南船場のパワースポット、スナック『よすか』の高橋愛さんが持ついろんな顔と、繋いでいきたい大切なご縁。
自分から動くとたくさんの出会いが生まれる。『よすか』を軸にいろんな活動をしながら、全国各地で出張スナックもしたいなって。
愛さんは『よすか』のママとしての顔以外にも、いろんな活動をされてますよね?東京のギャラリーでスナックしたり、アパレルブランドのサポートをしたり。
『よすか』がメインですが、『ぎをんせくめと』には週に1〜2回お手伝いに行って大ママと一緒にカウンターに立ってます。東京へは、八丁堀にあるギャラリー『CENTER』で開催される展示会のオープニングイベントなどで、出張スナックをしてるんです。オーナーの方が知り合いで、「バーカウンターもあるから何かやってみる?」って感じで声をかけてもらったので。
フットワークめちゃ軽いですよね、愛さん。
ご縁を大切にしたいのもありますし、動いてるといろんな出会いが生まれるから楽しいんですよ。アパレルブランドさんのサポートで言うと、『Arobe』さんでは受注会や展示会のお手伝いで接客したり、お酒をご提供したりしてますし、浴衣ブランドの『月影屋』さんではポップアップのお手伝いや浴衣のイベントを一緒に企画したりもしてます。
サポートしてるアパレルブランドも、洋と和があるのも愛さんらしいですね。
『Arobe』さんはワンピースやドレスがすごく可愛くて、お手伝いする時は私もドレッシーな感じです。一方、『月影屋』さんは個性的で素敵なデザインが揃ってるので、浴衣を着こなす楽しみを知ってもらえたらなと。着付けも簡単にできるから女性はもちろん、男性にも着てほしいですね。
接客もコーディネートも、アパレル時代の経験が活きてるわけですね!話を聞いてると本当に活動的ですし、仕事柄お酒もよく飲まれると思うんですが、愛さん自身のリフレッシュ術って何かあるんですか?
お酒……、そんなに強くはないんですが、好きだからついつい飲んじゃいますね。リフレッシュ術ですか〜、ゆっくりお風呂に入ること以外で言うと、インド舞踊とか。
インド舞踊??
オリッシーというインドに伝わる古典舞踊で、20代の頃から続けてるんです。
どこで出会ったんですか?
インドへ旅行に行った時に、タブラという太鼓のような打楽器を買ったんです。帰国後に先生も探して教えてもらってたんですが、座って叩くのが自分の性格的にも合わないなと思って(笑)。結局タブラは断念しました。でも、たまたま知り合いのお店で、インドでも活躍されてる小野雅子さんの舞踊を見たんです。それが、インドの古典舞踊のオリッシー。私もこれがやりたい!と直感的に思ったので、そこから先生を探して習い始め、今日まで続けてます。
座ったまま叩く打楽器よりも、全身を使って踊る方がハマったんですね。そのオリッシーって、どんな踊りなんですか?
オリッシーは、インド映画とかで観る踊りのもっと古典版で、ヒンドゥー教の神様に捧げる踊りです。上半身は柔らかにうねるような曲線を描くんですが、その一方で足は複雑なステップを刻みます。そして手を使っていろんなものを表現したり、首や目、眉を細かく動かすなど、全身を使うのが特徴ですね。
手の動きにも1つ1つ意味があるんですね!
まるで手話のように手や指の形でいろんなものや感情を表現して、そこに顔の表情の変化を加えることで、物語を作っていく感じです。
そこまで手や指の動きにこだわってる舞踊だと、お仕事する上での所作にも役立ってそうな気がします。
しなやかさとか、確かに所作はキレイになってるかもですね。
あとは立ち姿も!インド舞踊の話を聞いたからか、なんと言うか神秘的な雰囲気もあるなと。愛さん自身の、理想の女性像の話も聞きたいです。
パワースポットみたいな存在ですかね。いつも健やかでいたいし、穏やかでいたい。アートや歴史も好きなのでもっと勉強したいし、大阪にも様々な文脈があるからもっと知りたい。自分が興味を持ったことを学び、どんどん吸収して、私自身がパワースポットになれればなぁって思うんです。
会うと元気になるだけじゃなくて、物事を知れたり、出会いを介在するような感じですね。それこそ『よすか』がそうですし、愛さん自身もご縁を生み出す存在なのかなと。オープン2周年を迎え、これからもたくさんのご縁が生まれる場所になっていくと思いますが、『よすか』としてチャレンジしたいことは何かありますか?
いろんなお客様が集まる場所にしたいので、イベントはもっと増やしていきたいと思ってます。着物とか浴衣とかドレスコードのある企画もしたいし、お店の中だけにこだわらず、どんどん外にも出ていきたいですね。地方にはおもしろい人がたくさんいますし、出張スナックとかもやっていきたい。その土地ならではの伝統工芸、歴史もあるので、私自身も新しい世界を知るきっかけになれば。
着物や浴衣のドレスコードは粋だし、いいですね!出張スナックは、目指せ、47都道府県制覇じゃないですか!?
それ目指したい!(笑)
めちゃ楽しそうですよね。いろんなご縁を繋いできた愛さんだからこそ、できることかなと。『よすか』はスナックと銘打ちつつも、感じ方は人それぞれだと言ってましたが、愛さんにとって人の集まる場所とは?
集まるお客様の肩書き、立場は皆さんそれぞれありますが、そこを超えてフラットな状態でいれる場所。立場や肩書きではなく、人と人で繋がれる場所。もちろんお仕事の接待などでご利用される方もいるので、全てがそうだとは言えないですが、私としても『よすか』としても、利害関係なんてナシのフラットな状態でお客様が楽しめる場所にしていきたい。そこで新しいコミュニケーションが生まれ、時間とともに関係性も育まれていくことで、ご縁というものが目に見えるカタチになっていくのかなと思ってます。
<高橋愛さんのお気に入りのお店>
かね正(京都市東山区常磐町)
京都に移住する前からちょくちょく行ってて、初めて食べた時は衝撃の美味しさでした。以来、うなぎを食べたくなったら必ずココ!白焼きも絶品です。
しばし(京都市左京区岡崎)
古い町家を改装し、イベントやワークショップなどが開催される時にだけオープンする完全予約制の空間。音響も素晴らしくて、本当にかっこいいんです。
高橋 愛
岩手県出身。大学を卒業後、人と関わる仕事を経てアパレル業界に転職。コレクションブランドの<ato>、ヌードトランプの系列店『ヒプノティク』、PR会社で研鑽を積む。また、出会いや繋がりを増やすために銀座のラウンジでも働く。2016年4月に『ぎをんせくめと』のオープンを機に、京都へ移住。持ち前の好奇心旺盛な性格と、やりたいことを実現していくスタイルでいくつものご縁を重ね、2022年4月に自身のお店『よすか』を大阪・南船場にオープン。アパレルブランド『Arobe』や浴衣ブランド『月影屋』のサポートも行い、東京・八丁堀のギャラリー『CENTER』でもイベントに合わせて出張スナックを行う。
よすか
住所:大阪市中央区南船場4-10-22 船場裏路地 2F
営業:20:00〜夜更け
休み:不定休
※紹介制