いいイベントは、いい人から。『六感音祭』を主催する増田京平さん&智穂さん夫婦から発せられる、心地よくも力強いグッドバイブス。

「出会い・繋がり・輪(縁)の調和。そこに実在する第六感を研ぎ澄ませて」をテーマに、2022年3月にスタートした『六感音祭』。神戸・塩屋の海を一望できる旧グッゲンハイム邸を舞台に、音楽はもちろん、人気店のフードや高感度なショップなど、音・食・モノをまるっと気持ちのいいロケーションで楽しめるイベントとして話題を集めてきました。そしていよいよ迎える今年3月の第4回は、会場を服部緑地野外音楽堂に移しての開催が決定。立地もキャパシティも大幅に変化する第4回の『六感音祭』は、いったいどんなイベントになるのか。第1回から企画・運営を行っている増田京平さん&智穂さんご夫婦に、第4回の会場となる野外音楽堂でお話を伺ってきました。そもそもこれだけの規模のイベントを夫婦2人で主催しているというのも驚きなわけで、立ち上げのきっかけから過去3回の振り返り、お2人の馴れ初め的なことまで、たっぷりインタビューさせていただきました。『六感音祭』の心地よさをそのまま体現するようなお2人の空気感に触れるほど、イベントへの期待がますます高まること間違いなし!素敵なエピソード満載のインタビューを、最後までじっくりお楽しみください。

第六感ってインスピレーションを受けるところですよね。その五感以外のなにか、言葉に表せない感情って、自分が発信する側になった時のエネルギーとしてすごく大事かなと思っていて。(智穂)

MARZELでは第2回の『六感音祭』におじゃましてレポートさせていただきましたが、そもそもこのイベントは、どんなきっかけでスタートしたんでしょうか?

智穂:私はもともとサウンドクリエーターという会社にイベンターとして勤めていたんですけど、気になっていた会場のひとつが旧グッゲンハイム邸だったんですね。実際に下見をさせてもらった時に、あのロケーションとあの景色を見て、絶対ここでイベントしたいって思って。そのことを増京(京平さんのニックネーム)とか、仲良しのミュージシャンのてらさんに話したらすごい盛り上がって、そこから知り合いとか友達とかも一緒に、みんなでやってみる?って感じで始まりました。

旧グッゲンハイム邸という場所があって、企画がスタートしたんですね。

智穂:そうですね、最初は場所ありきで、そこで何かやりたいって。

京平さんと智穂さんは、もともとお知り合いだったんですか?

京平:僕は今も当時も音楽とは全然違う仕事をしてるんですけど、土日はてらさんのライブのお手伝いをしてたので、音楽関係の人脈が広がって。そんな流れで、友達と行ったライブの打ち上げで、そのライブを企画していた彼女と知り合ったっていうのが馴れ初めです。そこから、僕の友達とかも紹介してつながって、みんなで飲んで盛り上がったノリで、グッゲンでなんか企画やってみようってLINEグループ作ったところが始まりですかね。

お酒の勢いで作ったLINEグループが最初なんですね(笑)

京平:なんかやりたいなって言ってるだけではやらないから、とりあえずLINEグループ作ろう!って強制的に。

そこから、どう具体的に企画を進めていったんですか?

京平:当時は智穂ちゃんがイベント会社に所属していたので、あくまでも主催はイベント会社で、そこに僕らの提案をミクスチャーする形で。企画書とかも彼女が作ってくれたので、僕らはこんなアーティストとかショップを呼んだら楽しいんちゃう?っていう意見を出して、それをがっちゃんこするみたいな。本当に最初は身内だけで、持ち寄りみたいな感じでしたね。

智穂:ただアーティストに関しては、旧グッゲンハイム邸っていう会場のロケーションや空気感をフルに生かしたいっていうのが前提にあったので、そこはすごく慎重に考えて。自分たちが、ここで見たい!っていうアーティストをピックアップさせてもらいました。

第1回のアーティストは、てら(band set)、WANG GUNG BAND、ゆうらん船、横沢俊一郎、東郷清丸というラインナップで。

京平:グッゲンという会場を考えた時に、ゆうらん船というバンドがけっこうキーになっていて。結果的に3回とも出演してもらったんですけど、そこを軸に違うゲストさんを呼ばせてもらうような感じでした。

飲食や物販の出店者さんはどのように選定を?

京平:各々の付き合いのあるところとか、紹介とかつながりとかも色々ですね。ブランドを立ち上げてまだWEBでしか展開してなかった子とか、智穂ちゃんの出身地の鳥取県のカレー屋さんとか、友達まわりをわーっと呼んだみたいな感じで。今振り返ると、すごい好き放題やったなと思いますね。

智穂:たまたま集まったメンバーが飲食の人とか、ブランドを作ってる人とか、ミュージシャンとか、すごくいいバランスだったので、そこは良かったかなと思います。

なんかやってみる?から始まった第1回ですが、実際に開催されてみてどうでした?

京平:当時はまん防(※まん延防止等重点措置)とかでお酒が出せなかったり参加人数の制限があったりしたんですけど、それでもキャパいっぱいまでお客さんが入ったので、結果的には盛況だったと思います。振り返れば反省点もたくさんあるんですけど、最初にしては良かったかなって。

智穂:私はイベンターの時から自主企画とかはやってたんですけど、ジャンルの違う人と一緒に企画するのは初めてだったので、終わってからみんながすごく楽しかったとか、また出店したいって言ってくれたのが嬉しくて。お客さんはもちろん、演者さんやスタッフ、出店してくれる人全員がハッピーに終われるイベントがしたいなっていうのを改めて思いました。

お仕事で企画するのとは違う部分がありました?

智穂:当たり前ですが、全部自己責任になる。でも、その分演者さんや出店者の方たちとはよりフラットな関係を築けるようになった気がします。会社という枠組みではなくなるので、本当にゼロからのスタート。リスクもあるけど私はプラスになった事の方が多いかなと思います。

第1回を振り返って、印象に残っている出来事やエピソードがあればぜひ。

京平:あ、こういうことやったんやなっていうのがひとつあって。鳥取から出店してくれたアジパイっていうカレー屋さんの京都の系列店でバイトしてた子が、当日スタッフで入ってくれてたんですね。そしたらその子と、出演していたゆうらん船の本村拓磨くんが、昔インドで偶然知り合ってて。インド以来、久しぶりに『六感音祭』で顔を合わせたんですよ。それを目の当たりにした時に、こういう出会いを生む場になってるのかな、僕らのやりたかったことってこれなんかなって。

テーマである「出会い・繋がり・輪(縁)の調和。」の部分ですね。

京平:狙ってそういう場を作ろうとしたわけではないんですが、実際にそういう思わぬ再会があったり、僕らが知らないところでも出店者さん同士が仲良くなって、その後に別イベントで一緒にやっていたりとかしていて。テーマとして掲げていたものの答えが、こういうことだったんだなっていうのを1回目で実感できました。

『六感音祭』の名前も、「そこに実在する第六感を研ぎ澄ませて」のテーマから?

智穂:名前の由来は本当にそのままなんですけど、第六感ってインスピレーションを受けるところですよね。その五感以外のなにか、言葉に表せない感情って、自分が発信する側になった時のエネルギーとしてすごく大事かなと思っていて。私はライブに行って救われた経験がたくさんあって、その五感以外のなにかを体感することが多かったので、それをお客さんにも演者さんにも、皆さんに少しでも味わってもらえるイベントにしたいなっていうところから付けました。

アーティストさんでも飲食店でも、とにかく足を使って、出てもらいたいならどこでも行くっていう、そのフットワークを大事にしようっていうのはずっとありました。(京平)
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Profile

増田 京平

兵庫県出身。『六感音祭』『新春DANCEHALL』主催。『Torus.』オーガナイザー。デザイン系専門学校に勤務する会社員という一面も。「学生たちには、30過ぎた大人がこんなに楽しくやれてるよっていうのを見せることで、働きながらでも色々できることを知ってもらえたらいいなと思ってます」。趣味はマラソンとレコード収集。フルマラソンのベストタイムは3時間22分。

Profile

増田 智穂

鳥取県出身。『六感音祭』『新春DANCEHALL』主催。『Torus.』オーガナイザー。大阪の大学を卒業後、アパレル会社、サウンドクリエーターを経て、フリーランスのイベントプロデューサー/クリエイティブディレクションなどを行う。『六感音祭』のフライヤーデザインも自らが手掛ける。

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