お笑い、音楽、俳優……ジャンルレスに活躍する藤井隆さんが登場!今秋出演する舞台に対する想いや、大阪時代の思い出についてもインタビュー!


子供の頃は、難波は怖かったんですよ。北摂で育った僕は、そんなに難波には行ってなかったんです。僕にとっては梅田が大阪やったんで。

今回の公演は京都劇場ですが、藤井さんは大阪府豊中市のご出身なんですね。収録や舞台で関西に来られる際に地元に帰られたり、どこか立ち寄ったりされることはありますか?

仕事で来させてもらうので、わざわざ立ち寄ることはないですね。でも、いつも必ず、空からは見てますよ。

空から?

だいたい飛行機で大阪に来るんですけど、行きも帰りも豊中の上を飛ぶんです。だから、見えるんですよね、自分の住んでたところとか、通ってた小学校とか、母親が働いてたところとか。上から見てるだけでも、よく行ったお店のホットケーキの匂いとか思い出せます。

上空から思い出の場所を眺めるって素敵ですね。

仕事で移動することが多くなって当たり前みたいに思ってたんですけど、でも自分の住んでたまちを空から見るって、すごくスペシャルなことですよね。最近あらためて、そう思うようになりました。
右側の窓際の席、E席かな?その席の時は、幼少期に住んでた景色がぐわっと見えるんです。反対のA席のほうは大阪城とかお世話になってる読売テレビさんとかが見えるんですけど、高校生の時にバイトしてたビルとかも見えて。真ん中の席の時だけですね、寝てるのは。窓際に座ったら絶対に見ちゃいます。

ご自身のたどってきた歴史が空から見えるんですね。大阪時代によく行かれた場所とか、思い出の場所はありますか?

梅田かなあ。大阪に帰ってどこに行きたくなるって、梅田に行きたくなるかも。いろんなことが初めての場所だったんです。お父さんと初めて行った映画館とか、スケート場とか、あと初めてテレビの仕事が始まったのも梅田なので。だから梅田はワクワクしますね。

出演されていた劇場のある難波より、梅田というのが意外でした。

ほんまですね、薄情ですね。でも実際、仕事で泊まったりするのは難波も多かったですよ。でもね、子供の頃は、難波は怖かったんですよ。北摂で育った僕は、そんなに難波には行ってなかったんです。僕にとっては梅田が大阪やったんで。

たしかに、阪急沿線にお住まいだったら、難波まではなかなか来ないですよね。

そう、だから難波はカラーがちょっと違うというか、梅田はブルーのイメージで、難波はオレンジ。梅田よりもっとビビッドな印象ですね。昔はそれに慣れなくて、西中島南方を過ぎて淀川を越えるとき、電車の中で「はぁ~」ってなってました。今ではもうすっかり好きになりましたけど。

そんなアウェー感のある難波の劇場でデビューされたわけですが、初舞台の記憶はありあすか?

あります、あります。デビューしたのは、当時心斎橋にあった2丁目劇場なんですよ。そこで「よしもと新喜劇若手公演」っていうのが初舞台ですね。5月に入団して7月にあった公演で、最初は出てなかったんです、埋もれてて役なんてついてなくて。同期が100人ぐらいいて、そのうちの10数人が出るぐらいで。僕はそれを「すごいねーがんばってー」って見てるだけ。でも、舞台に出てたトップ3みたいな男の子の1人が、すぐ辞めちゃったんです。それで、別の用事で稽古場に呼ばれてた僕が人数合わせで出ることになって、そのままじゃあ藤井でってことに。

それが劇場デビューなんですね。初舞台はどうでした?

笑っちゃいました。バッファロー吾郎のお2人に鞄をひったくられて、「ひったくりやー!」って警察に行くんですけど、対応してくれた警察官がナインティナインさんで。あとは島田珠代さんとか辻本茂雄さんとか、お兄さんお姉さん方がゲストで若手を盛り上げてくださるみたいな舞台だったので、「わあナイナイさんやー、珠代さんやー」みたいな感じでヘラヘラしてました。

一緒の舞台に立っているのに、そんな感じだったんですね(笑)

声もぜんぜん出てなくて、演出家の先生にすっごい怒られて。「ひったくりやー」って叫ぶんですけど、そのたびに「今の10倍、20倍、その1000倍!!」って言われて。「そんなんできるか、のどちぎれるわ!」って同期と言うてました。

「この役を藤井にやらせてみよう」と思ってくださったことの連続なので、これからも「この舞台に藤井に立ってほしい」と思っていただける自分ではありたいなと思ってます。
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Profile

藤井 隆

1992年吉本新喜劇に入団。2000年に「ナンダカンダ」で歌手デビューし、年末の紅白歌合戦に初出場。最近の舞台出演に、『おとこたち』(岩井秀人演出)、『ゲゲゲの鬼太郎』(田村孝裕演出)、『広島ジャンゴ 2022』(蓬莱竜太演出)、こまつ座『雪やこんこん』(鵜山仁演出)、大パルコ人④マジロックオペラ『愛が世界を救います(ただし屁が出ます)』(宮藤官九郎演出)、『大地(Social Distancing Version)』(三谷幸喜演出)などがある。12月に『ジャズ大名』(福原充則演出)、2024年に『カラカラ天気と五人の紳士』(加藤拓也演出) に出演予定。

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