おいしいおかき、楽しいグッズ。『BYTEN』のENZOさんがカタチにしたギフトショップは、人の縁を繋いでいく始まりの場所。


俺の顔、世界のどこでも通用するやん(笑)。そう思えたフランスでの洗礼が、世界を広げてくれた。

『BYTEN』はENZOさん自身の想いと、いろんな体験から生まれたお店だと思うんですが、そのルーツ的な部分を辿っていけたらと。生まれは大阪ですよね?

地元が堀江で、大阪時代はめちゃ平穏に過ごしてましたよ(笑)

でも、いろいろしてたでしょ?カジカジのモデルとか。

そうですね、カジカジのモデルをさせてもらったり、高校卒業してからは実家の手伝いしたり、コーヒー屋で働いたり。その後、某アパレルメーカーがアメリカのブランドを展開する際に、英語がしゃべれてVMDできる人間を探してるってことで、東京に行くことになりました。おかんがアパレル店舗のディスプレイをするVMDの仕事をしてたので、その縁もあってね。結局そのブランドは1年半くらいで撤退することになったんですが、現地の担当者に僕も辞めることになるって電話してたら「じゃ、LAに来ない?」って話が舞い込んできたんです。こんなチャンスはないし、絶対行くしかないなと。

大阪時代の平穏さが嘘みたいな、怒涛感。

LAはほんまに楽しかった。最初はセレクトショップ『RTH』でアパレル店員してたんですけど、ウエストハリウッドの超一等地にあって、客層がマジですごい。エリカ・バドゥとか普通に来てたし、めちゃオシャレやったなぁ。それからは、某アパレルメーカーの海外担当として現地法人で働きつつ、コロナ禍になって人生変わってという感じで。

ENZOさんが抱えてるオブジェは、おじいちゃん作のもの。

がっつりアパレル畑やったんですね。何となくのイメージですが、ENZOさんとLAのライフスタイルはマッチしてそう。

めちゃマッチしてましたね。その分、怖い経験もありましたけど(笑)。LAに住み出して1年間くらいは車がなくてバス生活やったんですが、完全にイッテるヤツや激臭のヤツとか普通におってね。LAのバスはICOCAみたいなタップカードで乗るんやけど、乗った瞬間に「お前、俺のタップカード奪ったやろ!!」って絡まれて(笑)。そっからずっとガン見されてたから、さっさと降りて逃げようと思ってたんですが、そいつも一緒の停留所で降りて来て「俺のミックステープを5ドルで買えや!」とかましてくるんですよ。まぁ結局、バスの運賃なくてせびってきたことが分かったから、速攻で逃げましたけど(笑)

改めて平和な日本を痛感します(笑)

いろんな人種の人がいますからね。でも、友だちからスバルのインプレッサをもらって車生活になってからは、ほんまに快適で楽しかった。渋滞も多いけど、好きなラジオやJAZZを聴いてる移動時間はリラックスできるし、行動範囲もグッと広がったし。LAの人って、意外と自分の行動範囲は局地的なんですよ。でも、僕はよそ者で動きまくってたから、エリアごとのうまい店を全部知ることができてね。日本の友だちもかなり来ましたけど、みんな絶賛やったし、絶対にハズレの店はないって言える自信がある。コーディネーターとかはしてませんが、アテンド力はめちゃくちゃ上手くなったと思います。LAに行く機会あれば、いい店全部教えるんで言うてくださいね(笑)

現地の人って、そんな動かないんですね。意外!やっぱ行動力と好奇心、大事だなぁ。LA行く際は、お願いします(笑)。日本で育ち、LAでの暮らしも経験した中で、感覚的に何か変わった部分とかってありますか?

当時、ファッションウィーク関係の仕事で年2回ヨーロッパにも行ってたんです。僕はアメリカ人の親父と日本人のおかんのハーフなんですが、ヨーロッパを知ったことが大きかったなと。物事の見え方が変わってきたし、肌感覚の部分で、世界はアメリカと日本だけじゃないって感じれたから。

何か実体験があったと。

僕って、アメリカでも何人か分からんってよく言われてたんですよ。アメリカ人っぽいけど、メキシコ人やインド人、アラブ系っぽいって言われることもあって。で、フランス行った時に渾身のオシャレをしてお店の前でタバコ吸ってたら、めちゃしゃべりかけてくるヤツがおってね。何言うてるか全然分からんかったけど、英語やったらいけるでと返答してたら、「お前、フランス語しゃべられへんの?」みたいなリアクションで(笑)。そこからお店の中に戻ってみんなで大爆笑してるんですよ。

えっ!?その絡まれ方、怖い怖い。

こっちもマジで何っ!?状態。後で知ったんですが、そのエリアはフランスにあるアラブ街で、使われてる言語はフランス語かアラブ語やったんです。僕にしゃべりかけてきたヤツは、どうやら「お前、俺のいとこにそっくりや!何でフランス語しゃべられへんねん!信じられへん!」と言うてたみたい(笑)

完全な勘違い…。

でも、よくよく聞いていくと、アメリカ人はカッコですぐに見分けがつくからしゃべりかけへんけど、オシャレしててしゃべりかけられてるから、完全にヨーロッパの人に間違えられてるでと。その話を聞いて思ったんですよ。これなら俺の顔、世界のどこでも通用するやんって(笑)。あのフランスでの洗礼が、世界を広げてくれましたね。

ほんまや!現地の人に、現地人って思われてますもんね。

まぁ、これはネタっぽい話ですけどね(笑)。感覚的に変わったことと言えば、発見する喜びを改めて実感したことかな。

と言うと?

どこに行くのも車移動が当たり前のLAと違って、ヨーロッパをはじめニューヨークもそうだけど、歩き回ることですごくいいお店と出会える。ここは俺しか知らんやろ〜って思いつつインスタ見たら、3万人くらいフォロワーがいたり、「うわ〜アイツもフォローしてるやん!」ってなることもあるんですが、その一瞬の感動って凄まじい。それってすごく素敵なことなので、『BYTEN』も発見する喜びを届けられるお店になればなと思ってますね。

僕らが揃えてるギフトって、縁を繋げてくれるし、さらに広げてくれるもの。人との縁を大切にしたいから、ギフトショップというスタイルにしたんです。
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Shop Data

BYTEN

住所:大阪市浪速区幸町2-7-1
時間:10:00〜18:00
休み:無休

Profile

ENZO

1995年大阪生まれ。堀江育ちの生粋のシティボーイで、大阪のストリートカルチャーを純度高めに吸収しながら青春時代を過ごす。上京してアパレルメーカーのVMDを経験し、渡米後はセレクトショップスタッフ、アパレルメーカーの海外担当を経て、今夏に帰国。桜川に自身のギフトショップ『BYTEN』を9月18日にオープンさせる。自分の中で大切にしているのは、縁と人に優しくあること。根っからのJAZZ狂でもある。

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