布施ローカル発・ストリート育ちなピザショップ『That’s PIZZA』。地域密着を掲げて10年間、ふたりで積み重ねてきたものとこれから。
この街できっちり顔も名前も覚えてもらえたら、他の店舗でも大丈夫。ウチの職人はみんな、街に育ててもらってるんです。

『That’s PIZZA』といえば、各店舗にいるキャラ立ちのスタッフさんもカッコいいですよね。どうやってスタッフを育成しているのかも気になります。
ヨウヘイ:普通にインスタの求人を見てDMで応募してくるとかですよ。特別なことは特にないですけど、ピザの職人を目指して入ってきてくれる人には、まず最初に「たかがピザやから」って伝えるんです。
そんなに気負って食べるものでもない、と。
ヨウヘイ:そう。現地だとほんまに、子どもからおばあちゃんまで当たり前に食べてる、大阪でいう“お好み焼き”みたいなものなんです。もちろん、技術は世界レベルで教えますけどね。ただ、職人を目指して入ってきてくれる子は全員、この布施店で修行させるんです。

それはどうしてでしょうか?
ヨウヘイ:『That’s PIZZA』に合う人かどうか、街のみんなにジャッジしてもらうんですよ。練習で焼いたピザはご近所に分けるんですけど、ピザの持っていく作法のひとつにしても、街の人は良く見てるんですよね。だから、この街できっちり顔も名前も覚えてもらえたら、他の店舗でも大丈夫。ウチの職人はみんな、この街に育ててもらってるんですよ。

地元にとことん密着だから、地域で愛されている気がします。店を初めてからピザ作りに関して何か変化したことはありますか?
ダイスケ:ピザ職人って、だんだんと自分の手にフィットするピザを作るようになっていくと思うんですよね。その中でもちろん変わった部分はあるとは思うけど、口で説明するのは難しいかも。ただ、生地の作り方はずっと変えていません。
ヨウヘイ:最近は作る時に1秒でも早くピザを出せるよう自分の中でチャレンジしてるかなあ。それは手抜きをするんじゃなくて、無駄な動きを削ぐこと。年間にしたらものすごい時間が節約できるし、その分別の仕事ができるようになる。職人ってそういうもんなんかなあと思ってます。


たしかに、ピザの提供までめちゃめちゃ早いですもんね。『That’s PIZZA』では冷凍の自動販売機でもピザを販売していますが、作り方は一緒なんですか?
ヨウヘイ:チーズの置き方やったりは多少変わるけど、作り方は一緒です。ココで焼いたピザは、店のラボで冷凍、真空してるんです。大阪ではどこも冷凍ピザ始めてなかったので、新しいことができたら面白いかなと。家でのパーティーやお土産など、気軽にいろんな場所で僕らのピザを楽しんでもらえたら嬉しいですね。



梶原 洋平
カフェバー『cafe That’s』を経て、ピザの本場・ナポリにピザ修行に出向き、2015年に『That's PIZZA』を地元の布施で創業。不動のピザ職人として布施店の厨房に立つ。

岩下 太輔
長崎県出身。アパレル業界で働いたあと『That's PIZZA』の立ち上げに関わりピザ職人の道へ進む。主に新店舗の立ち上げや出店、アパレル企画を担当するグループのNo.2。