最近は、なにかとバタバタしていた。バタアシ金魚だってこんなバタバタしてない。仕事の忙しさに加えて、ありがたいことにDJでもいろいろと声をかけてくださり、感謝の涙と血尿を流しながら各所に行かせていただいた。
 残尿感の残るカラダではあるが、少し落ち着いたので、今は「いまさら“さらば青春の光”の東ブクロの人間性にどうこう言うのって、近所にいたえりあしだけ伸ばしたクソガキに電電太鼓をプレゼントするのと同じことだよね」なあんてことを考えながらベッドでゴロゴロしている。

 これはどういう意味ですかね。

 ともあれ、こうして毎日ゴロゴロゴロゴロしていると、そのうちベッドがンゴロンゴロ保全区域に指定されてしまっても困るので、私は仕方なく飲みに出かけたりする。仕方ないのだ。

 ところで、この度私はたいへんナイスな飲みアイテムを手に入れた。こちらである。

 私はこのたいへんにハイセンスなアイテムをハイボールマフィア帽子と呼ぶことにした。このハイボールマフィア帽子のいいところは、ハイボール3杯分くらいのお値段で買えるところだ。高いんだか安いんだか。

 この前の週末に、こいつを被って意気揚々と飲みに出かけようと思い、玄関へと向かった。そして、下駄箱の隣に鎮座する全身鏡を見てハッとした。

 ”恥ずかしい!!”

 完全にギャンブルへ向かう男にしか見えないのである。金がない感じも透けて見えるようだ。自分で言ってめっちゃ悲しいわ。
 いやでもマジでめちゃんこ恥ずかしい。コレでミナミまで自転車を漕ぐのか…すごく視線が気になる…シャイだから…
 しかしそれでも、どうしても私はハマ帽を被りたかった。この帽子を被って、マンキンでビールを頼む、というボケをこしらえたので、私の大好きなウケをいただけると思ったのである。
 そこで私はDiggy-MO’ばりに帽子のツバをぐいっと下げ、顔を指されないように対策をし、アーラアラ荒波立つ家の外へ降り立ったのである。
 ツバをDiggyしたばっかりに、すれ違う人たちにとっても見やすい位置にハイボールが来てしまっているため、余計視線がピャッピャと感じられたが、ハムスターが回すやつみたいに自転車のペダルを全速力で漕ぐ。相変わらず全然進まねえなこのチャリは。

 途中、過去に枕営業を誘われたことをカミングアウトして道草を食ったりしたが、やっとのことでミナミへと御降臨。やっとビールを頼んでボケられるぜ…

 お店に入ると、私はこれ見よがしにハマ帽をガンガンズンズングイグイと見せつけてアピールする。みんな笑ってた。お日様も笑ってた。

 そして私は満を辞して、出来るだけクールにこう呟く。

 「生で」

 決まった…


 けどウケねえええええエエエエエエ

 なんで!?こんな洗練されて練り込まれたボケがどうしてウケないの??もしかしてみんなマヂカルラブリーは漫才とは認めないタイプの人?それとも大谷翔平は打者一本に絞りなさいよとか言ってたけど最近投手もすごくて手のひらを返しちゃったタイプ?ううーんそれは俺!

 正直かなり悲しかった。家を出る前の俺のワクワクはなんだったんだ…これじゃあまるで、餅を焼いていたら、どんどん膨らんで取り込まれて餅になってしまった夢を見た小さい頃の僕じゃないか…

 本当にどういう意味ですかね?

 ちなみにその後別の店でも同じボケをチャレンジしてみたが同じくさざ波のような空気になった。これだけウケないのは何かの陰謀かもしれない。裏で大きな力が働いているに違いない。
 それでもこれからもめげずにハイボールボケは続けていきたいと思うし、皆さんもチャレンジしてみてほしい。強大な秘密結社の力には屈しないようにしような!

 取り急ぎ、今回の惨敗という結果を受け、私にはあんまり笑いの才能がないのかもしれない、と思って落ち込んでいたが、一周回って、いや、ツッコめない周りが悪いんだ!と責任転嫁してキンミヤを飲みながらこのブログを書いている。

 そこはビールちゃうんかいってツッコめた人だけ、私に石を投げなさい。

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じゅんぺい丸

ミナミを中心に四方八方で飲み散らかすいなせな男。しばしば長文のブログを書くが、生きていく上でまったく役に立たない事しか書かれていないことで有名。酒の隙を見てDJもしています。

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