“交わるセンス”が具現化された、2月15日。『MINGLE FLAIR』に生まれた最高のグルーヴと、オーガナイザーの大上真生さんが見つめるこの場所、この表現のこれからの姿。
空間全体を使って生み出されたグルーヴ感は、ホント最高でした。次のフェーズとしては、もっといろんな人と関係を構築しながら、様々なカタチで『MINGLE FLAIR』を世に届けていきたいと思ってます。

今日はお疲れ様でした!興奮が冷めやらないと思いますがいろいろ聞かせてもらえればと。まずVol.2のテーマは“Manhattan”でしたが、どんな想いを込めて決められたんですか?
Vol.1のテーマは“Venice Beach”で、今回もダンスと深い縁のある都市をテーマにしようと思っていました。イベントも2回目になるので、コンセプトである“交わるセンス”をより具現化したいと考えていたんです。最初はHIP HOPのルーツでもあるBronxにしようと思ってたんですが、それだとダンス好き以外の方々はピンとこないなと。ダンスがイベントの軸ではありつつも、ファッションや音楽好きといったもっと広い層の人たちと交われる場所にしたかったので、Newyorkも良いなとなったんですが…。ちょっとテーマ設定としては広すぎるなと思って。もう少し絞り込んで決めたのが、Manhattanなんです。
今回の会場となったホテルがある本町も、どことなく雰囲気は似てますよね。
Manhattanはいろんな人種、職種の人が交わる場所なので、僕らとしてもそのテーマに合わせて会場のエリアと場所を探してました。本町や淀屋橋界隈は雰囲気も近しいですし、都会感もある。そこでピッタリとハマったのが、Moxy Osaka Honmachi でした。Vol.1よりもキャパを2倍程度にしたかったので、規模感も雰囲気もバッチリだなと。

フロアも一体感が生まれる丁度良い広さですし、吹き抜けも開放的。階段や2階からフロアを見下ろせる空間構成も、ショーケースやライブを楽しむにはピッタリだと思いました。
踊ってる僕らからしても、すごく気持ち良い空間でした。2階を見上げながら踊れたりもしますし、フロアの密度も高いからお客さんたちにアプローチもかけられるんです。あの空間全体を使って生み出されたグルーヴ感は、ホント最高でしたね。
みんなの視線がいろんな角度から集中してましたもんね。イベントが終わったばかりですが、振り返ってみるとどうですか?たくさんあると思いますが、印象的なことを聞かせてもらえれば。
まず、オープン前からたくさんのお客さんが並んでいたのは、すごく嬉しかったですね。どれだけのお客さんが集まるのかちょっと不安もあったので、なおさらビックリでした。フロアも最初から盛り上がってましたし、よく会うメンバーもいれば初めて見かける方もいて、その光景がまず印象に残ってます。

ホテルのエントランスにズラリと並んでましたからね。BBOYやBGIRLをはじめ、アパレル系の方も多かったですし、海外のお客さんもいましたし。
ですよね。聞いたところによると、近所のホテルに宿泊されてる方々が通りかかった時に、「イベントやってるやん!」的な感じで入って来てくれたみたいです。そんな現象はVol.1の時はなかったので、立地もホテルという環境も正解だったのかなと。
まさにテーマである“Manhattan”的な感じですよね。人種、職種を越えて人が交わり、いろんなセンスが化学反応していく感じ。
テーマ設定はすごく難航したので(笑)、僕らとしてもめちゃくちゃ嬉しい光景でした。

報われましたね(笑)。それに、やっぱりショーケースやセッションも最高の盛り上がりでした!
関西を代表するような面々が集まってくれましたし、Yasuminも東京から駆けつけてくれて、僕的には一番イケてるBBOYとBGIRL、そして超強力なDJ陣が集まったと思ってます。個人的な話をすると、特にセッションに集まったメンバーは、このイベントみたいなオーバーグラウンドな場所でやってないんです。アングラなシーンやダンスバトルでバチバチやってる一方で、テーマパークなどで活躍してるメンバーもいたりして、すごく感慨深かったなと。
そこも、“交わるセンス”ですね。
そうですね。そのセッションで言えば、僕らが踊ってる時にダブルダッチのクルーが飛び入り参加してくれたんですよ。会場に来てることは聞いてたんですが、セッションに入って来てダブルダッチを始めるとは思ってなくて。

そうだったんですね。てっきり組み込まれてるのかと思ってました。
あのムーブをしてくれたのは、めちゃくちゃ嬉しかったです。やっぱりいきなり出て行く勇気も必要だし、自分たちの表現で登場してくれたことに僕も感動しました。しかも、セッションしてたメンバーがダブルダッチのクルーと途中で会話して、縄を使った技を即興でコラボしたりもしてたから、そんなコミュニケーションが起こってることも嬉しかったですね。ただ、ダブルダッチは想定してなかったので、縄がフロアの電球に当たりそうでずっとヒヤヒヤしながら見てました(笑)。まぁ、何もなかったのでホッとしましたけど。
それはヒヤヒヤしますね(笑)。でも、これぞセッションって感じですよね。即興の中でいろんなことが生まれていく…、あのグルーヴ感はまさに生き物だなと思いました。途中、ドリンクがこぼれて濡れてしまった床を踊りながら拭いてる姿も印象的だなと。
あれはBBOYあるあるなんですよ。自分を犠牲にして、次の人のために背中とかで踊りながら拭きまくる。良いカルチャーやなって思います。

確かに!大上さん自身は、どうでしたか?前回の時は怪我をしながらのダンス披露でしたが、今回は万全な状態。僕らから見ても、めちゃくちゃ楽しそうだなと。
みんながサポートしてくれたおかげでこの日を迎えられたので、自分は表現するだけ。もう思う存分に踊りましたね。緊張もなかったし、とにかく楽しみました。唯一、課題があったのは自分のMCです(笑)。そもそもMC経験もないし、かっこよく喋りたいけど、どうすればいいか分からなくて…。「YO!YO!YO〜〜〜!」って叫んでたら、友だちからちょっと怒ってるやんと言われたからテンション抑えたりもしてて(笑)。MCは、これからの課題だと思いました。
違和感は別に感じませんでしたけど、そんなエピソードもあったんですね。次回の成長を楽しみにしてます(笑)。お客さんや参加したBBOY&BGIRLからの反応はどうでしたか?
BBOY&BGIRLたちからは「ほんまにありがとうー」って、手を握りながら言われました。僕はイベントを通じて様々なダンスカルチャーも伝えたかったので、アングラなシーンなどでやってる人も呼んでましたが、「いろんなカルチャーを取り入れて、イベントとして成立させてるのがすごい」と言われたりもして、ホント嬉しかったです。エンタメもアングラも、その双方を発信できたことには満足してますね。BEAMSをはじめ、アパレル関係の人たちもたくさん来てくれてましたし、「おもしろい!」「感動した!」という言葉を聞く度に、やってよかったなと。イベント中はフロアをバタバタと動き回っていましたが、自分の目に見えるところでは熱量を感じましたし、みんな楽しんでくれていたと思います。

イベントとしての盛り上がりやグルーヴはみんなが感じていたと思いますが、BBOY&BGIRLの視点から見ても意義のあるイベントだったというのは、めちゃくちゃ嬉しい話ですね。そして、トリを務めたDONGURIZU(どんぐりず)の盛り上がりもやっぱりすごかった。
あの距離でDONGURIZU(どんぐりず)のライブが楽しめるのって、なかなかないですからね。「踊っちゃってー」とブチ上げてくれましたし、最後まで最高のグルーヴを生み出してくれたことに大感謝です。

『MINGLE FLAIR』がスタートし、今回のVol.2でイベントのコンセプト、醍醐味、雰囲気がたくさんの人に伝わったと思います。そうなると気になるのがこれからの展開ですが、大上さん的にはどんな考えをお持ちなんですか?
Vol.1、Vol.2と続けてイベントを開催してきて、みんなが楽しめる空間を作れることが分かりました。誰かのためになることはとても意味があるし、これからも続けていきたいと思ってます。メンバーも一致団結してチーム力も上がりましたし、次回も新たな挑戦を続けてムーブメントを作っていきたいなと。今回でより実感したのは、人と何かを作るのがやっぱり大好きだということです。次のフェーズとしては、もっといろんな人と関係を構築しながら、様々なカタチで『MINGLE FLAIR』を世に届けていきたいと考えてます。
ジャンルを越えていろんな人が楽しんでいたので、これからの展開がホント楽しみです!いろんなカタチというのは、アウトプットはイベントだけではないと。
もちろんイベントというカタチでの場所づくりも一つのアウトプットですが、“交わるセンス”をコンセプトにいろんな伝え方で『MINGLE FLAIR』を届けていきたいんです。クルーとして活動したり、映像を作ったり、ハコにこだわらずにもっとオープンなシーンでセッションしたり。それこそアパレルショップの中でやるのも、場所や表現としても楽しいだろうなと。僕ら『MINGLE FLAIR』はどんどん進化していくので、たくさんの人たちに見たことのない世界をこれからも届けていきたいと思ってます!!

MINGLE FLAIR
“交わるセンス”をコンセプトに、ダンスやファッション、音楽、アート…など、いろんな人のセンスが交わる場所を生み出すために立ち上げられたパーティー。オーガナイザーは、MFlow名義でダンサーとして活動する大上真生さん。次回以降の活動については、大上さんのインスタをCheck!

大上 真生
1998年大阪生まれ。中学生の時にマイケル・ジャクソンのPVを見て、ムーンウォークに憧れてダンスの道に。同時期にダンスを始めた兄の影響とMORTAL COMBATに触発され、以来、ブレイクダンスにのめり込んでいく。高校卒業後はUSJでパフォーマーとしても活動し、2016年に<BEAMS>に入社。MORTAL COMBATの下部組織・ネクストの一員だった時期もあり、現在はチームを卒業したものの、ライフワークとしてブレイクダンスを続けている。そして、2024年9月に“交わるセンス”をコンセプトとした新しいパーティー『MINGLE FLAIR』を立ち上げ、いろんな人が自己表現を楽しめる場所を提供している。