自分の胸に届いた、ある日の言葉。FM802のDJ・板東さえかさんが、ラジオの向こう側にいるリスナーへ届けたいもの、伝えたいこと。

自分の胸に届いた、ある日の言葉。FM802のDJ・板東さえかさんが、ラジオの向こう側にいるリスナーへ届けたいもの、伝えたいこと。

FM802で毎週金曜日18〜20時の『Poppin’FLAG!!!』と、毎週火曜日深夜24〜27時の『FLEEKLOUNGE』の2番組を担当するラジオDJの板東さえかさん。ばんちゃんの愛称で親しまれ、いつもハッピーな雰囲気と等身大のトークで番組を盛り上げてるのがとっても印象的です。クラブでのDJをはじめ、テレビ番組でのナレーターやリポーターとしても活動し、声だけじゃない姿を目にしてる人も多いんじゃないでしょうか。そんな板東さんのこと、がっつりインタビューしてきました!ラジオDJになるために歩んできた道、有言実行を続けつつも胸に抱いてた反骨心、楽観的を超えたポジティブなヴァイブス…、人生は山あり谷ありだけど、やりたいことに向かって突き進んできたその姿が、めちゃ素敵です。ラジオDJとして届けたいもの、伝えたいこと、ばんちゃんの“あの声”を思い出しながら読んでもらえれば、その想いがグッと近づいて感じられるはずです!!

「大丈夫だよ」と励ましてくれた、あの言葉。人の言葉って、ラジオからこんな風に届くんだと気づいた瞬間、私もラジオDJになりたいって思ったんです。

板東さんが「ラジオDJになりたい!」と思ったきっかけも伺いつつ、まずはルーツを辿っていけたらと思います。やっぱり幼い頃から音楽は好きだったんですか?

そうですね、昔から音楽が好きで、「HEY! HEY!HEY!」や「うたばん」、「THE夜もヒッパレ」などのテレビ番組もよく見てましたし、モー娘。とかのアイドルにもハマってましたね。歌うのも踊るのも好きでしたが、自分から音楽を掘るようになったのは、兄の影響でBUMP OF CHICKENをきっかけにロックにのめり込んでから。中学1年生くらいの頃ですね。当時はバンプをはじめ、ASIAN KUNG-FU GENERATIONやELLEGARDEN、ストレイテナー、ACIDMANなどテレビの露出がないバンドが多くて、リアルタイムで情報を得るためにラジオを聴き始めたんです。あとはTSUTAYAのフリーペーパーや雑誌とかからも、音楽情報を掘ってましたね。

確かにテレビにあんまり出ない派が推しの場合は、得られる情報って限られてましたもんね。ちなみにどんなラジオをよく聴いてたんですか?

私の中でラジオが生活の一部になったのは、TOKYO FMで『SCHOOL OF LOCK!』という、いろんなアーティストが各曜日に講師として出演する番組がスタートした2005年頃。バンプも出演してたので、ずっと聴いてましたね。ちょうど高校受験のタイミングだったから、勉強のお供にラジオって感じで。毎朝、新聞のラテ欄でバンプの文字を探したりしてて、その流れでいろんなラジオを聴くようになり、気づいたらFM802のヘビーリスナーになってました。

朝からラテ欄で探すって、相当ですね。でも、ラジオが板東さんの支えにもなってたと。

高校受験はノイローゼになるくらい根を詰めて勉強してたので、心配や不安でメンタルもだいぶ落ちてたんです。そんな時に『SCHOOL OF LOCK!』でバンプの藤くん(藤原基央)が、リスナーに向けて「大丈夫だよ」と励ましてくれて…。自分に言ってくれたわけじゃないのに、思わず泣けてしまったんです。人の言葉って、こんな風にラジオから届くんだと気づかされた瞬間でしたね。それを機に、私もラジオDJになりたい!なるなら、ずっと聴いてるFM802でなりたいって思うようになったんです。

ラジオに支えられて救われて、夢を叶えて今がある。めっちゃええ話…(涙)。じゃ、その時の夢をずっと抱き続けてたんですね。

ラジオDJは、音楽も喋るのも好きな自分が最初に抱いた夢だから、ずっと根底にはありました。でも、どうすればなれるかもわからなかったし、具体的な仕事や職業としては捉えてなくて、あくまでも夢として自分の中にあるものだったかなと。

漠然としつつも、中学生で自分のやりたいことが明確になってるのはすごいと思いますよ。進学した高校では、音楽やラジオDJにつながるようなことをしてたんですか?

高校ではバンドがしたかったんですが、軽音楽部がなかったのでフォークソング部に入ってました。校庭でフォークギターをみんなで弾いたりしてましたけど、弱小部活だったから肩身も狭いし、こじんまりとした感じで(笑)。それが本当にイヤでたまらなくてね。どうしてもバンドがしたかったので、私の代にいた10人の同級生と結託してライブハウスでイベントすることにしたんです。年1回の開催を目標にして、部活もしつつスタジオで練習したりしてました。

青春ですねー。やりたいことができないから、やる。そんな反骨心も感じちゃいます。

それには理由もあるんです。学校が住宅街にあるからアンプは使えないと聞かされてたのに、吹奏楽部はベース演奏用のアンプを使ってたんです!!!当時、吹奏楽部は有名で大所帯だから認められてたとしても、納得できないじゃないですか。ライブハウスでのイベントは継続しつつ、どうすれば校内でアンプが使えるか考えた末、2年生になった時に新入生をめちゃ勧誘して、フォークソング部をデカくしようと企んだんです(笑)

すごいストレート!(笑)。で、どれくらい勧誘できたんですか?

30人勧誘しました(笑)。でも、人数が多くても実績がないからと認めてもらえずで…。

でも、まだまだ諦めはしない?

ですね。引き続きスタジオでも練習してるうちに、自宅にドラムセットのある子が別の部活と兼任でフォークソング部に入ってくれることになったんです。学校にドラムセットをわざわざ持ってきてくれて、そうこうするうちに先生も協力してくれるようになり、小さい視聴覚室でしたがアンプも置けるようになりました!

フォークソング部、確実に育っていってますね。学校でもアンプで音出しができ、スタジオで練習した成果を年1のイベントで魅せる!めちゃ音楽三昧な日々ですが、ちなみにバンドの担当は?

チャットモンチーやGO!GO!7188のコピーバンドでギターボーカルを担当してました!それぞれの曲は、ほぼやった気がします。年1のイベントでは、みんなでいくつものバンドを掛け持ちしながら、何回もステージに立てるようにしてて、今振り返っても本当に音楽がしたかったんだなと思います。

オリジナル曲を作ったりはしなかったんですか?

作ってみようとしましたけど、作曲も作詞も才能が…(笑)。部活やバンド活動に夢中になりつつ、高校時代も変わらずラジオは聴いていて、いつも自分の目の前には思いっきりのめり込めた素晴らしい音楽があったので、それを届けたいって気持ちや夢への想いが強くなってましたね。

夢の輪郭がくっきりしてきたんですね。高校卒業後の進路は?

大学には行くつもりでしたが、センター試験は受けたくなかったので、指定校推薦で関大の社会学部メディア専攻を狙ってたんです。そのために勉強して成績もちゃんと残してたし、生徒会にも入って内申も稼いでたんですけど、1つの枠が別の子に決まってしまって(涙)。かなり打ちひしがれてたと思います。でも、その時に教えてもらったのが大阪芸大でした。当時、放送学科のある4年生大学は大阪芸大か東京芸大しかなくて、選択肢は芸大しかない状態。オープンキャンパスもとっくに終了してたので、お願いして大阪芸大の授業に参加させてもらったんです。それがめちゃ楽しくて、受験して大阪芸大に通うことになりました。

着々とラジオDJへの道を進んでたと。

大阪芸大では、放送学科のアナウンスコースを専攻。発声やアクセント、伝えるための表現など、基礎的なことはいろいろと学ばせてもらいながら、ラジオDJになるためにはどうすればいいかをずっと考えてました。だけど悩みつつも、大学生の間にやりたいこととして短期留学を決意して、バイトで1年かけて貯めた70万円で3回生になる前の春休みにオーストラリアへ留学したんです。ホームステイ先は音楽好きの家族で、家の中でも車の中でも常にラジオを聴いている生活。海外に行ってその体験ができたのも大きかったのですが、2011年3月11日を現地で迎えることになり、知り合った子の地元が大変なことになったりもしてて…。明日が来るって、当たり前じゃないんだなと。帰国したらラジオDJになるために動きまくろうと改めて決心しました。

聞かれたことに対して考えたり、何かを見つけたり、そこから話が転がっていったり。深い浅いじゃなくて、対話することの楽しさ、その良さを小沢健二さんに導いてもらった。
123
Profile

板東 さえか

1月30日生まれA型。大阪、堺出身。大阪芸術大学・放送学科アナウンスコース卒業後、DJオーディションを受け、2014年FM802『Ciao!MUSICA』『RADIO∞INFINITY』でアシスタントDJデビュー。同年10月スタートの『LNEM-エルネム-』でラジオDJとしてのキャリアをスタート。現在は、毎週金曜日の18〜20時の『Poppin’FLAG!!!』と毎週火曜日の深夜24〜27時の『FLEEKLOUNGE』を担当。読売テレビの『あすリート』のナレーターも務める。イベントMC/DJ、TVナレーション、コラム連載など、活動の幅を広げながらローカルの繋がりを大切にカルチャーを発信中。最近の趣味は、週1のパーソナルジムで自分を追い込む筋トレ。

CATEGORY
MONTHLY
RANKING
MONTHLY RANKING

MARZELでは関西の様々な情報や
プレスリリースを受け付けています。
情報のご提供はこちら

TWITTER
FACEBOOK
LINE