですか?

大阪の曲と、ポップスと。それと、愛媛で新しくできた音頭があったんですよ。「今治みなと音頭」っていうんですけど、それを作詞作曲した山中カメラさんが来てくれはって、YouTubeの教則動画を見ながらみんなで踊って。その土地の曲も踊れたのが楽しかったですね。

今年の夏も、もちろん盆踊りはいっぱい行くんですよね?

それこそ毎日行きたいですね。Tシャツも着て、今年はいつもより気合入れていってみようと思ってます。踊ったことない人も一緒に行けたらいいなと思って。

たしかに、全然知らずに行くと、踊っていいのかわからないところもありますから、誰かと一緒に行けるのは心強いです。

最初に踊りの輪に入るの、緊張しますよね。入ったら入ったで大丈夫なので。踊りアテンド?盆踊りコンシェルジュ?とかそういう感じで、この日私はここに行くので、来たい人は来てください!って、みんなで行けたら面白いなって。

そのときは、『毎日どこかがダンスホール』のTシャツを着ている人を探せばいいんですね?

そうそう、たこ焼きの屋台の前とかで待ち合わせしたいですね(笑)


<中西祐紀子さんのお気に入りスポット>

空堀商店街(大阪市中央区谷町6)
塩干屋さんでよくじゃこを買ってます。谷六とか空堀は、大学時代に「からほりまちアート」というイベントをお手伝いしてから縁のあるまち。友達がたくさんいて、商店街を歩くたびに誰かに会います。地元じゃないのに、コミュニティがあるっていうのは嬉しいことやなって感じます。

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Profile

中西 祐紀子(なかにし ゆきこ)

大阪府寝屋川市出身。2012年に盆踊りにハマり、各地の盆踊りを行脚。盆踊りの楽しさを伝えるべく2018年より『毎日どこかがダンスホール』の活動をスタート、ポータブルやぐらを担いで、さまざまなイベントで出張盆踊りを開催。「ひと夏最高25夜」を踊った盆踊りマニアとしてテレビの密着取材を受けたことも。今夏もさまざまな盆踊り会場に足を運ぶほか、イベント出展も多数予定。詳細はInstagramから。

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