BOKU HA TANOSII Tシャツで、演じる人も、観る人も、みんな楽しい!THEモンゴリアンチョップスが11月15日(土)から始まる舞台『じゃりン子チエ』の稽古着Tシャツに込めた想い。
原作の息をつなぐ人、舞台で命を吹き込む人。2人の視点で語る『じゃりン子チエ』。

そして最後は、今回の舞台『じゃりン子チエ』のキーパーソンにインタビュー。原作者・はるき悦巳先生の事務所から市村一真さん、そして演出を手がける村角太洋さんに、それぞれの作品に対する想いを伺いました。
まずは、稽古着Tシャツの発起人でもある市村さんから。TMCのお2人と稽古着Tシャツを作ろうと思ったきっかけを教えてください。

市村:最初は舞台の物販グッズをお願いしようと思ってたんですが、彼らといろいろ話すうちに、「舞台いうことは稽古があるやんね。なら稽古着は?」っていうのがパッと出てきて。そこから、それぞれのキャラクターをモチーフにしたオリジナルTシャツを作ろうという話になりました。
絵柄は、原作の文庫版1〜3巻から選ばれたとか。
市村:そうなんです。なるべく舞台の物語に即したものにしたかったのと、絵柄の雰囲気も統一させたかったので。やっぱり年代が離れると、ちょっと絵柄が変わってしまうので。
デザインも何度も試行錯誤されたとお聞きしました。
市村:ボクタノらしさも出してほしいし、松竹さんの舞台の稽古着というところも大切にしたいし、そのバランスがすごく難しかったですね。修正をお願いすることもあったけど、彼らは最後まで食らいついてがんばってくれました。

はるき悦巳先生の生誕70周年の際、市村さんからTMCさんに声をかけられたと伺いました。どんな経緯だったんでしょう?
市村:ちょうど僕が原作やキャラクターの版権を管理するようになった時期で、「この作品をどう若い世代に伝えていくか」を考えてたんです。大阪のカルチャーを担っている若い人たちのところに『じゃりン子チエ』を届けたいと思って、TMCさんに声をかけました。
新世界を拠点にしているTMCさんは、作品の舞台ともリンクしますよね。
市村:やっぱり大阪どうし、ノリが合って話もサクサク進んで、やりやすかったです。いい意味で力が抜けて、お互いアイデアが出しやすい雰囲気で。

ボクタノ×じゃりン子チエってすごく幸せな出会いだったのかなと思います。市村さんとしては、作品を若い世代にも知ってほしいという想いがあってのコラボだったんですね。
市村:『じゃりン子チエ』を好きでいてくださる方は、本当にかけがえのない存在です。でも、若い人にも読んでもらいたいという想いがあって。原作から時代も大きく変わりましたけど、今の時代の人にも本当に面白い作品だと思うので。スマホも出てきませんから、今読むと逆に新鮮だと思います。誰が読んでも、どの世代が読んでも面白い作品なので、ぜひ若い世代にもバトンを渡していきたいです。
たしかに、『じゃりン子チエ』の物語って普遍性があるというか。
市村:そうなんですよ。昔アニメを観て、“大阪弁のガチャガチャした作品”って思われてた方が、大人になって読んだらぐっときて印象が変わったと言ってくれるんです。なんとなくしか知らないって方は、ぜひもう一度作品に触れてほしい。また違う魅力に気付いてもらえると思います。
その点では、今回の舞台にも期待されているところは大きいのでは?
市村:そうですね。脚本も原作へのリスペクトをすごく感じますし、稽古を拝見しても、役者の皆さんの表現力に驚きました。現場の皆さんが『じゃりン子チエ』を楽しんでくれているのが感じられて、嬉しかったです。どんな舞台になるのか楽しみです。
Tシャツもすごく喜んでくださってましたね!
市村:TMCさんががんばってくれたのを知ってたので、嬉しかったです。この雰囲気のまま、笑顔の多い稽古場になったらいいなと思います。
続いては、演出の村角太洋さん。今日は稽古初日を迎えられましたが、今のお気持ちは?
村角:稽古初日はいつも緊張するんですけど、今回はこれまでにない緊張感でした。出演者の皆さんが豪華ですし、なにより原作がファンの多い作品ですから。初日は“どう空気をつくるか”がミッションでしたが、皆さんがすごく和気あいあいとしてくださって、Tシャツで一気に場が温まりました。あれはチームがひとつになる大きなスイッチでした。

緊張されたというのは意外です。
村角:普段は自分で脚本を書いて演出もするんですが、今回は演出だけなので。演出だけのときは、どれだけ客観的に作品を見られるかが重要になります。自分で書いていると答えが脚本にあるけど、演出のときはそれを役者さんと同じように紐解いていくという作業なので。その分、冷静に作品と向き合う緊張感がありました。
今回はわかぎゑふさんの脚本ですが、最初に読まれたときの印象はいかがでしたか?
村角:ふっこさん(わかぎさん)は大阪の芝居をつくるスペシャリストですから、大阪の空気感がしっかりあって、しかも原作を芝居にするときの立ち上げ方が上手なので。あとはその台本をどう僕なりに舞台にしようかということは考えましたね。
演出としては、どんな『じゃりン子チエ』を描きたいですか?
村角:まずは、原作の強さを大切にしたいです。その上で、やはり舞台は生身の人間が演じるわけですから、そこの面白さ、各俳優さんの個性というのをうまく融合するような作品にできれば。チエとテツ、ヨシ江さんとテツ、その感情のぶつかり合いとかが目の前で起こるので、そこは丁寧に作りたいなと。原作、アニメ、そして舞台『じゃりン子チエ』というのを、ひとつのジャンルにできたらいいなと思ってます。

原作ともアニメともまた違った『じゃりン子チエ』が観られるわけですね。村角さんは、『じゃりン子チエ』という作品については、どんな印象をお持ちですか?
村角:僕は鹿児島出身で、小学2年生の時に京都に来たんですが、それ以前に4歳の時、いちばん下の弟が入院するので京都のおばの家に預かってもらっていた時期がありまして。その当時テレビで観ていたのが『じゃりン子チエ』でした。その頃の記憶と一緒にすごく残っている作品なんです。特に、小鉄が大好きで。猫なのに人間味があって、子どもながらに憧れてました。だから今回の小鉄やアントニオ Jr.の配役には、個人的にもワクワクしましたね。自分の中の“あの頃の印象”を、30年以上経ってようやく形にできた気がします。
物語の舞台である昭和からずいぶん時代は変わりましたが、現代に上演するにあたって、意識していることはありますか?
村角:原作を読めば読むほど人と人との物語だと感じるので、普遍的なところがあるのかなと。今は人と人とのつながりが薄れている時代だからこそ、逆にあの頃の世界観なら素直に人情や絆を描けるというか。コテコテにやっても、ちゃんと美しいものになるのかなと思います。

大阪松竹座での公演は、今回がさよなら公演になりますね。
村角:そうなんです。僕にとって松竹座はすごく勉強させてもらった劇場で、花道や回り舞台といった、ここにしかない仕掛けの使い方をたくさん学ばせてもらいました。いつかもっといろんな演出をやりたいと思っていたところでの「さよなら」なので、正直無念さもあります。けれど、最後にこの劇場でこの作品を演出できるのは本当に光栄です。だからこそ、これまで得たことを全部使って挑みたいです。
ということは、舞台装置もフル活用される予定ですか?
村角:もちろんです。せっかくの松竹座ですから、花道も回り舞台も贅沢に使いたいと思ってます。
最後に、お客さまへメッセージをお願いします。
村角:「さよなら公演」とついていますが、明るく笑ってお別れできるような、そんな舞台にしたいと思っています。物語もポジティブですし、寂しさよりも、楽しい気分で帰っていただけたら。俳優の皆さんも本当に前向きで、稽古場の雰囲気が明るい雰囲気なので、『じゃりン子チエ』の力ってすごいなと感じています。これから1か月、楽しく稽古して、その空気をそのまま舞台に持っていきたいですね。
<INFORMATION>
松竹創業130周年 大阪松竹座さよなら公演『じゃりン子チエ』
期間: 2025年11月15日(土)~25日(火) ※17日(月)は休演日、22日(土)は貸切
会場: 大阪松竹座
チケット: 1等席 12,000円 / 2等席 7,000円 / 3等席 3,000円


THEモンゴリアンチョップス
安藤 仁彦(左) 山本 健太(右)
大阪が誇るGOING MY WAYなブランドとして熱狂的なファンを抱え、自分たちの概念をそのままブランドにした<BOKU HA TANOSII>や、バス釣り好きが興じてスタートした<TASF>などを展開。スキンヘッドにメガネが基本スタイルで、ふざけたように見えつつも、誰も真似できないものづくりを続ける職人気質の2人。小学生の頃の夢は、バスプロ(安藤)とルアービルダー(山本)。
https://store.bokuhatanosii.jp/
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