植物は、神様からのプレゼント。植物屋<fytó>の寺田悠佑さんが教えてくれる、日常の中にある小さな喜びの見つけ方。


雑草のお花、野花はお金と全く関係なく、ただその存在に気付ける人にだけ、毎日喜びや癒しを与えてくれる、まさに感動させてくれるプレゼントっていう感覚なんです。

クリスチャンになられたのは大学時代なんですか?

そうですね、大学生の時です。母がクリスチャンではあったんですけど、僕自身はそうじゃなくて。でも、どんな仕事がしたいかっていうよりもどんな人になりたいかっていうとこを軸に考えた時に、大事なのは指針となるものを学ぶことだなと思って、改めて自分の意思で聖書を学び始めたら、まさに求めていた指針となるものだったんです。

聖書の勉強っていうのはどういうことをされるんですか?

学問的に知識を入れていくものではなくて、聖書は「人間が幸せに生きていくためのアドバイスを神様が与えてくれた本」っていうコンセプトなんです。そのアドバイスが直接的なものもあればいろんな人のエピソードだったり、それこそイエス・キリストの人生が載ってたりするんですね。そこから今の自分にどう当てはめていけるかとか、今の自分のよくないところをどう改善していけるかとか、自分を見つめ直す時間を毎日定期的に1~2時間くらいとるのが僕の聖書の勉強というか、その材料に聖書を使うっていう感じです。

日々自分の状況や思うことによって、書いてあることの理解の仕方って違ったりするんですか?

例えば人間関係が上手くいかないなと思った時、僕が見つけたアドバイスに「いつも謙虚であって、他の人を、全ての人を自分より上だと思いなさい」っていうような言葉がありました。特に男の人は本能的にマウントを取りたい生き物じゃないですか、男同士だとなおさら。でもそれは人間関係を良くなくさせる原因なので、マウントを取り合う土俵から降りるような「全ての人を自分より上だと思いなさい」というアドバイスは、自分にとってとても大事な言葉で。こういうふうに、全分野において“これ”っていう言葉が見つかるのが聖書の勉強ですね。人生の攻略本っていう感じです。

聖書は人生の攻略本!なるほど、いつも指針となるものが見つかるんですね。

そうですね、大事なことが書いてあって……って、これ大丈夫ですか?記事になりますか?(笑)

いえいえ、全然大丈夫です!

イレギュラーな答えですみません、答えながら、今これ大丈夫かなって(笑)

想像をはるかに超えて、魅力的なお話です。寺田さんの植物を慈しむ感じは、もしかしたら聖書の教えから来てるのかなって今思いました。

それは本当にあると思います。与えてもらったプレゼントに感謝して、愛でているっていう感覚なので。

インスタには、よく野花の写真をあげておられますよね。ご自身が手掛ける植物も、野生に咲いている植物も、どちらも同じように愛でるという感じですか?

いや、むしろ雑草のお花の方が圧倒的に好きなんですよ、僕は。

そうなんですか!?

そうなんです。観賞植物たちも好きですが、でも生活の糧とするために販売するものです。でも雑草のお花、野花はお金と全く関係なく、ただその存在に気付ける人にだけ、毎日喜びや癒しを与えてくれる、まさに感動させてくれるプレゼントっていう感覚なんです。だから、今まで気付かなかったところに生えてるのを見つけたり、見たことのない種類に出会ったら、気持ち悪いですけど、わあ!って声が出ます(笑)

野に咲いているお花のこと、そこまで注意深くみたことなかったです。

知らない野花を見つけたら、すぐ名前を調べて覚えます。ポケモンをゲットしていってるような感覚ですね(笑)

それは毎日楽しいですよね!

雑草はね、本当に気付いて立ち止まって見て喜べるようになったら、通勤で歩いている時間も喜びに満ちた時間になりますから。これから春になると、僕どんどん元気になっていくんです、ここにも咲いてる!いっぱい咲いてる!みたいに(笑)。そういう無償のプレゼントに気付けるようになってほしいなっていう想いも、この仕事をしている理由でもあります。

野花の存在に全く気付いてなかったですね……。でも、野に咲いているお花をプレゼントと捉える感覚は、すごく素敵だと思います。

まさにこの春から、野花を見つけるワークショップをやろうかなと思っているんです。雑草って、見つける習慣がなかったら目に付かないので。参加してくれた人とただただ道を歩いて、いろいろなところに咲いてる野花を見つけるっていうのを無料でやりたいなと。

それはお仕事としてではなく、無料でされるんですか?

自分が無償で与えてもらってる物をシェアしたいっていう気持ちなので。だから、参加者さんからお金を取ることはしたくないなと思います。

なるほど、喜びをシェアすることに対して、お金をもらう事に違和感があるというか?

そうそう、僕自身が全くお金を払わずに楽しんでいるものなので。

人間の脳の仕組み的には、何かしてもらうよりも、何かしてあげるほうが喜べるようになってるらしいんです。
1234
Profile

寺田 悠佑

奈良県出身。兄夫婦のヘアサロンの一角で、2019年より植物屋< fytó>をスタート。植物一つひとつの個性に合わせ、かわいい鉢に植え替えて販売するスタイルが人気。Instagramでは、植え替えやお手入れの方法もレクチャー。フェリシモの冊子『くらそび』で「お世話するしあわせ 植物といっしょ」を連載中。趣味はサッカー鑑戦。

植物はオンラインショップでも購入可能。
営業日やイベント出店などの予定はInstagramから。
https://fyto.thebase.in/

CATEGORY
MONTHLY
RANKING
MONTHLY RANKING

MARZELでは関西の様々な情報や
プレスリリースを受け付けています。
情報のご提供はこちら

TWITTER
FACEBOOK
LINE