挫折、転職、運命の出会い。大阪ホットドッグ界の先駆者『FAT DOG STAND』店主の佐竹拓哉さんが歩んできたストリートな生き様と、新章。
下町の雰囲気が残る谷町六丁目に根を下ろして今年で8年。大阪ではなかなか見慣れないホットドッグ専門店として人気の『FAT DOG STAND』を営む、店主の佐竹拓哉さん。『GAKUYA BURGER』の飛松さんから数珠繋ぎ的に取材に至りましたが、話を聞くと生き様は波乱万丈。困難とぶつかっては、その度に誠実に向きあい、ストリート上がりのタフネスで何度もチャレンジを繰り返してきました。そんな佐竹さんの人生からは、何か生き方のヒントになることが見つかるハズ。少なくとも、僕は話を聞いてて食らいました!
挨拶が溢れてる景色に食らって、街のハブになりたいなと。それが谷六を選んだ理由。
今日は佐竹さんのこれまでの人生についていろいろ聞けたらと思うのですが、まずはこの場所でお店を始めるに至るまでをお聞きできたら。
都会にも近いけど、ゆっくりとした時間が流れるローカルな場所がよくて、最初は中津や中崎町の方で探してたんですけど、当時から家賃が高くて。それで不動産屋さんが「めっちゃおもろい場所空いたで」って紹介してくれた物件が谷六やったんです。
狙ってた土地とは全く違う場所に、抵抗はありませんでしたか?
店を始めるまでは一歩も踏み入れたことのないエリアだったんですけど、商店街を歩いた時に、街の人たちの「おはよう」って挨拶が溢れてて、なんてエエ街なんや!って。その光景に一目惚れして即決でした。
たしかに空堀商店街はいつも賑わってて、数多くある大阪の商店街の中でもかなりレベルが高い印象です。
今もほぼ全部の物件が埋まってるんちゃうかな。なんでも売ってるスーパーもあるけど、豆腐屋やったり魚屋やったり、個人商店も毎日賑わってる。ちゃんと地元にお金を落とそうっていう街の人のスタンスがありますね。だから、この街にはチェーン店が全くない(笑)
じゃあ、街にはすぐ馴染めた感じですか?
僕らが気に入った文化やったんで、はじめはとにかくずっと店前を通る人に挨拶してました。僕らも若いし街の毛色とはだいぶ違う存在やったけど、年齢関係なく近所の人らが買いに来てくれたり、普通に受け入れてもらえましたね。みんな優しいです。
当時の谷六の様子ってどんな感じでした?
今と変わらず商店街はずっと賑わってましたね。でも、若い人が集まるような店は『そのだ』くらいだったかな。ちなみに『ごはんとコーヒーnim』と『カジュアル割烹iida』は、僕と数日違いくらいのオープンなんですよ。
最近はお店も増えていて、盛り上がっているエリアだと感じてるんですが、『FAT DOG STAND』はその先駆け的な存在というか。
「イケてる」という意味の「PHAT(ファット)」っていうヒップホップのスラングをモジッて、『FAT DOG STAND』って名付けたんです。妻がコーヒー淹れて、僕はホットドッグを売る。イケてる仲間が出会い集まるコミュニティースペース的な場所を創って、街のハブになれたらいいなって思ってたんですよね。
佐竹 拓哉
レペゼンVALLEY TOWN(谷町)なホットドッグスタンド『FAT DOG STAND』店主。愛称はたくちゃん。元B-boyで、現場の最前線でストリートカルチャーを吸収し、そのエッセンスは店やライフスタイルにも。現在の愛車は自らリビルドした『KONA JAKE THE SNAKE 700』。
Instagram:@fatdogstand