トラックで、映像で、リリックで、今の自分をさらけ出したい。大阪を愛するマルチアーティスト・ISSEI TERADAの“初”挑戦。
自分が先輩たちからもらってきたものを、今度は後輩に。

今年12月に控えているISSEIさんのワンマンについても聞かせてください。まず、今年の夏にアーティストネームをISSEIからISSEI TERADAに変えられましたが、何かきっかけがあったんですか?
ビートボックス時代から、本名のISSEIで活動してきたんですけど、自分名義の曲を出し始めると、同じ名前のアーティストが多いことに気づいて。これによって、たまに音楽配信サービス側の手違いで、僕がリリースしてない曲が僕のページにあったり、逆に僕の曲が別の“ISSEI”さんのページで表示されてたりするんです(笑)。問い合わせして対応してもらうのも時間かかるし、これは名前を変えるタイミングなんかなと前々から思っていて。
たしかにISSEIで検索すると、何名か同じ綴りのアーティストが出てきますね。
そんなことを考えているなか、自分の親父が亡くなってしまって。うちは両親が離婚して母子家庭だったんですけど、親父とはたまに遊んでたし、大人になってからも関係は良かったんです。これまでの親父との思い出を振り返るうちに「父親が残してくれた一番大きいものって、名字なんやな」と思うようになりました。じゃあその本名をステージネームにすれば、親父が残してくれたものを背負いながら活動していけるんじゃないかなと。

めっちゃ素敵です!お父さんの分も活躍するという。
しかもあとから知ったんですが、親父も音楽とかデザインの仕事をしていた時期があったらしくて。
やはり親子ですね。一層、TERADAをつけることに意味があるように思てきました。
それで心機一転、名前をISSEI TERADAに変えて、「生まれ変わる・蘇生する」という意味の『Reborn』という曲を作りました。
『Reborn』は、トラック・歌詞・映像を全てセルフプロデュースされている1曲ですね。
ちなみに12月に出るEPは、この『Reborn』が軸になります。さっき「リリックの内容はフィクションの時もある」という話をしましたが、一旦そういうのはやめて、全曲、自分のリアルを歌うことにしました。もちろんこれまで出してきた自分の作品を否定するとかではなく、「今の自分はこうっす!」というのを伝えたくて。それもあって、EPリリースからのワンマンライブ開催の流れに至りました。しかもミュージシャンとしての僕だけじゃなく、映像クリエイターとしてのISSEI TERADAも見せたいので、全曲映像ありでライブをします。音楽、ビートボックス、映像、衣装、演出など、僕の全部が分かるようなワンマンにする予定です。これを見に来てもらえれば僕のことが分かるというか、「あのライブ、めっちゃ“ISSEI TERADA”やったな~」って言って欲しいっすね(笑)
まさにこのインタビューで話されたことがぎゅっと詰まってる感じがしますね!最後に、ISSEIさんが目指しているアーティスト像をお聞かせください。
目標は何個でもあるんですけど、1つ言えるのは、自分は武道館やドームといった場所で大規模にやるタイプじゃないということです。

というと?
お客さんからの声が、ちゃんとダイレクトに聞こえる距離感でライブするのが好きなんです。ステージからみんなの顔が見えて、お客さんからも僕の顔が見えて。そういう距離感の会場だと、『ビルボードOSAKA』ではやってみたいですね。

そういうことですね。ISSEIさんとビルボードはきっと相性良いでしょうね!
あとは今ソロを頑張ってる大きな理由の1つに、KOPERU&ISSEIから名前を変えたHYPER TAMADEというユニットの存在もあります。今、KOPERUが梅田サイファーのツアー中ということもあって、僕らのユニットの方はゆっくりになっているんですが、むしろこの期間が2人にとっての修行期間だと捉えて、僕もアグレッシブに活動しようと思えました。互いの修行期間を乗り越えてから一緒にやったら、相当良いものが生まれる気がしています。来年はそのあたりの活動もガンガンいきたいですね。

映像の方はいかがですか?これからやってみたいことなど。
映像に関しては、依頼をいただく規模も徐々に大きくなっているんですが、それこそいつになっても初心を忘れず、地元のアーティストのビデオも撮りたいですね。「予算が組めなくて…」という若い子らにとっての駆け込み寺になりたい。やっぱり自分自身もそういう先輩らにめっちゃ引っ張ってもらったからこそ今があるので。後輩が増えていくにしたがって、自分が先輩からもらったものを伝えていく責任が出てきてるんじゃないかなと思うんです。
めっちゃ良いですね!バトンが次の世代に受け継がれていくという。
とはいえ、後輩に負けないよう自分もアーティストとしてやっていきたいですけどね。偉そうに話してますが、言ってもフロントマンとしては全然年数は浅いので、新人という気持ちでやってます(笑)
たしかに。ISSEI TERADAとして“リボーン”したばかりですしね(笑)
その通りです。リセットしたばっかりなので、ルーキーくらいのフレッシュな気持ちで頑張ります!

<ISSEIさんお気に入りスポット>
SPORTY COFFEE(大阪市中央区西心斎橋1)
店舗を持つ前から「コーヒースタンド兼アパレルのお店をやりたい」って話を聞いていたんですけど、お試しとして、当時僕がやっていたギャラリー兼アパレルショップの『kelp』で、間借りスタイルのポップアップをやったりしていました。実店舗ができた後は、逆に僕らがSPORTYのウッドデッキのスペースでイベントをやらせてもらったりもして。長い付き合いですね。
FAT DOG STAND(大阪市中央区谷町7)
そのSPORTYでのイベントの準備で、外の壁一面にポスターをぎっしり貼る作業をしていた時に「手伝いましょか?」って声をかけてくれたのがタクちゃん(FAT DOG STAND店主・佐竹拓哉さん)やったんです。その頃、タクちゃんもまさに店を出す直前やったんですけど、話してみたら同い年というのも分かってすぐ仲良くなって。それ以来、頻繁に食べに来ます。
<INFORMATION>
ISSEI TERADA NEW EP『DDD』
ジャンルにとらわれず自由なサウンド作りで構築された、ISSEI TERADA名義初のEPが完成!コーラスにFurui Rihoが参加したリードシングル「Reborn」や、カントリー調のピースソング「DDD」、旅立った人への想いを綴った「Hazy」など全5曲収録!
配信日:2025年12月10日(水)
配信先:Apple Music/Spotifyほか各配信サービス

ISSEI TERADA ONEMAN LIVE 【ISSEI TERADA】
日程: 2025年12月21日(日)
場所: CONPASS(大阪市中央区東心斎橋1-12-20 心斎橋ダイワビルB1F
時間: OPEN 18:00/START 19:00
料金: ¥3,500

ISSEI TERADA
ヒューマンビートボクサー、ビートメイカー、映像ディレクター、デザイナー、そしてフロントマンと多様な顔をもつ大阪出身のマルチクリエイター。ヒップホップを軸に幅広い音楽のエッセンスを落とし込んだサウンドと、洗練されつつもどこかに彼独自のユーモアを感じさせる映像作品の二刀流で幅広く活動し、今ではメジャーシーンからのオファーも多数。Produce・Lyric ・Act ・Director...と、さまざまな形でクレジットされる彼の名前だが、2025年にはそのアーティストネームをISSEIから本名・ISSEI TERADAへ改名。それを皮切りに、シングル・EPのリリースに続き、初のソロワンマンを敢行。長いキャリアにおける転換点を経て、さらなる飛躍を予期させる。