布施の秋は、ハロウィンより妖怪!「妖怪あつめ」を仕掛ける彫り師・ぎんさんの深すぎる妖怪愛。


日本の奇祭として、海外メディアにも取り上げられたらゴール。布施はハロウィンじゃなくて、妖怪のコスプレして楽しめるような場所になったらおもろいなと思って。

「妖怪あつめ」を布施商店街で始めることになったのは、どんな経緯だったんですか?

ここの商店街は南北1.5kmぐらいあって、5つぐらいの商店街で成り立ってるんですよ。各商店街にちゃんと法人の会社もあるんですけど、やっぱり商店街ってだんだん商売しにくくなってるんで、何年か前から、なんとかせなあかんなって話になってたんです。で、僕もなんか考えてくれへんかって言われて。でも僕、妖怪しかモチベーションあがらへんじゃないですか。やから、商店街の端から端まで人が来るっていう状況を作るために、自分の好きな妖怪を当てはめたらええんちゃうかと思って、「妖怪あつめ」を提案したんです。

商店街の方々は、賛同されました?

いやいや、始めの頃は「なんじゃそりゃ」って(笑)。誰が妖怪見に来るねんって言われました。でも、ずっと洗脳し続けたんですよ。妖怪しかないっすよ、布施は妖怪っすよって3年ぐらい言い続けてたら、じゃあやってみよかってなって。

すごい、ついに思いが通じたんですね。

最初は、賞金100万出してくださいって頼んだんですよ。それだけ出したら話題になって、地方からも来てくれるかなって。日本の奇祭として、海外メディアにも取り上げられたらゴールやと思いますって言うたんですよ。布施はハロウィンじゃなくて、妖怪のコスプレして楽しめるような場所になったらおもろいなと思って。

実際に開催してみて、どんな感じだったんですか?

最初は500人ぐらいでしたね。1回目は、ユニクロも協賛してくれたんですよ。なんかその頃はユニクロが地域と連動したプロモーションをやってた時期で、ユニクロの中に妖怪を置かせてもらったんです。

ユニクロコラボ、すごいですね!

でもそんな宣伝効果なくて(笑)。そうなんやーぐらいで。でもそこからは、倍々に増えて、第4回の去年は3,000人来たんです。布施の商店街に3,000人ってやばいっすよ。それだけの人数が来て5~6時間滞在するわけやから、その分商店街のお店も利用するじゃないですか。

経済効果がめっちゃありますね。イベントの告知はどんなふうにされてるんですか?

ポスターだけっすね。

え、ポスターだけですか?

やばいっすよね(笑)。なんか小中学生の子供らが、みんなクチコミで広げてくれてるみたいなんですよ。SNSでバズらせて……とか考えてたんすけど、意外とこういうのが強いんやなって。ほんまは今年から、インスタとかで発信してやりたいなって思ってるんですけどね。

妖怪たちは、どうやって手配されてるんですか?

妖怪のお面は、京都の嵯峨美術大学の河野隼也くんから借りてます。河野くんは造形の講師で妖怪を専門にやってる人なんですけど、「嵐電妖怪電車」とか、京都の妖怪関係は彼がいろいろ仕掛けてるんですよ。学生にもお面製作とかさせてるみたいで、それをレンタルしてるんです。

「妖怪あつめ」の妖怪たちは、嵯峨美製作なんですね。めっちゃクオリティ高そうです。妖怪になっているのは?

去年はYouTubeで600万再生いってるラッパーの子たちが協力してくれて、妖怪になってもらいました。みんな若い子ばっかりなんですけどめっちゃ大変みたいで、イベントのあと会長らが寿司行こか!言うても、2人しか手挙げへん。みんな、しんどいから帰りますって(笑)

そうですよね。歩いてたら、ひっきりなしに声かけられて、写真を撮られるわけですもんね。

おもろいのが、イベントが終わったあとに何人か、「子供らに、妖怪ですか?って聞かれてんけど」っていう人があらわれるんですよ(笑)

妖怪のコスプレしてないのに、妖怪と間違えられてるんですね(笑)

さすが布施っすよね、おもろい人多いんで。

でも毎年これだけ盛り上がってたら、商店街の人も大喜びされてますよね。

喜んでますね。もう恒例みたいな感じになってます。行政の人からも言われるみたいですよ、布施商店街えらい盛り上がってますねって。僕いつも受付にいるんですけど、去年は福岡とか岡山から来てくれた人もいてました。

商店街を盛り上げるとか地域活性化ってどこもいろいろやってますけど、こんなに成功している事例って珍しい気がします。

せっかくやるんやったら、ただの自己満足やなくて、布施っておもろい街やな、布施に住みたいな、布施で商売やりたいなって思ってもらえる取り組みじゃないと意味ないじゃないですか。集客もそうやけど、布施ってええ街やん!って思ってもらえる、それがないとやる意味もお金かける意味もないなと思ってます。

 


ぎんさんがこれからやりたいこと、仕掛けたいことってありますか?

いっぱいあるんすよ。ひとつはもう実現しかけてるんですけど、布施の商店街でしか買えない妖怪フィギュアのガチャガチャを30か所に設置しようと思ってるんです。京町堀にあるコギトケミカルの加藤くんとの共同企画で話を進めてて、もうフィギュアのサンプルができて来てます。で、300分の1ぐらいの確率で、金ぴかのえべっさんを入れようと思ってて。布施には布施戎神社があるし、えべっさんはヒルコって言って、日本最古の妖怪でもあるんで。

妖怪フィギュアのシークレットがえべっさんなんですね!

実はこのフィギュアにはモデルがあるんですけど、それはまだ非公開で。あとね、商店街の北から南まで、自転車にDJセットを詰んで妖怪が漕ぎながら走って、動くクラブみたいなのもやりたいなと思ってます。

妖怪が自転車でDJ!?

ヨーロッパでめっちゃバズってるんですけど、それを妖怪バージョンでやりたいなと思って。11月ぐらいに妖怪の衣装を借りる機会があるので、そのときに商店街でやってみたいっすね。

もうますます布施が、妖怪の街になっていきますね。

そういえば商店街の会議でもそんな話が出ましたね(笑)


<ぎんさんのお気に入りスポット>

Brown Tabby(東大阪市岸田堂西)
東大阪にある古着と雑貨とリぺアのお店。もう20年ぐらいの付き合いです。一点もののオリジナルの洋服を作ってはって、それが好きで。ほとんど服はそこでしか買ってないっすね。


INFORMATION

第5回 妖怪あつめ
2023年9月24日(日) 受付13:30~、ゲーム15:00~19:00、賞金授与式19:30~
受付: 布施クレアホール(東大阪市足代北2-1-13-101)
http://ebisu-kanko.org/youkai/

1234
Profile

ぎん

広島県出身。地元でバスを改造した屋台を経営した後、21歳で大阪へ。たまたま立ち寄った布施を気に入って定住、布施商店街でタトゥースタジオを開業する。2017年からイベント「妖怪あつめ」をスタート、2023年6月に妖怪専門店「ビリビリモンスター」をオープン。

Shop Data

ビリビリモンスター

妖怪をモチーフにしたラグマットの展示など。オリジナルラグマットを作るワークショップも受付。タトゥーは妖怪以外のモチーフもOK、妖怪ガチャガチャも設置予定。

東大阪市足代1-11-15
Youtube:@user-ru7jk4pv7i

CATEGORY
MONTHLY
RANKING
MONTHLY RANKING

MARZELでは関西の様々な情報や
プレスリリースを受け付けています。
情報のご提供はこちら

TWITTER
FACEBOOK
LINE