まちと人と壁と、アートを繋ぐ。大阪・此花発、WALL SHAREが世界のアーティストと協業して残し続ける、ミューラルというカルチャー。


死ぬまでミューラルを増やし続ける。僕らだからできることだし、それしかないんですよ。

ここまでWALL SHAREとしての取り組みを色々と聞いてきましたが、ここからはもっと2人のことを聞きたいなと(笑)。まずは、お互いの尊敬するところを教えてください。きっとこれまで、面と向かって言うこともなかったと思うので。

川添:改まって言うと恥ずかしいもんですね(笑)。僕もグラフィティやアートは好きですが、WALL SHAREとしての意思決定に必要なイケてるか、イケてないかの線引きに対しては、連平をすごく信頼してます。いろんな部分で任せてることも多いですし、キュレーションも含めて数字では測れない部分だから。あとは小学2年生から一緒なので、阿吽の呼吸的なところもありますし。ちゃんと言うたので、次は連平!

久永:僕は考えすぎるところもあって、ブレーキを踏むタイプでもあるんです。だからTaaの推進力というか、アクセルをバコーンと踏むところはすごく尊敬してます。いいエンジンを積んでる男なんで、だからこそWALL SHAREがここまで来れたのかなと。

改まった感じでありがとうございます(笑)。でも、お互いが補い合える関係だし、好きなものが一緒というのは、WALL SHAREがこれからも発展していくための大切な起点ですよね。ではこの流れで、逆にここは直してほしいこととかってありますか?

川添:そうですねー、今はめちゃ減りましたけど…、寝坊ですかね(笑)。僕と連平が一緒に会社をしてるのは地元のみんなも知ってるから、「連平はちゃんとやってるん?」って、みんな聞いてきます。連平のおかんに会っても、「連ちゃん大丈夫?」って。小学生の頃から、月曜日はよく休むタイプでした(笑)

久永:それと、雨の日ね。

川添:100%休んでたもんなー。その名残が今もたまに出ますが、クライアントや現場に迷惑をかけるようなことはないので安心してください!!

久永さんは時間に縛られない男なんですね(笑)

川添:それはちょっと違いますよ(笑)。連平からは何かある?直してほしい部分とか。

久永:完璧な男なので、何もないです!!!

(笑)。なんか、小学2年生からの幼馴染感がありますね、やっぱり。

川添:僕らは昔からずっとサッカーをしてたんですが、実は中学生の時に誓い合った夢があったんですよ。いつか一緒にスポーツショップをやろうって。まぁ、浅い夢でしたが…。

久永:サッカーはしつつも、そこまでスポーツに興味はなかった。それが本音です。でも、同じ高校に進学して、僕はその夢を追いかけて商業を学びました!

川添:僕は体育大学に行ってサッカーを続け、その結果今はこんな感じになってます(笑)

久永:まだ諦めてないけどな!

川添:まぁ、コーヒーショップも作ったから、ニアリーじゃない?(笑)

久永:でも、その夢の話にはまだ続きがあって…。実は大学生の時に地元のみんなで話してたら、「将来は一緒に旅館やろうぜ!」っていう新たな夢が生まれたんですよ。だから僕は、その夢を叶えたくて旅館に就職しようと思い…。

川添:ちょっと待って!!それで旅館に就職したんや…。「みんなで旅館やろうや!」って話、そういえばあったなぁ…。

えっ!川添さん、忘れてたんですか!?久永さんは昔からめちゃくちゃみんなのために動いてたのに…。

川添:今思い出しました(笑)

久永:それくらいみんなの記憶から一瞬で消えた夢だったんですが(笑)、僕は有馬温泉の旅館に就職したんです。

川添:そうやったんや…。そうそう、1つネタがあるんですが、連平は北海道の旅館に就職が決まってたんですよ。新卒でいきなり副支配人のポストが用意されるという募集があって、面接も無事にクリアして内定!その日は旅館からのおもてなしで、宿に泊めてもらうことになったらしいんです。話はそこからで、深夜にどうしてもビールが飲みたくなった連平は、厨房に入って冷蔵庫にあるやつを飲んでたら、地震が起きてしまったみたいで…。火元確認のために慌てて旅館の人が厨房に来たら、そこにはビールを飲んでる連平がいる…(笑)。で、その日のうちに内定が取り消しになってしまった。

久永:うん…、そんなこともありましたね…。

ツッコミどころが満載ですが、それでも旅館で働く道は諦めなかったんですね。

久永:はい、みんなの夢を叶えるためだったので(笑)。でも、結果的にはめちゃ楽しかったんですよね。旅館には全国を飛び回ってる季節労働者のような人もいたりして、いろんな話を聞く中で、僕自身もワーキングホリデーを利用して海外に行こうと思えたので。しかもオーストラリアのメルボルンにはミューラルがいっぱいあったし、ストリートで自己表現してる人もたくさんいました。オーストラリアには2年いて、そこからアジアを巡って日本に帰ってきたんですが、空港から家路につく道を眺めながら思ったことがあったんです。日本にはミューラルが全然ないなー、色味のないまちが多いなーって。そうこうしてたらTaaから誘われて。僕が漠然と思ってたことを具現化できる場所で今は働けてるから、これも縁だなと。

川添:小学2年生からの、切っても切れない縁やしな。

ええコンビですね、2人は!では最後に、WALL SHAREとしてのこれからのビジョンを聞かせてください!

久永:僕らが関わることで、アーティストが表現できる場を生み出し続けていきたい。アーティストからの問い合わせは増える一方ですし、マジで全員の想いに応えられるようにしたいんですよ。作品スタイルもそれぞれで、例えば文字を並べたレター系のグラフィティはクライアント案件としてはなかなか承認されないので、フリーウォール的な場所も作れたらなと。そうすればもっといろんなアーティストを呼べるし、いろんな表現と出会える機会が生まれますからね。そして、日本のアーティストを海外に送り出せるようにもしたい。やりたいことを挙げると山ほどありますが、これからもミューラルを通じてアートと触れ合えるきっかけを作り、アーティストのサポートを続けていきたいと思ってます!

川添:僕は、死ぬまでミューラルを増やし続けること。何個作るとか、何をするとかはその都度ありますが、とにかく死ぬまで増やし続ける。それしかないですね。ミューラルをいくつ作れば日本の何かが変わるってわけでもないので、増やし続けることが、僕らだからできることなんです。それはずっと決めてることなので。


<川添さんと久永さんのお気に入りのお店>

壁珈琲(大阪市此花区梅香2)
僕たちWALL SHAREが運営するコーヒーショップです。まちのコミュニティスペースでもあり、子どもたちが自由に絵を描けるスペースも用意してます!

千鳥温泉(大阪市此花区梅香2)
WALL SHAREの事務所の隣にある銭湯です。此花のまちで最初に描かせてもらったミューラルもありますし、とにかく風呂が気持ちいい!僕らの鏡面広告もあるので、ぜひ入浴しに行ってほしいです!

天天菜館(大阪市此花区梅香3)
地元で大人気の中華の名店!何を食べても美味しいし、間違いないです!ビルの屋上の壁面に描かせていただいてるので、僕らのミューラルもチェックしてみてください!

あいつ(大阪市此花区梅香3)
僕らがいつもお世話になっている克美さんのカラオケスナックです。持ち曲1000曲という克美さんのレパートリーは、世界各国のアーティストの胸を撃ち抜いてきました!

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Profile

WALL SHARE

ミューラルを企画・プロデュースする企業として、2020年4月設立。壁画の直訳でもあるミューラルを通じて、様々なシーンでアートと触れ合えるきっかけを作り、国内外のアーティストの活動をサポートしている。2023年9月からは拠点となる大阪・此花エリアで、『MURAL TOWN KONOHANA』プロジェクトをスタート。まちと人とアートが繋がるミューラルを生み出し続け、大きな注目を集めている。

https://www.wallshare-inc.com/
Instagram: @muraltownkonohana

Profile

川添 孝信

WALL SHARE代表。大学卒業後、フォルクスワーゲンとクラウドワークスを経て独立し、ワンエイティーを共同創業。自分の好きなグラフィティやアートの領域で事業を展開するため、2020年4月にWALL SHAREを設立。ミューラルへの果てしない愛と熱量を持ち、カルチャーとビジネスを結びつけながら国内外の様々な場にミューラルを生み出し続けている。

Profile

久永 連平

ミューラルプロデューサー。大学卒業後、有馬温泉の老舗旅館で販促施策やマーケティングに従事。その後、オーストラリアで2年間働き、アジア各国を渡り歩いて帰国し、WALL SHAREにジョイン。世界の多様なカルチャーを吸収しながら、ミューラルのリアルシーンも見続けてきたその眼と感性は、国内外のアーティストから高い信頼を集めている。

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