【私的録-MY PRIVATE SIDE】 お茶しながら愚痴ったり、MBIT診断で盛り上がったり。『週間マガリ』小西亮さんと歩く、天神橋筋商店街。
コーヒーを飲みながら、話題は大阪のカルチャーシーンについて。

お邪魔したのは、『珈琲院 豆香』。古き良き昭和の喫茶店といった雰囲気のお店です。「この商店街、めっちゃ喫茶店多いんですよ。路地も合わせたら10軒以上はあると思います。コーヒー全然詳しくないですけど、でもお店によってぜんぜん違ってて。近くにある伊吹珈琲店はストロングスタイルで、マイルドでもほかの店のストロングより煎ってます。麗門ってお店は大バコなんですけど、そこもすごい雰囲気が良くて」。豆香にはもう10年ほど通っているという小西さんですが、店名の読み方はいまだにわからないそうです。


決まって注文するのはブレンドコーヒー。「コーヒー好きなんですけど、豆を挽いたり、自分で淹れるとかはしないです。カフェバーやってるのに料理もお酒も興味がないし。全部ちょっとずつ好きなだけで、何かにハマるってことがないんです」。スカしているわけでも、あえて距離を取っているわけでもなく、ハマりたいのにハマれないそうで、「なんのジャンルにおいても本当にオタクになれないというか。今年は推し活をするのが目標です」

ちなみに、学生時代にハマったのは、入学式でもらう学生名簿に載っている学年全員と話すこと。「別に友達になりたいとかじゃなくて、数をこなすのが好きで。高校でもやって、大学でも学部400人ぐらいいたんですけど、全員に話しかけました」。喋った人にはチェックを入れて、希少性のある人と喋れたときの達成感は大きかったとか。「でも当然ながら、嫌われてました。あいつと喋ったらチェック入れられるって(笑)」

コーヒーを飲みながら、大阪のカルチャーシーンについての話をひとしきり。「大阪ってほんまに村社会じゃないですか。カルチャー界隈も100人ぐらいしかおらんのちゃうかっていうぐらい。固有名詞とか人間関係の文脈を共有している人たちで成立している部分が大きいと思うんですよ。誰と誰がつながっているとか、このメンバーが揃えば最強みたいな。これは完全に愚痴なんですけど、僕その固有名詞パーティに入れてもらえないんですよ」。どこへ行っても同じ顔ぶれが並ぶ状況に、距離を感じてきたという小西さん。固有名詞を使わないスタンスでやってきた結果、「一生パラレルですね、交わらない」と笑います。
小西さんによると、大阪のサブカル界隈を支えるのは40代前半が中心。スパイスカレーや立ち飲み、音楽フェスといった文化を牽引してきた中心層でもあります。37歳の小西さんは、ちょうどその少し下の世代。「そのサブカル最強世代を勝手に仮想敵国にして、ひとりでカチコミに行ってるような感覚なんです」

その後はMBTI診断の話に。小西さんは、日本人ではかなり珍しいとされる内向的な「指揮官」タイプ。「指揮官って基本は陽キャが多いらしくて、陰キャの指揮官は相当レアみたいです。MBTI好きに言うと、めっちゃ盛り上がりますね」。内向的な指揮官は、仕切りたがりなのに気にしいという、ちょっとめんどくさい気質。自分でも思い当たるところがあるそうで、「MBTI診断とか別に信用してなかったですけど、ちょっと納得させられました」と苦笑します。

小西 亮
『週間マガリ』オーナー。大阪府豊中市出身。甲南大学卒業。2013年に24歳で、一日店長が日ごとに店を「間借り」するカフェバー『週間マガリ』を立ち上げる。“ヘンな出会いがきっとある”のコンセプトどおり、日々さまざまな変な出会いを提供。日常営業から味園ユニバース、グランドサロン十三などでの大規模イベントまでを横断しながら、大阪のカルチャーシーンに独特の距離感で関わり続けている。