表現の場づくりに徹する絶妙コンビ!関西最大級の無料ローカルフェス『GREENJAM』を仕掛ける大原智さん・大塚克司さんに、イベントにかける思いを聞いてみた。

2014年にスタートした関西最大級のローカルフェス『GREENJAM』をご存知ですか?豪華なアーティストによる圧巻のステージや地元の飲食店のフード、多彩なマルシェなどが楽しめるこちらのイベントは、大部分が市民の手づくで構成されており、入場料はなんと無料!地域住民の協力のもと実施される、とっても温かいフェスなんです。3年ぶりの開催になった今年は、第1回より使用してきた伊丹市昆陽池公園から会場を移し、池田市猪名川河川敷運動公園にて行われました。本来なら9月18日(日)、19日(月・祝)の2日間の予定でしたが、残念ながら台風の影響で18日(日)のみに。にも関わらず多くの来場者でにぎわい、会場はイベントを満喫するたくさんの笑顔で溢れました。「市民表現の集い」をテーマに、異なる世代や人種、価値観の人が同じ空間で豊かな時間を共有する『GREENJAM』。イベントにかける思いを、代表の大原智さんと共同代表の大塚克司さんに伺いました。

僕らは高校の同級生。大がかりなイベントになっちゃったけど、『GREENJAM』はずっと遊びの延長にあるもの。

まずは、今年の『GREENJAM’22』お疲れ様でした!19日(月・祝)が台風の影響で中止になったのが残念でしたが、たくさんの人でにぎわった素敵なイベントでした。『GREENJAM』はおふたりを中心に運営されているとのことですが、もともとどういう知り合いなんですか?

大塚:僕らは地元が伊丹で、高校からの同級生なんです。

それは長い付き合いですね。大原さんは現在、イベント運営のほか不動産関係の事業も行っていると伺いました。

大原:イベントや不動産業に加え、映像やデザインなどのコンテンツ制作を請け負ったり、音楽のスクールも運営しています。

確か、もともとバンドを組んでいたんですよね。

大原:そうなんです。次のアルバムのリリースが決まったタイミングで子どもができて、確か妊娠がわかった週の週末がレコーディングだったかな。23歳の時やったんですけど、お父さんのやり方がわからんかったので、とりあえず会社に勤めてみたんです。やけど全然おもしろくなくて、そりゃあ15歳からの多感期をずっとライブハウスで過ごして生きてきたもんなと。それを生かした即金制のある方法が音楽スクールしか思いつかなかったので始めました。僕自身はもう教えてないですが、今でも伊丹、尼崎、川西、吹田辺りにスクールはあります。

音楽への熱量がどんどん派生して、『GREENJAM』などのイベントを始めたんですか?

大原:それはちょっと違うかも。音楽スクールの生徒も順調に増えていったけど、自分が教えることに飽きちゃって。飽きてる先生に教えてもらうのってあんまり良くないことだと思うから、熱量のあるギターの先生やボーカルの先生に現場を任せることにしたんです。それで僕も手が空いて、イベントを企画することになりました。「伊丹でフェスをしたい」というイメージは当時からあったけど、そのためにはやっぱり街の協力が必要だなと。手始めに、伊丹市内で開催していた飲食イベント内にあるステージを手伝い始めたんです。そこから街の人の接点が生まれて、『GREENJAM』の開催に繋がっていきました。

伊丹って街をあげてのイベントが多いんですかね?先ほど駅前を通ると飲食系のイベントの設営をしていました。

大塚:めちゃくちゃ多いと思います。飲食イベントは特に。僕らが小さい時は少なかったですけどね。

大原:だんだん増えていったんかなぁ。今はかなり普及しましたが、北海道でスタートしたバルっていう飲食イベントを、本州で最初に始めたのが伊丹なんです。伊丹は古くから飲食店同士の横の繋がりがしっかりしていて、だから飲食イベントは結構多いですね。街に活気があるのもそれが要因かもしれません。『GREENJAM』も結果的に大ごとになってしまったけど、ずっと遊びの延長でやっている感覚ではあります。

大塚:『GREENJAM』は、僕らが30歳になった年に伊丹市内の同い歳を集めて開催した「30歳式」がきっかけだったんです。

大原:30歳の成人式をやってみようっていうイベントです。みんなに正装して来てもらってね、いわゆる結婚式の2次会みたいな感じ。当時の先生にビデオムービーもらったとかもしたなぁ。

大塚:お酒飲んで友人たちと盛り上がって、そのタイミングで『GREENJAM』の話も挙がりました。

周りにもイベントをやりたい!という人がたくさんいたんですか?

大塚:僕がずっとダンスをしていて、人に教えたりイベントの企画をしたりもしていて、そういう繋がりが多かったんです。音楽のイベントをやってる子たちも知り合いにいたので、いざやるとなれば何でも揃うんちゃうかと。

大原:当時はクリエイターっていう言葉もなかったけど、DIY的に自分たちでクラブイベントしたり市役所の地下で自主的に踊ってる子がいたり。周りにそういう人が多かったので、自然とみんなでなんかできたらいいねという空気があったんです。その熱量が思いのほかどんどん大規模になって、今に繋がっている感じです。

自分がかっこいいと思う人に自信を持って向き合いたい。それが『GREENJAM』を続けるバイタリティなのかもしれません。
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Profile

大原 智

伊丹市出身、『一般社団法人GREENJAM』代表。バンド活動を経て、11年より音楽教室を主宰。14年より地元の同世代の仲間たちと無料の音楽フェス『GREENJAM』をスタートし17年に社団法人化。最近は伊丹の空き物件を改装して物件貸しを行う「sukima不動産」を始め、新たなチャレンジを応援する。

Profile

大塚 克司

伊丹市出身、『GREENJAM』共同代表。通称“かっちゃん”。伊丹中央サンロード商店街にたたずむ『もぐらカフェ』の店主を務めており、その気さくな人柄でみんなの相談役に。ダンスのインストラクターなども行っている。

Event Data

GREENJAM

音楽、アート、ファッション、デザインなどが融合した関西最大級の無料ローカル野外フェス。2014年のスタート以来、市民と一体となり開催されている。

HP:https://itamigreenjam.com/
YouTube:ITAMI GREENJAM公式チャンネル

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