古着屋×ヘアサロン、新しいお店のカタチ。大阪・新町で『beeens』を営むピーナッツさん&マミちゃん夫婦が目指す未来。
ビンテージにはこだわらず、トレンドをキャッチして“今着たい服”をセレクト。最近はY2Kアイテムを中心に買い付けています。
古着のセレクトはどちらの感性を基準にしているんですか?
ピーナッツ:オープン前に2人で買い付けに行って、ある程度の大枠はマミちゃんと一緒に決めました。新しいものは買わないっていう僕自身のこだわりもあるので、その2軸にマッチするものをピックアップしています。今後はお客さんの好みに合わせて買い付けてくる予定です。
お店を見ていると、今の若い子たちにハマりそうなY2Kアイテムを軸にしているのかなと。ビンテージにこだわるというより、その辺りを狙っているんでしょうか?
ピーナッツ:そうですね。ビンテージは好きやから見つけたら買うけど、古いだけのやつはいらんかなって。今着ててかわいい、かっこいい服がメインです。今はY2Kスタイルが人気なので、そういうアイテムを中心に、トレンドを重視してセレクトしています。僕もマミちゃんも幅広いジャンルの服を着るので、これが好きやから集めてるっていうものも特にないですかね。
今はレディースを軸にユニセックスのアイテムを集めてらっしゃいますが、メンズであっても特に仕入れたいものはないですか?
ピーナッツ:ないっすね。『CHAPPIE』の先輩たちも同じスタンスなんじゃないのかな。カルチャーを語ってカッコつけるのとか苦手やし、酒飲んでナンパしてるのしか見たことない(笑)。ほんまに色んな格好してる店やったから、「カッコよかったらええやん」みたいな感じで、ナチュラルに古着を楽しんでる人が多かったんです。僕らもそのマインドは受け継ぎつつ、自分たちの感覚やトレンドの要素を加味して、“今着たい服”が揃っている店にしたいと思っています。
マミ:私も古着は着るけど、その背景に惹かれるというよりかわいいと思って買うタイプ。セレクトショップで買い物することも多いですし。
ピーナッツ:今後は、古着以外もいいブランドがあればやりたいです。今は古着しか知らんから古着屋だけやけど。
マミ:価格帯も高くなりすぎないよう気をつけていて、この値段なら専門学生でも買えるよねっていうラインを狙っています。東京の古着屋を参考にしたりとか。
ピーナッツ:女性ってヘアやネイルにかけるお金も必要やし、今やったらアイドルが好きな子もめっちゃいてる。僕らみたいに古着屋行って飲みに行けたらそれでええやんっていうんじゃないから、買われへんより1点でも買えた方がいいんかなって思うんです。決して安いことはないけど、頑張ったら買えるラインを狙ってる感じ。たまに「安すぎへん?」ってマミちゃんに注意されますけど(笑)
マミ:たぶんちょっとずつ感覚が違うので、それはちゃうやろって思ったらしっかり言います。
今はどんなお客さんが多いんですか?
ピーナッツ:10代から20代前半のお客さんが多いですね。いずれは大人の人にも来てほしいけど、僕らの年齢もあって客層はまだまだ若いと思います。
古着に興味のなさそうな友人が『beeens』のインスタをフォローしてて、ちょっとびっくりしたことがあります。マミちゃん効果なのかなって勝手に思ってました。
マミ:それはめっちゃ嬉しいけど、そういう人はまだ来ていないかも。古着屋に慣れてない人やと、雑居ビルの一室に入るってめっちゃ緊張するんじゃないかな。どうやって来やすくするかは今の課題ですね。私も1人だと入りにくい店とかも多いから、緊張するのはわかるんです。だけどちょっとだけ勇気を持って、入って来てもらえたら嬉しいな。
マミちゃんは、かなりおなかが大きい時に買い付けに行かれてましたよね。そこでの思い出や感じたことを教えてください。
マミ:アメリカに到着して、その余韻に浸る間も無く速攻買い付けスタートって感じでした。時差ボケなんかお構いなく、朝は毎日5時くらいに起きて、20時くらいまで休まず回る。そんな生活を20日間ほど続けました。
ピーナッツ:マミちゃんにとっては初めての買い付けやから、かなり優しめなコースにしたんです。俺はあと2軒回れるなぁとか思いつつ、18時くらいに切り上げてた日もあったんで。
マミ:しんどくないようにしてくれてるのはわかってたけど、やっぱりめちゃくちゃハードでした。1分1秒無駄にできないっていう気合いが、彼を見ていると伝わってきましたね。ランチの後トイレに行きたくなってゆっくりしてたら、「めっちゃ時間かかってるやん」って怒られたりとか。トイレ休憩の時間ももったいないくらい、次の場所に早く行きたいんやって思いました。
その時は妊娠何ヶ月くらいやったんですか?
マミ:7ヶ月くらいかなぁ。結構大きくなってたので、友達には「ほんまに大丈夫?」って心配されていました。実際に行くと、身体はそこまでしんどくなくて、気持ちの方がしんどかったです。ピーナッツと同じように買い付けに行けることを楽しみにしてたけど、彼の気持ちの強さにどうしてもついていけなかったりとか。あとは気心知れた仲なぶん、言われたことに対して言い返しちゃったりとか。私もあかんなってわかってるけど、何か言われるとムッとして言い返したくなるんですよね。
他の人に言われたら素直に聞けるけど、近い存在だとどうしても反抗したくなりますもんね。
マミ:そうなんですよね。買い付け中は一切サボることなくずっと本気やって、それがすごいなと思いました。
ピーナッツ:ほんまに好きで行ってるから。古着屋やってる人は、むっちゃ好きなことやからやれてるんやと思う。
マミ:好きじゃないとできない仕事やなぁと改めて思いました。買ったら終わりじゃなく、モーテルに帰ったら、どんな商品か調べたり仕分けて梱包したり、力仕事もめちゃくちゃあって。私の知らん世界やなぁと。
ピーナッツ:今回はちゃんとモーテルみたいなところに泊まったもんな。車中泊は1回しかしてないで。
マミ:2回やで。
ピーナッツ:あ、2回か。間違えた(笑)
古着屋さんってかわいい服があってもお店のものにしないといけないじゃないですか。それに抵抗はなかったですか?
マミ:買い付け前は「私の服も買ってもいいやろ」って彼に言ってたんです。そしたら「何言ってるん?そんなん無理やで」って言われちゃって、正直「1着くらい買ってもいいやん」って思ってたけど、実際に買い付けに行くとその意味がわかりました。超かわいい服ってそこまで出てこないし、それを商品にすることでお店の価値を上げることができる。だったら自分のものにせず、良い商品が揃ってるお店って思ってもらえる方がええやんって思えました。
ピーナッツ:古着屋はいっぱいあるから他の店で買ったらええねん。店には置かない服とか値段合えへんやつは自分のものにしたらいいと思いますけどね。あくまで僕の持論ですけど。
イサカマミ
1995年生まれ、大阪出身。大阪のサロン『CACHE』で7年10ヶ月勤めたのち独立。カラフルなお洋服が大好きで、古着もハイブランドもジャンルレスに着こなすスタイルに憧れるファンも多い。チャームポイントは弾けるような笑顔。ちなみにおなかの赤ちゃんは8月に生まれる予定だそう。
ピーナッツ
1994年生まれ、大阪出身。アメリカ村の古着屋『CHAPPIE』で5年半勤めたのち独立。ピーナッツは『CHAPPIE』のお客さん時代についたニックネームだそう。昔は服を買うために食費を削っていたほどの古着好き。
beeens hair
住所: 大阪市西区新町1-8-24 FM四ツ橋ビル 7F-A
電話: 予約はLINEより
営業時間: 11:00 〜20:00
休日: 月曜休
shop beeens
住所: 大阪市西区新町1-8-24 FM四ツ橋ビル 7F-B
電話: 非公開
営業時間: 12:00〜20:00
休日: 不定休