ヤンキーたちのアツすぎる青春を描いた人気漫画『OUT』が、品川ヒロシ監督によって実写映画化!出演する倉悠貴さん、水上恒司さんに、作品への想いや見どころ&大阪にまつわるエピソードをインタビュー!
累計650万部超える大人気コミック『OUT』は、伝説の超不良・井口達也が少年院を出所したその後の人生を描く実録青春ストーリー。映画「ドロップ」(09)で大ヒットを打ち出した品川ヒロシ監督によって実写映画化され、いよいよ11月17日(金)に公開を迎えます。今回は、この物語の主人公である「狛江の狂犬」と恐れられた伝説のヤンキー・井口達也を演じる倉悠貴さんと、達也と不思議な絆で結ばれる暴走族「斬人(キリヒト)」副総長・安倍要役の水上恒司さんにインタビュー。作品への想いや見どころと共に、倉さんが大阪のご出身、水上さんがドラマ撮影のため大阪に滞在中とのことで、大阪にまつわるエピソードもお聞きしました!
(役へのアプローチは?) アングラな世界で生きているからこその弱さや繊細さとか、そういう部分には近付けるかなと思って。(倉) 金髪とか体とか、まず見た目をどうするかというのは、役者にとってすごく当たり前のこと。(水上)
最初に、この映画のオファーが来た時のお気持ちから教えてください。
倉:まさかヤンキー映画が僕のところに来るとは!って思いましたね。見てのとおり、あまりヤンキーっぽさがないので、すごく驚きました。あと、前作の映画「ドロップ」という作品があって、そこから『OUT』という人気漫画につながっているので、プレッシャーを感じる部分も正直ありました。
確かに、倉さんにヤンキー役というのは意外でした。
水上:倉自身には、こういうオラオラした時期はなかったの?
倉:オラオラはなかったかな。でも関西弁の倉と標準語の倉は違ってて、関西弁の倉の時は、ちょっとぐらいはあったかもしれない。水上はないよね?
水上:僕は、学生時代は野球もやってたし、地味に生徒会とかやらされてたから、校則を破るとかは全然なかった。制服のシャツが出てて、「恒司、シャツはぁ!?」って怒られるみたいな、かわいい校則違反ぐらいで。なかなかアウトのほうにいけない青春だったので、この映画でなんか青春を取り戻せるなって感じでした。
お2人とも馴染みのないヤンキー役ということですが、どのように役にアプローチされましたか?
倉:ヤンキーですけど、でも人間なので共通する部分は少なからずあります。今回の場合も、怒りや我慢だったり、家族や仲間を守りたい気持ちだったりっていうのは僕も持ち合わせているので、そこを役に近付けるというか、自分の中からふくらませて。井口達也という役も、僕が演じるから僕に寄ってくるし、そこでいいところに着地させるっていう感じです。
ご自身の持っている部分、共通する部分を活かしながら。
倉:そうですね。今回の役で言うと心の葛藤とか、アングラな世界で生きているからこその弱さや繊細さとか、そういう部分には近付けるかなと思って。そこはすごく、僕が演じるからには大切にしたいという気持ちがありました。
水上:いま倉くんが言った通り、倉くんが演じる井口達也、それが全てなんですね。倉くんが演じたことですごく人情味にあふれた井口達也になっていて、そんな井口達也だからこそ僕が演じた安倍要も絆を感じるし、冷徹な総長も人間味を帯びて来るし、非道な半グレ集団「爆羅漢(バクラカン)」に対して怒りを覚えるというのが成立すると思っています。
漫画の実写化にはキャラクターについていろいろな意見もありますが、倉さんが井口達也を演じるからこその『OUT』になっているんですね。水上さんはそれこそ金髪にして体も鍛えておられましたが、役にはどのように向き合われましたか?
水上:金髪とか体とか、まず見た目をどうするかというのは、役者にとってすごく当たり前のことで。それよりも意識したのは、要がまわりと違うベクトルを持っているというか、自分なりの正しさを持っているが故に、そこに達也が刺激されていくっていうところ。僕はそこをすごく大事に作っていきました。
外見は当然として、内面の部分からなんですね。ちなみに、素に近い役と遠い役では、どちらが演じやすいですか?
倉:それはもう近いほうが演じやすいですけど、でも与えていただいた役に向かうのが仕事なので、演じやすい演じにくいではないというか。こういう役もやらせてもらえるというのが役者冥利に尽きますし、すごく幸運なことだと思っているので、今回の役も楽しんで演じられました。
水上:すごい、主演らしいなあ。
倉:あれ、ちょっと偉そうでした?すみません。
倉 悠貴
1999年12月19日生まれ。大阪府出身。
学生時代に地元の大阪でスカウトされ、その年のドラマで俳優デビュー。『夏、至るころ』(20)『うみべの女の子』(21)『窓辺にて』(22)など出演作多数。NHK連続テレビ小説「おちょやん」(21)では主人公の弟役を演じ、大きな話題を呼んだ。2023年は、ドラマ「犬と屑」(23)では地上波ドラマ単独初出演を果たし、映画『禁じられた遊び』『こいびとのみつけかた』が公開中。
水上 恒司
1999年5月12日生まれ。福岡県出身。
2018年、ドラマ「中学聖日記」で俳優デビュー。主な出演作は、NHK大河ドラマ「青天を衝け」(21)、「うちの娘は、彼氏が出来ない!!」(21)、「管理官キング」(22)、「真夏のシンデレラ」(23)、映画『望み』(20)、『そして、バトンは渡された』(21)、『死刑にいたる病』(22)など他多数出演。2022年9月より水上恒司として活動開始。2023年後期NHK連続テレビ小説「ブギウギ」に村山愛助役で出演。