子供の頃から、外で遊んだり友達とワイワイするのも好きだったのだが、一人で遊ぶのも好きだった。
一人でダラダラ歩いて学校から帰ったり、ゴロゴロして過ごす時間が無性に恋しくなるのである。
「今日一人で帰るわ」とかいきなり言い出すもんだから、よく友人に「は?」と言われたものである。借りた金返さず帰ろうとしていたからかもしれないが。

この傾向というか、時間を無駄にしたいという欲望は今でも続いていて、ただただ予定が何もないだけでめちゃくちゃな開放感を感じでしまったりする。逆に仕事中は予定だらけなので顔が死ぬ。
そうやって定期的に自宅に引きこもることが増えてきた中で、「なんか、育てたい!昔モンスターファームちょっとだけしてたし!自信あるし!」という気持ちが突如湧き上がった。

いっちょまえにブリーダーよろしく畜生でも飼育してやろうと思ったのだが、私には前科が大量にある。
子供の頃に家で飼っていたハムスターには逃げられ、金魚は一週間でえさやりを母に任せて放置、大掃除の時に家の裏からドス黒い液体の中を徘徊するザリガニが発見される、などなど。
多分私は生き物を育ててはいけない人間なのである。サボテンを枯れさせたこともある。あれ枯れるもんなんか。

しかしどうにも諦めきれない。ヤダヤダ、何か育てるんだい、と手足をひっくり返された生きようとするカナブンのごとくジタバタさせながらInstagramを見ていると、アボカドを種から育てられるよ、という投稿を見つけた。しかも、発芽さえすれば結構簡単だという。

カナブンは思った。これならいけると。

早速近所のスーパーでアボカドを購入。しかもちょっといいスーパーで買ってやった。強そうだから。

そしてネットなどで書いてあった通り種を取り出し、爪楊枝をぶっ刺し、水につけてやる。

これは…合ってるんやろか…

一抹どころか五抹ぐらいの不安を抱えながらも、1ヶ月ほど、水を定期的に変えること、納豆はタレをかける前に混ぜることだけ注意して放置したところ、にょろにょろと根が生え出し、さらに放置すると芽も出た。

そしてちゃんと鉢に植え替え、育ったのがこれである。

いやいや嘘じゃないからほんとに育てたから。

ほんとにほんとに。
こんなところに載せる機会ないと思ったから写真残ってないだけだから。
マジだから。いつだって俺は正直だし。近所でも評判だし。

もし嘘だったら、お前のお金で一緒にメジャーリーグ観に行ってやるよ、その代わりヤンキースタジアムにしてくれよ?

むしろ嘘であれ。

ところが残念なことに、この後季節的に冬になったからか、はたまた日光不足か、それとも甲子園特有の浜風のせいか、原因は分からないが、アボカドは一瞬で枯れてしまった。 今までとは違い、しっかり世話をしたのに枯れてしまったので、私は悲しみに打ちひしがれた。 こんなことならタクシー運転手に諭される前に現場に戻っていればよかった。

一時期は立ち上がることもできなかったほどだが、今ではすっかり元気になり、何事もなかったかのようにゴムの木とガジュマルに水を与えて暇をつぶす毎日である。 これしか楽しみがないという有様なため、すぐにここに書くネタが尽きてしまいそうなので、心を鬼にして明日からもゴロゴロしてやろうと思う。

ちなみにこれが今育てている草。
可愛い草だろ。可愛いって言ってくれ。


Blogger

じゅんぺい丸

ミナミを中心に四方八方で飲み散らかすいなせな男。しばしば長文のブログを書くが、生きていく上でまったく役に立たない事しか書かれていないことで有名。酒の隙を見てDJもしています。

share

TWITTER
FACEBOOK
LINE