今年1月の『ytv漫才新人賞』は準優勝、秋頃には関西の人気ローカル番組『せやねん！（MBS）』のレギュラーに。そして惜しくも準々決勝で敗退したものの、『M-1グランプリ』予選で披露したネタがおもしろいとSNS上で話題になり、ネクストブレイク必至と噂されるお笑いコンビ・ダブルヒガシ。2人は大阪市内の高校で出会い、共にNSCに入学しコンビを結成。“新ダブルボケスタイル”と称される漫才を武器に、大阪の劇場を中心に活躍しています。今回は、そんな彼らがパーソナリティーを務めるラジオ関西のポッドキャスト番組『はちくちダブルヒガシ』を取材しました。同級生ならではの空気感とテンポのいい掛け合い、飾らない人間性が垣間見えるこの番組は、まさに素のダブルヒガシを知るのにうってつけのプラットフォーム！なのですが、風俗に行った話や世界のパンティーを紹介するカルチャーコンテンツなど、最近少々（いや、かなり？）下世話な話題が多くなってきていて……。トーク内にもたびたび登場する番組ディレクター・狩森さんとの関係性も気になるところ。ということで、2人が芸人を目指したきっかけや気になるラジオの方向性、今後の展望について、狩森さんも交えて話を伺いました。こんなに愉快なコンビが同じクラスにいたら最高だろうなぁ。そんな風に思えるインタビューでした。等身大のダブルヒガシをご覧ください！

間髪入れずに出た「猫のしっぽ！」がめっちゃおもろくて。大東とやったらいけるんちゃうかと思ったんです。

ダブルヒガシさんといえば、今年1月にラジオ関西のポットキャスト番組『はちくちダブルヒガシ』がスタートし、10月には『せやねん！』のレギュラーに抜擢と、かなり勢いにのっている印象があります。2人は高校時代の同級生コンビということですが、改めてその出会いを聞かせてください。

東：大東とは高1の時に仲良くなりました。別のクラスやったんですが、ヒカルくんという共通の友達に「お泊まりパーティーするからこうへん？」って誘われて、誰がおるんか聞いたら「大東っていうヤツが来る」と。その時は、僕の名前に“大”を足したヤツがおんねやと思ったくらいでした。ほんで集合場所に行ったら、ニューエラのキャップを逆に被って、ドーンと態度がでかくてイカつい、ほんまに今と変わらん大東がいたんです。とりあえずただのヤンキーでした。

大東：はははは（笑）。さすがに今、ニューエラを逆には被らないっすよ。

東：最初はヤンキーやん怖って思ったんですけど、30分くらい喋ったらめちゃくちゃおもろいしええヤツやって、最高のヤツがおるなと思ってました。そしたらヒカルくんが大東に、「おもろいこと言ってや」っていうえげつない無茶振りをしたんです。こいつ間髪入れずに「猫のしっぽ！」って言うて、むっちゃおもろいやんってなりました。

大東：もうええてその話。

確かに「猫のしっぽ！」は強烈ですね。そこから一緒に芸人を目指したきっかけは？

大東：高校を卒業後、僕は大学に進学して、東は就職して働いてたんです。やけど僕はほんまに不真面目で、学校もちゃんと行ってなかったから留年確定やって。5年生をやらなあかんのが決まった時、親にバレたらほんまにヤバいしもう辞めるしかないと。でも辞めるにしてもどうするんってなって、何かスキルがあるわけでもないし、めちゃくちゃズボラやし。やけど、人よりちょっとおもろいって言われてたなっていうのがあって。それやったら芸人や！と思って芸人になりました。でも一人でNSCに行く根性はなかったんで、「一緒に行かへん？」と東を誘って。卒業してからもめっちゃ仲良かったんで、月に1、２回メシ行ったりはしてたんですよ。入学する前の年の夏くらいから誘ってたけど、東も働いてたから当然「行けへん」と言われてました。

東：社会人やったんで、当然行かないですよ。

大東：せっかく高校時代に一生懸命勉強したのに、芸人なんてやるわけない。アホかと。僕も最初は冗談まじりで誘ってたけど、そろそろケツがなくなってきて、もうこれで無理やったら誘うんやめようと思ったタイミングが冬前くらいにあったんです。その日も飯行こってなって、店に入ってドリンク注文して、どうやって誘おかなと思てたら、東が先に「しょういくん（大東さんの下の名前）…………………………。俺、お前と芸人なる」って。「ありがとう‼」って言うて、ジョッキをコチーンと合わせて乾杯しました。

東：やからそんなに溜めてないって。話すごとに間が空いてひどなってきてんねん。

東さんは、何か心境の変化があったんですか？

東：会社の中で僕だけ持ち仕事がなくなって、社会人やっててもおもんないなぁと思って。お金には困らんけど、別に毎日楽しいわけではないし。大東はほんまにおもろかったんで、もしかしたらいけるんちゃうかと思い始めて、芸人になる道を選びました。

なるほど。それで一緒にNSCに入られたんですね。最初からダブルヒガシというコンビ名で活動してたんですか？

大東：高校時代からみんなにダブルヒガシって言われてたし、自分らでも言ってたし。だからコンビ名を決める時もダブルヒガシでええかと。

ちなみに大東さんが芸人になろうと決めた時、東さんが浮かんだのはどうしてでしょう？

大東：やっぱおもろかったからっすね。でも中村くんっていう子と3人で仲良くて、その子もめっちゃおもろかったから迷ってました。やけどほんまにろくでもないヤツで、圧倒的に東の方がちゃんとしてたから、これは中村くんと一緒に行っても続かんやろなと。

東：高校卒業して、さらに仲良くなったっていうのもあったしな。

これむっちゃおもしろかったっていう高校時代の思い出ってありますか？

大東：僕らが大好きな車があって、それをチャリンコで追いかけたりとかしてました。

東：それだけ聞いたら悪いヤツやと思われるやん。学校の近くにローソンがあって、よくトラックが止まってたんです。そのトラックの側面にローマ字で「Bejoy」とだけ書いてあって、何のトラック？ってなって。でもその響きもおもろいから、トラックが走り出したらみんなで「ビッジョーーイ！」って言いながら追っかけるっていう遊びをしてたんです。別に迷惑なことはしてないですよ。

大東：ある時とない時があるんで、ある時はほんま嬉しかったです。

東：「今日ビッジョーーイあるやん！ウェーイ‼︎」って言うて追いかけてました。

（笑）。確か「ビッジョーーイ！！」は、地上波ラジオや単独ライブのタイトルになっていますよね。

大東：そうっすね。単独のタイトルは、基本高校でおったやつのあだ名とか盛り上がったことを元に付けてます。当時、僕と中村くんの間であだ名を付けるのが流行ってたんです。ほぼ全員に付けたと言っても過言ではないくらい。

今年7月にあった単独ライブ「しゃおら！」もでしょうか？

大東：舌足らずですぐ怒鳴る先生がおって、その人に付けてたあだ名です。この一回も「しゃおら！」って言ったことないねんけど、なんか言いそうやなっていうので「しゃおら！」になりました。

次は、来年の1月22日（日）によしもと漫才劇場で単独ライブ「ばびごん！」がありますよね。どうしてこのタイトルに？

大東：高校の時におった女の子のあだ名です。なんで「ばびごん」になったんかわからんけど。

東：ありがたいことに会場チケットは完売してしまったので、興味がある方は配信で観てくださると嬉しいです。

高校の同級生から一緒に芸人、いわゆるビジネスパートナーになって、互いの印象や接し方は変わりましたか？

大東：もちろん変わりましたよ。べちゃくちゃ喋ることはなくなりました。ほんまに毎日ずーっと一緒におるんで、もちろん仲はいいですけど、前みたいに2人で飲み行ったりとかはなくなりました。

ぶつかることもあるんですか？

大東：ないっすね。ケンカはゼロと言っても過言ではないと思います。ネタのことで意見言い合うことはあるけど、激しいのとかはないな。

東：マジで揉めたことないっすね。お互い譲り合ってる部分はあるかもしれんけど、別に譲ったってるとかは思わないし、結局そっちの方がええやんってなる時も多いし。