2月23日から『ビームス 神戸』でアートショウ“DIVINE ASCENSION”がスタート。SARASA YANAGIさんが今描く、絵とタトゥーを横断しながら辿り着いた表現。
<BEAMS T>が原宿の旗艦店を飛び出し、2月23日(木・祝)から『ビームス 神戸』で大々的にスタートする今回のアートショウ。“DIVINE ASCENSION”というタイトルのもと、ソロエキシビションとして作品を飾るのがSARASA YANAGIさん。アーティストと彫師という2つの顔を持ち、タトゥー業界だけではなく、アートやファッション業界からも注目を集めてる若き表現者です。大正ロマンの名残をどこか感じさせる女性の姿、花や樹木といった儚くも美しい自然のモチーフなど、描く作品はサイケデリックなテイストでありながらも、ひとつひとつの線に生命力と愛らしさが宿っています。そんな彼女に今回のアートショウへの想いや作品制作のスタイル、自身のルーツなど、いろいろ話を聞いてきました。絵とタトゥーを横断しながら辿り着いた今の表現は、絶対に間近で拝んでおくべきもの!アートショウ“DIVINE ASCENSION”に合わせてSARASAさんと<BEAMS T>がコラボしたアイテムも発売されるので、『ビームス 神戸』に広がるSARASAワールドをぜひ体感してください。心の中に、大きなインパクトがきっと残ると思います!
幼い頃からずっと絵を描いてて、小学校低学年でタトゥーに興味を持ち、初めて自分のカラダに入れたのは18歳の時でした。
2月23日(木・祝)から『ビームス 神戸』でSARASAさんのアートショウ“DIVINE ASCENSION”が開催されますが、まずはルーツやこれまでの活動について聞かせていただければと。出身は大阪なんですよね?
大阪の自然豊かな場所で幼少期を過ごしました。小さい頃から山を駆け回ったり、お兄ちゃんたちと秘密基地を作りに出かけたり、カラダを動かすのが大好きでしたね。帰ったら、部屋にこもって秘密基地の地図や絵を細々と描いたりなど、探検隊の調査と書記のような。
冒険心と創作心が共存してたと。絵を描くのも好きだったんですか?
絵に関しては、物心ついた時から描いていて、とにかく人に見てもらうのがうれしかったんです。夏休み明けの作品展などは、私にとっては絶好の発表の場でしたし、友達が作った作品を見るのも楽しみでした。
幼い頃から作品展をそういう風に見てるって、アーティスト気質。
母の影響が大きかったかもしれません。母は常に何かを制作してるようなクリエイティブな人で、何でも自分で創っちゃえ精神のもと育てられましたし、私自身も影響をしっかり受けてきたと思います。母は今も現役の作家で、大阪・鶴橋にてカフェ『月光舎』を営みながら、ステンドグラスなどのものづくりをしていますね。
素敵なお母さんですね。ちなみにタトゥーにはいつ頃から興味を持ったんですか?
小学校低学年の頃です。
めちゃくちゃ早いですね(笑)
周りにタトゥーを入れてる大人がけっこういて、「何だあれは!?」と思ったのが最初。幼いながらもどことなく世捨て人のような印象も感じてて、少し不気味な、複雑な心境で見てました。それが徐々にかっこいいと思うようになって…。それで、「私もタトゥー入れたい!」って言うと、さすがに父には怒られました(笑)
(笑)。でも、そう思えるほどに惹かれた。
理由はうろ覚えですが、タトゥーを入れる行為自体に惹かれたのかも。それにいろんな専用の道具を使って彫るという部分にも、興味を抱いたんだと思います。
小学校低学年からタトゥーに興味を持ちつつも、絵を描くことは続けてたんですよね?
それはずっとですね。タトゥーに関しても、絵を描いて展示することを繰り返すうちに、人のカラダに彫るって改めてすごいな!と実感。高校卒業して18歳になったら早速、ファーストタトゥーを彫ってもらって、あまりの衝撃にこっそりタトゥーマシンも買ってしまうほどでした。
これまでの想いや憧れの強さが現れてますね。ファーストタトゥーはどこに?
右手の甲です(笑)
右手の甲って、自分の視界にも必ず入ってくる場所ですが、見る度に当時の気持ちを思い出したり、初心に戻る的な感覚になったりはします?
当時の自分の勢いや自分の性格そのものは感じられるかなと。初期衝動とか意気込みなんかをふと思い出します。
タトゥーマシンも買ったとのことですが、高校卒業後は彫師の道に進んだってことですか?
彫り師を目指しながらも、実は大学に通っていたんです。
そうなんですね。芸大とかですか?
一応、某芸術大学に進学してます。アーティストと彫師として活動するつもりでしたが、芸大のキャンパスライフに憧れもあったし、やりたいことを真剣に見極める時間も欲しかったし、学生をしてればフラフラしてへんと思われるかなと。
カモフラージュ的な(笑)
私の目論みとしては、活動が軌道に乗ればやめちゃえって感じで。
実際にはどのような活動を?
絵に関してはこれまでと同様に、描いて展示して見てもらうことを繰り返しつつ、知り合いや友達に絵やデザインの仕事をいただいたりしながら、彫師としては、手探りで勉強しながら情報を集め始めました。いろんな映像を見たり、衛生面の知識を身につけたりして、まずは自分のできる範囲からスタートしていきましたね。そのうちにつながりなんかもできて、アドバイスしてくれる彫師さんもいました。なので、活動のベースとしては絵を描きつつ、そこにタトゥーが加わっていくような感じです。
自分の力で始めるというのも、お母さんから受け継いだ何でも創ろう精神が紐づいてるように思えます。
18歳の時にこの右手で生きていく!と決意してタトゥーも入れましたし(笑)、アメ村周辺はタトゥーが入っててもバイトできるお店があったので、学生時代から働いてるうちにたくさんのタトゥー友だちが増えていきました。そのつながりで「私にも入れてよ!」って言ってくれる人がいたから、今があるのかなと。本当にありがたい話です。
SARASA YANAGI
東京を拠点に活動しているアーティスト、彫師。女性やお花などのモチーフを軸に、アジアの文化や風土、伝統工藝などからインスパイアされた作品を多く手掛けている。サイケデリックな画風が特徴的で、展示や壁画など多岐にわたり活動、暇あれば趣味の登山を通じて感じたことや旅の思い出を綴った日記帳を肥やすことに没頭中。タトゥー業界だけでなく、アートやファッション界隈からも注目されている若きアーティストのひとり。東京の何処か、知る人ぞ知る秘峡にて日夜制作活動中。