お笑い好きに翼をさずける!!レッドブル主宰の漫才ライブ「Red Bullサンパチ」のイベレポ&スナップ。気になる楽屋裏のチラ見せも!
8月9日(金)、大阪・ミナミの味園ユニバースで開催された「Red Bullサンパチ」。日本各地のローカルチャーを盛り上げるべく、レッドブルが得意とするストリートカルチャーに大阪らしいエンタメ性を融合。関西のお笑い好きとタッグを組んで実現したイベントです。初開催となった昨年は、社会に忖度しないパンクな精神を持つ芸人が集い、独自の笑いで会場を盛り上げました。今年も「大阪のアングラ漫才、見逃してへん?」をテーマに、エッジの効いたネタが持ち味の金属バット、今ノリにノっている黒帯を筆頭に、Dr.ハインリッヒ、デルマパンゲ、鬼としみちゃむ、もも、ジョックロック、フースーヤ、ぎょうぶ、三遊間、空前メテオ、はるかぜとともにといった12組をピックアップ。昭和キャバレーの雰囲気を残すノスタルジックな空間で、800人もの観客が笑いに包まれたあの夜。間違いなく記憶に刻まれる刺激的な一夜でした。今回は、お笑い好きに翼をさずけた「Red Bullサンパチ」をレポート!おしゃれな来場者のスナップと共にお届けします!!
大いに沸いた「Red Bullサンパチ」の全容をお届け!
昨年と同じくオンライン配信はなく、「X」と「串カツだるま」でのキャンペーンによる完全無料招待制。動員数は昨年の2倍以上となる800人、かつオールスタンディング制とまるで音楽ライブのような座組みにも注目が集まっていました。
イベント当日、会場前には各演者のコンビ名が入ったのぼりが掲げられ、19時の開場を心待ちにする長蛇の列が。観客はみんなレッドブルを片手に、期待と興奮に満ちた表情を浮かべていました。
会場へ続く階段のサイドには、金属バットと黒帯の写真がずらり。その奥には、演者のパネルと予告メイキング動画で黒帯が着用していた作業着がディスプレイされ、「もう最高やん!」と黄色い声を上げながら記念撮影する人も。手土産に各演者名をデザインしたエコバッグと手ぬぐい、ロゴステッカーも配布され、観客の期待を高めていきます。
20時の開演5分前、サプライズゲストのZUMAひかるのアナウンスで諸注意が告げられます。金属バットや黒帯と切磋琢磨しながらも、最近コンビ解散を発表した彼を呼ぶという粋な計らいに、熱気が増していきました。
開演時間になると、鬼としみちゃむ・しみちゃむがDJブースに現れ、演者名を盛り込んだラップを披露。早くも歓声が上がり、コールアンドレスポンスも大盛り上がり。「Red Bullサンパチ、スタート!」というしみちゃむのハイトーンボイスを合図にメイキング動画が流れ、ますます興奮が広がります。
今年もトップを任された黒帯の出囃子が流れると、リズムに合わせて自然とクラップが起こり、ステージの幕が上がって2人が登場。のっけから大歓声に迎えられ、「これはえぐいね」と興奮気味のてらうちに、「やりすぎです。気持ちが悪いですね」と大西。そして、話はM-1グランプリ予選前のごとく、楽屋でガチガチにネタ合わせをしていた三遊間をイジる流れに。大阪愛を感じるネタで雰囲気をブチ上げました。
二番手は、先日実施された今宮戎マンザイ新人コンクールで見事優勝したジョックロック。「お笑いの歓声じゃないのよ」と困惑するゆうじろーに、「袖から見ていて震えました」と福本ユウショウ。全身を使ったキレッキレのツッコミが入るたび、ボルテージが高まっていきます。
続くはるかぜとともには、ボケのやすおのハイテンションで会場の空気をつかみ、トリッキーながらも安定感のあるネタで笑いをかっさらいます。平成の人気アニメやゲームを取り入れた親しみやすい内容とハッピーなキャラクターに観客は釘付けになっていました。
空前メテオは、舞台に上がるやいなや、「オオカンドー!」と大門が持ち前のギャグを繰り出します。それに合わせて歓声と拍手が沸き起こり、満足そうな表情の大門を横目に、「なんでも笑うと思われますよ。自分の価値が下がる」と観客にツッコむ茶屋。そんな茶屋がまことしやかに語るおかしな話に、いつの間にか夢中になってしまうのでした。
お次は、冒頭で黒帯にイジられた三遊間。「よっしゃ〜!」と気合い十分に壇上に上がり、「マジでネタ合わせしたやつやんぞ。練習したやついけ!」とテンション高めの櫻井。そこへ「思ってることがありまして……」と話し始めるも、「合わせたのとちゃうやつやろかな」とスカす稲継。結局合わせた通りのネタだったものの、途中で櫻井がネタを飛ばすというハプニングが発生。生のお笑いライブならではの展開に、会場は大いに盛り上がりました。
力強いジャズサウンドと共に登場したぎょうぶは、「出囃子が気持ちいい」と口々に言い合います。扁桃腺手術を終えて戻ったばかりの澤畑が「病院と違いすぎるやろ〜!」と声を張り上げると、「吐血するまで声出すぞ〜!」と拳を突き上げる為国。それに応えるべく観客席からは「フォ〜!」と歓声が起こり、「あんま吐血でフォ〜とか言わんから」と澤畑。為国の価値観のズレを元にしたネタで笑いを生んでいました。
前半ブロックのラストは、今ノリにノっているフースーヤ。谷口の「へずま〜?」「りゅう〜!」のコールアンドレスポンスに、「なんで反応できるん」と驚く田中ショータイム。「僕らはスター路線やから、金属バットさんとは色がちゃうでしょ」とツッコミつつ、「僕らはスターじゃ……、ナッシングトゥーマッチ!」「オーマイゴットファーザー降臨!よいしょっ!」とお馴染みのギャグが炸裂。その底抜けの明るさに、会場は一体感のある笑いに包まれました。
10分間の休憩タイムには、MCのZUMAひかるが登場。雑談やモノマネをした後、演者のサインが入ったRed Bullサンパチのオリジナル提灯を賭けてじゃんけんタイム! 見事勝ち抜いた女性に提灯がプレゼントされました。
後半ブロックのトップバッターは鬼としみちゃむ。「僕らを知らない人〜?」という問いにチラホラと手が上がり、「2023年のM-1のセミファイナリストですよ」「僕の最初のラップどう思ってたん?」すかさずツッコみます。「後半の兄さん姉さん方は会話が通じへん人ばっかりやから……」とこの後のメンツをイジりつつ、どちらも既婚者であることに触れ、「結婚できる程度の常識はありますので安心して見てください」と鬼沢さん。会場に鬼沢さんの叫びが響き渡るたび、拍手笑いが起こっていました。
次に現れたのはデルマパンゲ。なぜかサンパチマイクへ向かう途中で立ち止まり、「4月からしっかりした大人になろうと思って全部数で管理してきた。1日の歩数も管理してきて、さっき今日の分を全部使い切った」と話す迫田。鬼としみちゃむの「会話にならへん……」という言葉をそのまま体現した件に会場は大ウケ。無事、次の日分の歩数を使って広木の隣に辿りつき、迫田の独特な理論を展開する漫才で惹き込みました。
あまりの盛り上がりに恐れをなしたDr.ハインリッヒは、「秋になったら伊勢神宮に行って落ち着いてください」と観客を諭します。いつもより高いステージに、高所恐怖症の幸さんがたじろぐレアなシーンも。「去年はあれに乗って帰った」と天井から吊り下げられた球体を指差し、「今日はこれに乗って帰ります」と昨年の伏線を回収。唯一無二の世界観を投影したネタで笑いを誘いました。
和歌山南陵高校のレゲエ校歌を口ずさみながら現れたももは、「WANIMAのボーカルです」というまもるの自己紹介で観客の心をつかみます。森ノ宮の劇場出番を終えた後、急いで駆けつけたというせめるが、「僕のサインまだ入ってないんで入れますね」と提灯を手にした観客を気遣う場面も。その後は、ももの新境地が垣間見えるネタとお馴染みの顔イジりで会場を沸かせました。
いよいよ大トリを飾る金属バット。ご両人が登場するや会場の熱気が爆発し、盛り上がりは最高潮に!誰もがステージに向かって手を振り、歓声を上げる、お笑いライブでは考えられない光景が広がります。
公には到底出せないNGワードや人物名が飛び交い、攻めに攻めたボケとツッコミが繰り広げられます。「これぞRed Bullサンパチ」と賛辞を送りたくなるほど過激なネタに、「ほんまに大丈夫かな」と思わず吹き出す小林と、「誰もカメラ回してないよな」と心配する友保。配信なしならではのエッジが効きまくった内容に、誰もが熱狂しました。
全てのネタが終了し、「全員集合!」というしみちゃむの掛け声を合図に演者がステージに集結。「お前がセンターは違うやろ」と金属バット・小林がZUMAひかるをイジりつつ、お待ちかねの撮影タイム。
「ありがとうございました!Red Bullサンパチ、来年も再来年もずっと続けていきたいと思います。……って、僕が言えることじゃないですけど」と締めくくるしみちゃむ。その言葉に応えるように観客の拍手が鳴り響き、お笑い好きに翼をさずけた最高に熱い宴が幕を閉じました。
Red Bullサンパチ
2023年にスタート、「大阪のアングラ漫才、見逃してへん?」をテーマにしたRed Bull主宰の漫才ライブ。完全無料招待制で、オンライン配信はなし。ライブ感満載の刺激的なネタと雰囲気を楽しめる。