今、何を考えてる?『THEモンゴリアンチョップス』の2⼈の頭の中、覗いてきました。

⼀度聞いたら忘れない名前と、坊主頭にヒゲをたくわえたメガネの2⼈組。個性的という簡単な⾔葉じゃ表現できない、愛国⼼とエポックメイキング感が交錯した「好きな⼈に刺さる」アイテム。2013年にブランドを⽴ち上げて以来、あっという間に⼈気ブランドとなった『THEモンゴリアンチョップス』ですが、彼は⼀体どんな想いで服を作ってるのか?いつもどんなことを考えてるのか?真⾯⽬な話も聞きつつ、熱烈なTMCファンなら分かる“おば膝”的なノリも引っくるめて、ブランド代表の安藤仁彦さんとディレクターの⼭本健太さんにお話を聞いてきました。と⾔うか、2⼈の今の頭の中を、パカっと割って覗いてきまし た!

バスプロ、ボトム、すもも、楽しむ…、つながらない点と点がつながる?

2⼈のことを伺う前に、まずは⼀問⼀答で進⾏したいと思います。

安藤:了解です!
⼭本:嘘つかないようにします(笑)。

⼩学⽣の頃の夢は?

安藤:バスプロ。
⼭本:ルアービルダー。

初めて買ったファッションアイテムは?

安藤:スカジャン。
⼭本:エビスジーンズのデニム。

毎⽇のコーディネートはどこから決める?

安藤:ボトム。
⼭本:ボトム!

最近、許せなかったことは?

⼭本:中華屋さんのアレかな?
安藤:それもそうやし、⽜丼屋のアレも。

好きなフルーツは?

⼭本:すもも。でも、最近はパッションフルーツも追い上げてきてる。
安藤:スイカ。⾚い部分がキレイになくなるまで⾷べない⼈は、許せない。

⽇々のルーティーンは?

⼭本:特にないです。
安藤:ゲン担ぎ的なものだと、午後に新しい靴を履くときは、ソールにツバをつける(笑)。

2⼈とって「おばーちゃんの膝炙り」とは?

安藤:有益な情報が⼀切ないもの(笑)。
⼭本:リスナーの時間を無駄にするもの(笑)。

※「おばーちゃんの膝炙り」とは、『THEモンゴリアンチョップス』のYoutubeチャンネルの名称。
 通称「おば膝」と呼ばれ、ラジオ⾵に2⼈のトークを垂れ流している。

ファッションの道に進む転機は?

安藤:⾊気づいて。
⼭本:担任の先⽣に夢をディスられて。

今、夢中になってることは?

⼭本:釣り!
安藤:釣り!

変わらず⼤切にしてることは?

⼭本:楽しむこと!
安藤:同じく、楽しむこと!

ファッションの道に進んでなくても、2⼈は出会ってたかもしれない。

いろいろ気になる解答があるんですが、まずはファッションのことについて。最初に買ったアイテムはスカジャンとエビスのデニムだったんですね。

安藤:⼩学⽣の頃の夢ともつながる話なんですけど、マジでバスプロになりたかったんですよ。お⼩遣いやお年⽟も釣り道具に散財してたし、腕が折れてもギブス付けて釣りしてましたから。

2⼈が作業する事務所にはアメリカで買い付けたフィギアなどがズラリ。防犯対策も抜かりないそうです(笑)。

ガチ勢ですね!?

安藤:ガチです。でも、中学2年⽣のときに彼⼥ができてね。その彼⼥のお兄ちゃんがオシャレで、スカジャンを借りてたんですよ。それを着てるうちに「めちゃカッコイイや ん!」と思うようになって。スカジャンのルーツを深掘りしてるうちに、どんどんファッションに夢中になり、気がついたら服ばっかり買ってました(笑)。

釣りどころじゃなかったんですね(笑)。⼭本さんは、エビスのデニムを?

⼭本:最初に買ったのはエビスジーンズのデニムなんですけど、そのキッカケも釣りなんですよ。並⽊敏成さんという今もバスプロで活躍してる⽅がいるんですが、その⼈の履いてたデニムがエビスジーンズでね。「なんや、あのデニムは!?」と思って、いろいろ調べ倒してお店を⾒つけ、琵琶湖の近くにあった直営店まで買いに⾏きました。

琵琶湖まで!当時もファッションに興味はあったんですか?

⼭本:全くないです(笑)。並⽊さんが履いてるってことが、全て!中学3年⽣まで、ずっと釣り三昧の⽣活でしたから。

でも、担任の先⽣にディスられてしまったと。

⼭本:将来はルアービルダーになりたかったんですよ。でも、進路相談の書類で将来の夢を書く欄があって、そこにルアービルダーと書いてたら…。担任の先⽣が、「なんやルアービルダーって。ボディービルダーみたいやな!(笑)」って。

安藤:うまいこと⾔うてるけど(笑)。

⼭本:そう⾔われた瞬間に、「もうエエわー」ってなりました。世の中、こんなもんかと(笑)。

このルアーは、⼭本さんのハンドメイドによるもの。いつでも釣りに⾏けるように、事務所にはロッドなどもしっかり備えてます。

⼀瞬で覚めてしまった(笑)。でも、2⼈揃って釣り経由でファッションなんですね。

安藤:お互い中学の頃に転機があったんです。でも、2⼈ともガチで釣りをしてたから、そのままこじれずに進んでたら釣りの世界で出会ってたかもしれないなと。

⼭本:それはある。ブランド⽴ち上げた当初も、息詰まったら2⼈で釣りしてたし。

安藤:オレのカブに2ケツして、奈良まで⾏ったよな。釣りしてるほど、余裕なんか全然なかったのに(笑)。

⼭本:当時はお⾦も時間もない、ワケの分からん状態やったんです(笑)。

何を着るか、どう着るかの前に、THEモンゴリアンチョップスのDNAがある。

2⼈ともコーディネートは、ボトムからなんですね。

安藤:いきなりこんなこと⾔うのもアレなんですが、僕らはもう完全にファッションの⼈ではないかも。特に⼭本の⽅が、早い段階でファッションの⼈ではなくなってたんで。

⼭本:けっこう前から⾔うてるんですけど、世界で⼀番ファッションに気を使わないデザイナーを⾃称してます(笑)。

2⼈の⽇常会話が、ものづくりのアイデアソース。話し込むことで、今でもお互いの知らなかった部分が⾒えてくるそうです。

そうなんですか(笑)

安藤:僕はギリギリまで気にしてたんですけどね。もちろん、ファッション的な感覚には ⾃信があるけど、⾃分が着る服は別の話。『THEモンゴリアンチョップス』というブランドには2⼈の全てが詰まってるわけで、例えば、僕らのファッションミューズであるスタッフのイーグル野村が着こなす姿を⾒て、「カッコイイ!」と⾃分が思えたらそれでOK!世界観はできあがってるなと。

⾃分たちが着こなす必要はないと?

⼭本:僕らが作った服なんで、何をどう着ても結局は『THEモンゴリアンチョップス』になるんですよね。変に気負う必要もないなって。

安藤:だから毎⽇、前⽇に脱いだままになってるボトムを拾い上げ、穿く。そして、適当にトップスを合わせる、みたいな(笑)。

脱ぎっぱなしのボトムを放置してて、奥さんには怒られないんですか?

安藤:…………、奥さんも脱ぎっぱやから(笑)。

⼭本:それ⾔うたらアカンやろ(笑)。

『THEモンゴリアンチョップス』のファッションミューズでもある、スタッフのイーグル野村さん。
店内に飾られた⼈形は、敬愛するIMA:ZINEの⾕さんの“⾕⽴ち”ポーズ決めてます。

ちゃんと残しておきますね(笑)。でも、⼭本さんもボトムですよね?

⼭本:そうなんですけどね。わが家の場合は、次の⽇ボックスっていうのがあるんですよ。

安藤:何それ?
⼭本:デニムって、基本は洗わないんで。洗⾯所に、今⽇着てるけど次の⽇も着る服を⼊れておくカゴがあるんです。それが、次の⽇ボックス!だから、朝起きて次の⽇ボックスからデニムを出して、穿く。それだけっすね(笑)。トップスとかは、洗濯して乾いてるものを着る!後は、気候に合わせる程度です。

やっぱりデニムは洗わない(笑)。

⼭本:もちろん!まぁ、何を合わせるにしても⾃分たちで作ってる服なんで、どれを着ても恥ずかしくないし。そこに気づいてからは、⾃分の服を意識しなくなりましたね。

安藤:作った服には僕らのDNAがあるしね。それ以外は、洗濯のペースに合わせて、着てるだけです(笑)。

オジサン靴へのオマージュから⽣まれたGYOZA-SKY WALKERは、ビブラムソール仕様。ボトムはもちろん、デニムです。

達観してますね。ちなみに、話が変わりますけど、最近許せなかったアレって、何ですか?

⼭本:中華屋のアレやんなぁ?

安藤:そうなんけど、昨⽇も遭遇したんよ。

⼭本:マジで!?

安藤:ホンマに。もともと⼭本がキライなことやったんですけど、僕もキライになってしまってね。あの、ごはんを⾷べるときに「くちゃくちゃ」鳴らす⼈いるじゃないですか? アレですよ!

ハカマルイチやIRISH雪駄など、アイテムのネーミングにとことんこだわるのも彼らならでは。
ネーミングから着想してアイテムを作ることもあるそうで、服好き⼈なら分かるユーモアが溢れてます。

え?

安藤:⽜丼屋さんでまた遭遇したんですよ、くちゃくちゃオヤジに。隣からあの⾳が聞こえてきたら、マジで⾷欲が消える。

⼭本:⼀度気になったら、⾃分の空間をくちゃくちゃ⾳に⽀配されるからな!

安藤:イライラするというより、勘弁してーって感じ。

⼭本:イビキとか⻭ぎしりと同じジャンルですけど、くちゃくちゃ⾳はタチ悪いですから。

安藤:マジで、⽇常に潜んでるからな。

⼭本:そやねん!それに、くちゃくちゃする⼈は、くちゃくちゃする顔してる。ホント、遭遇しないように気をつけてくださいね(笑)。

安藤:気をつけてください(笑)。

てっきり仕事か何かの話かと思ってました…。気をつけます(笑)。

僕らのものづくりって、やっぱり楽しむことが原点。

今、また夢中になってるのは、昔にどハマりしてた釣りなんですね?

安藤:お互い⼩学⽣から中学⽣にかけて夢を⾒て、ブランド⽴ち上げ当初から息抜きにしてましたが、今はまたガチです(笑)。

⼭本:毎週⽕曜⽇は釣りの⽇って決めてるんで、2⼈で⾏くか、知り合いのブランドの⽅と出かけてます。関⻄圏のスポットに⾏ったり、遠出できないときは淀川とかね。

安藤:でも、気分転換に釣りしてたのにガチだから、全然リラックスもできない状況なんです(笑)。

毎週⽕曜⽇は『TASF』のフィールドテストも兼ねた釣り曜⽇。ガチモードですが、楽しんでる感がひしひしと伝わります。

そこまでガチになる理由って?

⼭本:『THEモンゴリアンチョップス』を⽴ち上げた頃に、実は『TASF』というフィッシングブランドも勝⼿に作ってたんですよ。TOOL ASIST SUPER FISHINGの略で、⾔わば超釣⽀援道具!リメイクアイテム的な感じでワッペン貼ったりして、「どうせ釣りをするなら、ファッションにもこだわりたいよな」ってノリで。

安藤:それからいろんなブランドの⼈に「釣りが好きなんですよー」と⾔ってるうちに、どんどん釣り好きが集まるようになって、釣りに⾏く機会もどんどん増えてってね。オリジナルのアイテムも少しずつリリースするようになり、マスターピースさんともコラボの話を進めるようになったり。

趣味が仕事になったと。

⼭本:まさに!だから、アイテムのテストも兼ねてるので、毎回ガチなんです。

安藤:⽔⾯を眺めながら無⼼になんて、なれない(笑)。でもね、そんな状況も楽しいんです。

⼭本:僕らの原点って、やっぱりそこで、全ての基準が楽しいかどうか。煮詰まって悩んで、とことん突き詰めていったときに、2⼈で答えを出すのが「これって、楽しい?」ってことなんです。

夢中から⽣まれたブランドが、この『TASF』。
今後はリリースするアイテムも増えていくそうで、将来的には琵琶湖のほとりにロッジを建てるのが⽬標だとか。

『BOKU HA TANOSII』も、その流れですね。

安藤:そうですね。『THEモンゴリアンチョップス』が軌道に乗ってきたタイミングで、⾃分たちの概念をそのままブランドにした『BOKU HA TANOSII』を⽴ち上げたから、楽しさがまた広がっていった。そして、今また『TASF』が独り⽴ちできそうな時期に来ていて、僕ら2⼈がその状況を思いきり楽しめてる。こんなブランドにしたいっていうビジョンや強い意志ももちろん⼤切だけど、やっぱり楽しむことが原点であり、僕らの原動⼒だなって思うんです。

⼭本:楽しんでるから、いろんなものを超えていけるし、逆に楽しんでなかったら、混沌としちゃう。

安藤:ブランドごとにアウトプットのカタチは違うけど、今を楽しんでるから気持ちの部分でも、それぞれフレッシュな視点で取り組めるのかなって思いますね。

こちらは『BOKU HA TANOSII』のコンセプトショップにて。新⼈スタッフのビーストは、撮影に備えてメイク直し中です(笑)。

ってことは、おば膝も?

⼭本:アレは、リスナーの時間を無駄にすることをコンセプトにしてるけど、楽しんでますね。ただ、有益な情報はホンマにないです(笑)。

安藤:有益なファッション情報を期待してチャンネル登録してくれてる⼈もいると思うんですが、マジで⾔わない(笑)。ただ、逆の⽴場で考えると、デザイナーのリアルなB⾯を垂れ流してるからオモシロイかなーとは思いますけど。

⼭本:僕らのことが気になって、おば膝までたどり着いたとしても意味不明の世界観やから、「結局、あの⼈たちは何なん?」ってなるんやろな(笑)。

安藤:チャンネル登録者数は微増しつづけてるけど、再⽣回数は毎回変わらんし。誰もが、 謎に思ってるはずです(笑)。

Profile

安藤 仁彦(左) ⼭本 健太(右)

2⼈は専⾨学校の同級⽣。楽しむことをとことん追求するスタイルから⽣み出されるアイテムは、まさにワン&オンリーな世界観。2⼈の素の部分が剥き出しになったYoutubeチャンネルは、興味本位で聞いてみる価値は…アリ。

THEモンゴリアンチョップス
⼤阪府⼤阪市浪速区恵美須東1-7-5
TEL/06-6599-9845
営業時間/12:00〜20:00
定休⽇/⽕・⽔
http://themongolianchoppsss.com

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