おいしいおかき、楽しいグッズ。『BYTEN』のENZOさんがカタチにしたギフトショップは、人の縁を繋いでいく始まりの場所。
おいしいおかき、楽しいグッズというフレーズと、懐かしい“へのへのもへじ”のイラストが一際目を引く看板。ミナミの端っこ、桜川駅のすぐ近くにオープンした『BYTEN』は、そのフレーズの通りおかきといろんなグッズを扱うギフトショップなんですが、いわゆる普通のお土産屋さんとも違うし、センスゴリ押し系のスーベニアショップとも違うんです。お店を手がけるのは生粋の堀江育ちで、幼い頃から大阪のストリートカルチャーを全身に浴びてきたENZOさん。8年のアメリカ生活を経て帰国した彼が、なぜお店を始めようと思ったのかも気になるし、なぜおかきなの?なぜギフトショップなの?などなど、いろんな“?”を解明すべく、話を聞いてきました。読んでいけばENZOさんの想いとか、お店のスタイルも分かると思いますが、まずは『BYTEN』に1度行ってみるべし。記事や写真だけでは伝えきれない空気感とか、気持ちいいユルさとか、今的な粋さとか、いろいろ感じられるはず!とにかく、SO GOODなお店なんですYO!!
『BYTEN』は、昭和も生きたことがない平成生まれの僕が令和に作る“売店”。おかきとJAZZとお茶とグッズたち…、いろんなギフトに出会ってもらいたい。
9月18日にオープンした『BYTEN』ですが、まずはこのお店を始めようと思ったきっかけから聞かせてもらえれば!
アメリカに8年間住んでて、いつかは自分のお店をしたい気持ちはあったんです。アメリカ生活も楽しかったけど、この物件が空いた情報を聞いたから、そろそろ温めてたことをやろうかなと思ってね。
温めてたことって?
<SO GOOD ISLAND>という自分のブランドというか、クリエーションを出すレーベルを20歳ぐらいからちょこちょこやってたんです。日本のアイデンティティを海外に持って行くのがコンセプトで、それをお店としてカタチにしたいなと。僕自身、ギフトショップが大好きで、旅行とか行った時に「これ、よー分からんけどアイツに買おかな」って感覚あるじゃないですか?その感じを日本でやるなら、ちょうどいいギフトってなかなか難しいけど、おかきやったらイケる自信があったんですよ。
看板にもおいしいおかきって書いてますもんね。イケる!と思った理由とは?
僕が日本からアメリカに持って行って一番人気だったのがおかき。みんな食ったことはないけど、アメリカにも米はあるし、LAはヘルシー志向の人も多くてめちゃ喜んでくれたんですよ。ギフトにもちょうどいいし、やっぱりおいしいし。おかきをギフトとして転換して、いろんなグッズも楽しめるお店にしたらおもろくなりそうで、SO GOODやと思ったんです。
しかも、おかきを普通のおかきとして見せてないのが、エエですよね。
これ、JAZZおかきっていう商品名なんですよ。僕がJAZZ好きで、パッケージを通じてJAZZも好きになってもらえたらと思ってね。味は七味や梅ざらめ、牛せんとか5種あるんですけど、それぞれに味からインスピレーションするアーティストの名前を付けてます。香ばしくてピリッと七味が効いてるおかきは、トランペットが力強いあの頃のマイルス・デイヴィスにちなんでMILESにしたり。
商品を味で呼ぶんじゃなくて、名前で呼ぶのって素敵ですね。「あー、今日はMILESにしよかな」って。
そうそう、そうなってくれたらうれしい。パッケージにはQRコードが付いてて、5種それぞれにJAZZのプレイリストを用意してるので、おかきを食べながらぜひ聴いてください。パッケージもQRコードも定期的に変えていく予定で、JAZZのことをちょっとでも好きになってもらえたら本望ですね。それと、やっぱりおかきにはお茶がめちゃくちゃ合う!お店では、<NIJIRI TEA>のTAIちゃんがセレクトする本釜炒り茶も提供してるから、おかきと一緒に楽しんでもらえたら!
JAZZ×おかき×お茶かぁ。それぞれバックボーンがあるものだけど、ENZOさんやお店のフィルターを通してるから堅苦しくもなくて、ちょうどエエ。今までのストリートにはなかった、粋な感じがします。
だから、僕の髪型も「若旦那みたいにしてください!」って言うて、カットしてもらったんですよ(笑)
確かに、めっちゃ若旦那感ある(笑)。ちなみに『BYTEN』の名前は、やっぱり売店ってことで?
もちろんそれもありますけど、“BY 10”で10時までには開けますよってことや、Uをプラスした“BUY TEN”で10個は買ってねとか、YをIに変えて美点って意味を込めたりとか。昭和も生きたことがない平成生まれの僕が令和に作る“売店”として、いろんなギフトに出会ってほしくてストレートな名前にしたんです。
KIOSKじゃないのがエエですね。看板のインパクトもすごいし。“へのへのもへじ”とか久しぶりに見ました(笑)
看板はめちゃくちゃ悩んで、最初は“新装開店”だけにしようかなと思ったんですけど、“へのへのもへじ”の方がランドマーク感もあるなと。作ってくれた看板屋さんが一番喜んでたかも(笑)
こんな感じの看板は、今では作ることもなさそうですもんね。海外の方も喜びそうですが、ミナミの中心地からちょっと離れた桜川だと、実際のところ観光客ってどれくらいいるんですか?
実は桜川って、観光客の方にとってはアクセスのいいエリアなんですよ。ミナミもすぐだし、USJや奈良にも行きやすい。ホステルもあるから観光客の方もけっこう多くて、街としてのポテンシャルは高いと思いますね。
これから『BYTEN』のおかきが、どんどん海を越えていきそうですね。ギフトとしては、他にどんなものがあるんですか?
湯呑みがあったり、相撲系のグッズ、忍者のマグネットとか。「I’m here for you !/安心して、横にいるから!」ってメッセージを入れてるオリジナルのジャズドッグは、ぎゅーっと握れる素材のもので、僕もお気に入りです。他にもおかきを入れるヘルメットボウルやキャンプにも使える缶詰の蓋、ペット飼ってなくても携帯用ゴミ袋として使えるホルダーとか、日本とアメリカのごちゃ混ぜのような感じ。蚤の市とかで買い付けたオブジェとかもあるし、おかきからおもろいもの、誰が欲しい?って思うものまで揃ってます。オープンしたばかりでまだ陳列もキレイだけど、これからもっとごちゃつく予定です(笑)
BYTEN
住所:大阪市浪速区幸町2-7-1
時間:10:00〜18:00
休み:無休
ENZO
1995年大阪生まれ。堀江育ちの生粋のシティボーイで、大阪のストリートカルチャーを純度高めに吸収しながら青春時代を過ごす。上京してアパレルメーカーのVMDを経験し、渡米後はセレクトショップスタッフ、アパレルメーカーの海外担当を経て、今夏に帰国。桜川に自身のギフトショップ『BYTEN』を9月18日にオープンさせる。自分の中で大切にしているのは、縁と人に優しくあること。根っからのJAZZ狂でもある。