おいしいおかき、楽しいグッズ。『BYTEN』のENZOさんがカタチにしたギフトショップは、人の縁を繋いでいく始まりの場所。


僕らが揃えてるギフトって、縁を繋げてくれるし、さらに広げてくれるもの。人との縁を大切にしたいから、ギフトショップというスタイルにしたんです。

『BYTEN』の内装は、お父さんと一緒に作ったんですよね?

そうですね。親父と2人で作ったんですが、改めて腕利きの職人やと思いました。背中はやっぱデカイなと。まぁ、作業がハード過ぎて、親父はリアルにマッチョになってましたけど。さすがに今回で懲りたので、次にお店する時はちゃんと業者に頼もうと思います(笑)

最初のお店が親子の合作って、エエ思い出にもなりますね。

まだまだ未完成ですけどね。1Fの『BYTEN』の部分はひとまず完成してますが、それ以外は絶賛進行中。

2人で照れくさそうにパチリ。お父さんのジョナサンは、店舗デザインやプロダクトなどを手がけるVisqの代表。『BYTEN』のお隣のセレクトショップ『nation』もそう。

確かに、1Fの奥とか2Fがどんな感じになるか気になります。

1Fの奥はこれからのお楽しみって感じですが、僕が取り組んできた<SO GOOD ISLAND>の空間になる予定で、いろんなカタチで発信できる場所になればと思ってます。2Fのスペースも、用途は考え中。この空間はフランスで出会ったお店からインスピレーションを受けて作り始めてたけど、自分の中でコンセプトが変わり出してね。今のところ、当初とは全然違うイメージで仕上がってきてます(笑)

作りながらコンセプトが育ってるってことじゃないですか。でも、“気”の通りがいいと言うか、入った瞬間に気持ちよさを感じる空間。

僕ね、イサム・ノグチが好きなんですよ。あの人の作る彫刻とか生み出すものが好きだし、ハーフという境遇も似てるから、この空間はイサム・ノグチをイメージしてます。ちょっと禅な感じの空間かなと。

窓がないのもカッコいい!

それは、まだ付けてないだけですよ(笑)。日光もたっぷり入るから植物もいろいろ置いてるんですが、そこはLAの影響があるかも。LAは都会だけど自然とすごく近くて、その環境は僕も大好きだったので、この空間もそうなればなと。街と自然の境界線にあるような場所としてね。

いろいろ活用できそうな空間ですね。

ギャラリー的な感じで、みんなウェルカムな空間にしたいとは思ってます。おばちゃんたちが集まって手芸とかしてもいい。この辺りが地元やし、帰国してから地域活動とかのローカルサービスも手伝ってるから、座談会とか会議で使ってもらってもいいし。

それエエですね。地域の若手が地元でお店をして、地元の人のためにオープンな空間を作ることで、世代を超えた交流が生まれるはず。

やっぱり地元は大好きやし、自分は縁でできてると思ってるんですよ。この物件もそうで、この取材だってそう。全部が縁。ギフトショップというスタイルでお店を始めたのも、人との縁を大切にしたいという側面もあるから。

確かにギフトは自分に贈るものもあるけど、誰かが誰かに贈るもの。お店を出てからも縁が繋がっていく。

僕らが揃えてるギフトって、縁を繋げてくれるし、さらに広げてくれるものなんですよね。もし、僕らの商品をギフトとしてもらった人がお店に来てくれたら、何かしたいなぁ。PASS THE LOVEみたいな感じで、キャンペーンするのもありだし。やっぱり縁は大切にしたい。

店の入口に鎮座するのは、あのイチロー選手の木彫り像。「迎えてる感じがあるし、招き猫よりお客さん呼びそうかなと思って置いてます。ディテールとかめちゃくちゃ細かいのに、肝心の顔は全然似てないですけどね(笑)」

近所の人、ちょっと離れた国内の人、さらに遠く離れた海外の人と繋がって、その人たちが『BYTEN』に来てくれたら、素敵すぎますね。そんな胸アツな展開も楽しみですし、ENZOさん自身がこれから取り組みたいことって他にも何かあるんですか?

チェーンステッチのクリエーションですね。

チェーンステッチって、刺繍の?それも、縁とか人の繋がりとかとリンクしますよね!

それはたまたまですけどね。昔のデニムとかに施されてた、刺繍のチェーンステッチです。LAで最初にできた友だちがやってて、そいつを介してチェーンステッチのお店のみんなと仲良くなったんですが、おもしろくてどんどんのめり込んでいきました。コーチェラっていう巨大なフェスにもみんなで出店して、すごく好評だったから日本でもやりたいなと。カスタムチェーンステッチでフジロックとかに出店できたら、マジで最高!

どんな感じのものができるんですか?

名前とかモノグラムとか、いろいろできますよ。日本ではデニムのお直しくらいのイメージかもしれないけど、ヨーロッパだと観光地のど真ん中にチェーンステッチの露店があったりもするんです。しかも、僕が使ってるミシンもそうなんですが、海外で使われてるものの多くが日本製。

へぇ、そうなんですね。日本製品が海を渡って使用され、ENZOさんがチェーンステッチと出会ってハマり、日本でもその活動を始めようとしてる。日本のアイデンティティを海外に持って行くというコンセプトの話もありましたが、その逆の現象も起きてることに不思議な因果を感じます。

そこにはやっぱり人がいるから、これも縁なのかもしれないっすね。

縁があってただ繋がっていくだけじゃなくて、いろんな交わり、結びつきも生まれてきそうですね。『BYTEN』はオープンして走り出したばかりですが、これからのデカイ野望があれば聞かせてください!

グローバル展開ですよ。日本のアイデンティティを海外に持って行くというコンセプトのもと、JAZZ×おかき×お茶、そして縁も大切にしながら販路を広げて、アメリカやヨーロッパでも勝負したい。『BYTEN』のロゴは友だちが作ってくれたんですが、枡が重なって最後は半分になってるじゃないですか。一升枡の半分で、“ます・ます・繁盛”という意味があるんです。ってことで、ギフトをお求めの際は、ぜひぜひ『BYTEN』まで!(笑)


<ENZOさんのお気に入りのお店>

LAのお店
最初に働いた『RTH』は僕のセンスを開花させてくれたお店で、『BYTEN』ともスタイルがちょっと似てるかも。チェーンステッチの『Lot,Stock And Barrel』やライフスタイルショップ『Brother Brother』は今でも交流がある大好きなお店です。

大阪のお店
こっちに10年おらんかったから語れるお店は少ないけど、親父が内装デザインした南堀江のTAIRA君のコーヒー屋。店名はないんですが、スーパー玉出の斜め向かいあたりにあって、よく行ってます。南船場の古本屋『colombo』や新町の立ち飲み屋『横目』にもけっこう行くし、<WHIMSY>を手がける宗太君のショップ『COFLO』もお気に入りです。

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Shop Data

BYTEN

住所:大阪市浪速区幸町2-7-1
時間:10:00〜18:00
休み:無休

Profile

ENZO

1995年大阪生まれ。堀江育ちの生粋のシティボーイで、大阪のストリートカルチャーを純度高めに吸収しながら青春時代を過ごす。上京してアパレルメーカーのVMDを経験し、渡米後はセレクトショップスタッフ、アパレルメーカーの海外担当を経て、今夏に帰国。桜川に自身のギフトショップ『BYTEN』を9月18日にオープンさせる。自分の中で大切にしているのは、縁と人に優しくあること。根っからのJAZZ狂でもある。

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