【私的録-MY PRIVATE SIDE】 GOOD TIMESのSHUJIさんが案内する、長居公園〜西田辺のピースな場所。そして、この地で守り続けていきたいこと。


『GOOD TIMES』をいろんなスケーターが集まる場所に。そして、これからもずっと続けていくことが大きな目標。

今日はいろいろと案内してくれてありがとうございました!改めて良い空気が流れてる街だなと思ったんですが、『GOOD TIMES』が長居公園に移転したのはどんな経緯があったんですか?公園内に出店するのって、簡単ではないと思って。

ずっと移転は考えてたんです。僕は平野区が地元で久宝寺緑地で滑ることが多かったけど、昔から長居公園にも遊びに来てたし、久宝寺の子たちもこっちにはよく来てるから、長居公園に移転できたらベストだなと思ってました。それで、タイガーラックスケートボードパーク長居を立ち上げたクルーのヒロアキさんに相談して、長居公園を管理するわくわくパーククリエイト(ヤンマーの子会社)の神原社長を繋いでもらったんです。

神原社長の話はヒロアキさんたちを取材した時からよく聞いてました。スケーターや街の人の想いをきちんと汲み取ってくれるって。

ほんまにその通りで、カルチャーやスケートボードに対してもすごく理解があり、寄り添っていただける方です。いろいろとお話をさせてもらう中で、「スケートボードはスポーツの観点もあるけど、どの世代も楽しめるところが良いところ」という神原社長の言葉が胸に残りました。ショップ移転の想いも伝え、快諾してもらえたので平野区から移って来ることができたんです。

そういう流れだったんですね。パークのすぐ近くにスケートショップがある、まさに理想的な環境だなと。

パークの利用登録や窓口業務、管理、レッスンなども任せてもらってて、運営に関わらせてもらえるのはすごく光栄です。パークのミーティングは週1回あり、神原社長も参加しているんですが、僕らの話をいつも丁寧に聞いてくれます。スラッピーカーブの増設を提案した際も、僕らの想いを汲み取りながら最終的に実現してもらえました。そういうスタンスがありがたいですし、神原社長と話すことで僕自身も成長させてもらってる感覚です。人間的な部分においても、いつも指導していただいてますし(笑)

人間的な部分(笑)。そこも含めて、本当に信頼できるリーダーと一緒に過ごせてるのは、大きいですよね。ちなみに『GOOD TIMES』はSHUJIさんが昴さんとKOUさんを誘ってスタートして、2人は新たな道に進みました。そこの話も聞かせてもらえれば。

昴は中学の同級生で、KOUは昴を通じて高校の時に出会いました。昔からのスケーター仲間だし、ショップも一緒に始めてきたクルーです。今、昴は大工をやってて、KOUは『PALACE SKATEBORDS』で働いてます。別に仲が悪くなったんじゃなくて、「ショップはSHUJIに任せるね」って感じで、僕らそれぞれが自分の道に進んでいった感じです。昴には移転時のショップづくりを手伝ってもらったり、KOUはフィルマーでもあるから作品づくりの映像をお願いしたり、ちょくちょく会ってますね。あとは、2人に悩みを聞いてもらったりとかも(笑)

2022年2月に平野区時代のショップ前で撮影した写真。真ん中がKOUさん、右が昴さん。「あの時の僕、めちゃイキってませんでしたか?」とSHUJIさんは振り返ってました(笑)。でも、顔つきは変わりましたね。

昔からの仲間とショップをスタートし、年齢を重ねながらそれぞれの道を進み、それでも変わらずに関わり合える。やっぱり、ほんまの仲間って良いですね。ちなみにどんな悩みを聞いてもらってるんですか?(笑)

ショップの運営、商品やイベントの企画など、今は自分が中心になって考えてるから、たまに行き詰まることもあるんです。そういう時に飲みながら冗談半分に「もうやめよかなー」とか言うたら、2人は「はいはい、また言うてるわー」って感じで聞いてくれてます。で、次に会った時は「めちゃくちゃやる気出てるで!」って伝える、いつも通りのムーブに。そんな相変わらずな感じではありつつも、応援してくれてることは分かってるし、2人が頑張ってること自体も僕の励みにはなってるんですよね。

伝統芸能的なアレですね。でも、3人時代からSHUJIさん1人になり、意識や考えの変化は大きかったのでは?

今も手伝ってくれるスタッフはいますが、ベースになるのは僕自身。昔は何をするにも3人だったし、3人で考え、3人で成し遂げることが1番でした。でも今は、自分が何をしたいのか。まずそこに意識が向いてるし、考えの起点もそこになったんです。自分に焦点を当てて向き合うことで、「こんなにもふわふわしてたんかー」と考え直すこともあったり、見つめ直すこともあったりするけど、とにかく自分と対話するようになりましたね。それは1番の大きな変化だったと思います。

覚悟の変化ですかね。『GOOD TIMES』を求めて来るスケーターも多いですし、長居公園に移転したという環境の変化も大きかったのかも。

それもあると思います。神原社長やヒロアキさんたち先輩のおかげで移転できたので、この1年間はショップ運営を整えるのに精一杯だったし、とにかく必死でした。みんなの想いに応えたいし、迷惑をかけたくないという気持ちも強かったかなと。

スタッフのサトシさんと。彼は『GOOD TIMES』がサポートするライダーの1人。

『GOOD TIMES』はSHUJIさんにとっても大事な場所だし、スケートボードという大好きなものを形にしてる場所ですもんね。

自分の大好きなことですし、周囲から応援されているからこそ、その期待も裏切りたくはなかったんです。だから、パークやショップにたくさんの人が訪れ、その場でコミュニケーションも深めながら長居公園の魅力も伝えていきたい。それが僕のできる恩返しだと思うので、これからも『GOOD TIMES』をいろんなスケーターや人が集まる場所にしていきたいですね。

素敵な想いとビジョンですね!先ほどの話の中で、「自分が何をしたいのか」に意識が向いてると言ってましたが、ショップ運営以外の部分ではどんなことに熱量を注いでる感じですか?

今はスケートビデオの作品づくりですね。定休日の月曜日は毎週撮影をしてるんですが、ショップの営業終了後に撮影に出かけることも多々あります。ほんまは今回の周年にリリースしたかったんですが、全然間に合いませんでした(笑)。スケートシーンではあるあるな出来事ですが、のんびりしてると時間だけが過ぎてしまうし、ショップのブランディングにも関わることだからクオリティを追求しながら、なるべく早くリリースしたいと思ってます。

SHUJIさんの言う通り、ビデオ作品ってそのブランドやショップをイメージづけるものですもんね。リリース楽しみにしてます!作品づくりと言えば、最近は絵の方はどうですか?中津の『IMA:ZINE』や東京の『kit gallery』での展示も良かったから、どうかなと思いまして。

正直なところ移転してからは、全然描けていないんです。ショップ運営、商品やイベントの企画、スケートボードと作品づくり、それでいっぱいいっぱいの状態で…。なかなか絵を描くことにまで辿り着けてないんですよ。だから、何をするにしてもこのままではダメだなと。なんとなく良い作品は描けるかもしれないけど、「これがベスト!」と言えるものを生み出すのには、今のスタンスでは厳しいと思うんです。アーティストと呼ばれる人は毎日描き続け、毎日考え続けてるわけだし…。ただ、僕みたいにいろいろやってるからこそできることもあるので、どうすればいいか考えながら自分と向き合ってる感じです。

デッキやオブジェなど、『IMA:ZINE』での個展の際に描いてた作品が店内にも飾られています。

なるほど、そういう葛藤もあると。

そもそも僕がショップ運営だけに専念すれば、こんな葛藤もないんですが、性格的に無理なんですよね(笑)。ついつい、その時にやりたいことをやってしまうので。

その時のバランスですよね。やりたいことをやっちゃうのは、自分と向き合った証だし、それを実行できる想いや気持ちがあるのは素晴らしいことだし、やっぱり1番の原動力はそこなので。

そうですね。結果的に、いろいろやってて良かったことも多いんですよ。韓国のショップ『BALANSA』とのコラボは、オーナーのキムさんが僕の絵を気に入ってくれて実現したものだったし。僕自身も撮影や編集をするから、「あの企画のために映像作ろう!」ってこともできるし。

韓国の人気ショップ『BALANSA』とのコラボアイテムも。イラストはSHUJIさんによるもの。パスポート紛失で韓国のPOP UPには行けなかったため、大量にステッカーが刷られたそう。ショップにもまだ残っているので、欲しい方はぜひ聞いてみてください!(笑)

むしろ、いろいろやってることが強みになってますね!(笑)

まぁ、考えても考えても、結局はやりたいことをやる。それが、僕なのかもしれません(笑)

それが、SHUJIさんらしさ!では最後の質問です。『GOOD TIMES』をいろんなスケーターが集まる場所にしていきたいと話していましたが、その部分も含めてSHUJIさんの今後の目標を聞かせてもらえれば!

『GOOD TIMES』は昴とKOUの3人で始めたもので、今は長居公園という立派な場所にショップを構えさせてもらってるから、これからもこの場所を守り、ずっと続けていくこと。そのためにもスケートボードというカルチャーを大切にしながら、ビジネスとしてもさらに軌道に乗せていくことが、大きな目標です。若いスケーターもすごく増えてますし、その子たちはどんどん上手くなってヤバい存在になると思います。もっとサポートできるように地に足をつけて、『GOOD TIMES』を続けていきたいですね。その上で、自分のやりたいことを追求していきたいと思ってます!!

123
Profile

SHUJI KAWAGUCHI

1997年、大阪市平野区生まれ。2020年9月に地元でスケートショップ『GOOD TIMES』をスタートし、2024年9月に長居公園に移転リニューアルオープン。ショップオーナーとしての顔を持ちつつ、ビデオ制作やイラスト制作を通じたアーティスト活動も行う。VERDYプロデュースによるWasted Youthのライダーという一面も。

Shop Data

GOOD TIMES

住所: 大阪市東住吉区長居公園1-1 スケートボードパーク横
営業: 12:00〜21:00(土曜・日曜・祝日は10:00〜21:00)
休み: 月曜

https://goodtimessb.theshop.jp/

CATEGORY
MONTHLY
RANKING
MONTHLY RANKING

MARZELでは関西の様々な情報や
プレスリリースを受け付けています。
情報のご提供はこちら

TWITTER
FACEBOOK
LINE