アメリカ村に立つ人型街路灯の歴史が塗り変わる。「アートで街にエナジーを!」を合言葉に、5人のアーティストたちが挑んだプロジェクト『Red Bull Reignition』に密着。


子どもの落書き的なウィンドウシリーズを描いたのは、アメ村にいるいろんな世代の方々が共感できるものに仕上げたかったから。| SHUN NAKAO

SHUNさんは前回の『Red Bull Ignition』では一般応募で参加され、アーティストユニット・透明回線として作品を提供されました。今回は個人としての参加になりますが、改めて制作に取り組む中でどんな想いがありましたか?

大阪に住んでいますし、前回参加させていただいた10年前も今も変わらずアメ村にはよく来ているので、ここは自分にとってすごく馴染みのある街なんです。そんな場所に作品を残せることは、とてもありがたいことだなと感じています。これは偶然なんですが、前回の作品を見て「色がちょっと剥がれてきてるから、また描き直したいなぁ」と思ってたら、声をかけてもらえて。しかもBIG STEP前というアメ村のメインストリートの街路灯だと聞いて、めちゃくちゃ嬉しかったですね。

引き寄せというか、SHUNさん自身がこの街と強い縁で結ばれてるんでしょうね。

当時の『digmeout cafe』にはよく行ってましたし、僕自身はグラフィティやストリートカルチャーをちゃんと通ってきたわけではないですが、この街を通じて見て、感じてきました。だから、作品をアメリカ村に残すことに対してはやっぱり緊張感もありますし、今もその感覚は根付いてますね。

そういった緊張感もある中で、今回の『Red Bull Reignition』で描いた作品はどんなテーマがあったんでしょうか?

普段のキャンバス画とは異なる、ウィンドウシリーズを描きました。窓の結露に落書きをするようなイメージのシリーズです。僕の個人的な感覚ですが、アメ村はストリートカルチャーが根付いてる街ですが、この10年で街の景色も大きく変わり、近年は観光客や家族連れもすごく増えています。それは、いろんな世代やカルチャーが集まってる証だなと。だからこそ、子どもの落書き的なウィンドウシリーズを描こうと思ったんです。窓の結露に落書きする行為は、きっとみんな一度はやったことがあるだろうし、いろんな世代の方々が共感できるものに仕上げたかったので。

直感的な可愛さと分かりやすさもありますし、作品を見ることで昔を思い出せる。いろんな感情がミックスしそうな作品ですよね。

ウィンドウシリーズとしては一番大きいものですし、一番長い作品になりましたね。

ライブペインティングもずっと見てましたが、テープを貼ってから描いたりスプレーしたり、剥がしてからまたスプレーしたりと、かなり細かな作業の連続。そうやってウィンドウシリーズが生まれていくのかと、驚きもありました。

ちょっと地味な作業なんですが、めっちゃ大変で…。ただ、塗料の乗りもよかったですし、たくさんの人が見てくれたおかげで、サボれずにちゃんとできました(笑)

集まったお客さんたちも、じっくり見てましたもんね(笑)。でも、先ほども「いろんな世代の方々が共感できるものに」と話していただきましたが、作品を見ると思わず指でなぞりたくなるなと。

街路灯だから自由に触れることもできるので、見るだけじゃなく、そういう体験もしてもらえると嬉しいですね。

きっとみんなやりたくなると思いますよ。SHUNさんは現在も国内外で作品を披露する機会が多いですが、今回の『Red Bull Reignition』への参加を経て、これからどんな活動をしていきたいとお考えですか?

国内外のいろんな人に、もっと自分の作品とコンセプトを知ってもらいたいと思ってます。『Red Bull Reignition』もそういう機会になっていますし、これからもライブペインティングやコミッションワークを引き続き積極的に取り組んでいきたい。やっぱりライブペインティングをすることで自分のキャンバス作品に活かせることは多いですし、その逆もありますからね。この2つのバランスを保ちながら、自分の表現を広げて深めていく。そんな活動を続けていくつもりです!

街路灯アートのテーマは、アメ村。下部にはこれからタグやステッカーも貼られると思うので、あえて先人たちのタグを残すようにしたんです。| JOE
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